私は白川の方に散歩に行くとき、熊本大学の校内を通ることがあります。今年はコロナ騒ぎでほとんど学生の姿を見かけませんでしたが、最近ようやく戻ってきたようです。
校内には夏目漱石の銅像やらラフカディオハーンのレリーフやら、第五高等学校時代ゆかりの人物たちの記念碑があります。散歩がてらにこれらを眺めていくのも楽しいものです。
ところで漱石先生は、熊本にいた4年3ヶ月の間に厳密に言うと7軒の家に住んだと言われています。一般に第五旧居と言われる(実は6番目)内坪井の家が最も長く1年8ヶ月ほど暮らしていました。この家は公開されていましたが熊本地震でやられ、やっと復旧工事が始まったようです。
寺田寅彦は熊大裏の立田山山麓に下宿していました。今は目印の標柱が立っています。学生だった寅彦は漱石先生が大好きで、内坪井の家によく遊びに行ったそうです。しかし、私が歩くとこれが結構な距離なんですよね。昔の人は歩くのが普通だから、へっちゃらだったんでしょう。ちなみに寅彦は、上通の長崎書店でバイオリンを
買い、立田山に登って練習したらしい。寅彦の青春ですねー。