文化庁が八代の石の文化を日本遺産に選びました。「八代を創造(たがや)した石工たちの軌跡〜石工の郷に息づく石造りのレガシー〜」というのだそうです。長いねー!
何しろ種山石工の里ですからね。眼鏡橋がいっぱいあって、干拓地には石造りの堤防や樋門がずらり。日本遺産に選ばれるのは当然でしょう。
眼鏡橋は全国の9割が九州にあります。奈良県なんて1つもないからね。長崎で中国人が造り、その技術が広まったらしい。でも、九州から先にあまり広がらなかったのは不思議です。
1つ考えられるのが阿蘇山の影響です。9万年前の大噴火のとき、阿蘇の火砕流は九州の北部を中心にほぼ全域を覆いました。それが固まってできたのが溶結凝灰岩です。この石は加工がしやすく、水を通しやすい。大昔から九州の人たちはこの石を利用してきました。
装飾古墳、大王の棺、墓石、門柱、敷石、そして眼鏡橋。そう考えると、今回日本遺産になったのも阿蘇山のお陰かもしれませんね。熊本で美味しい地下水が飲めるのも阿蘇山のお陰。ブラタモリで、島原の原城は阿蘇の火砕流でできているから城内に井戸があり、キリシタンたちが長い間籠城できたと言っていましたが、火砕流は海
を渡ってあそこまで行ったんですね。