夢の中では今日は金曜日。朝起きると月曜日。
どうもkurogenkokuです。
先日、うちの会員さんから慌てて相談を受けました。
その会員さんは小規模事業者です。
内容が内容だけに濁して書きますが、ある行政機関が立ち入り検査に入り、その事業所に対して改善指導がありました。真面目な経営者です。法令順守は当然のことと考えていますので、改善指導に対して、きちんと対応する意思があります。
しかし行政担当者が出した改善命令をまともに実行するとイニシャルコストで100~200万円、さらにランニングコストで年間1,000万円もかかってしまうことがわかりました。これでは事業継続できるわけはないですし、言われた通り、投資してしまったら当人が破産してしまうかもしれません。
そんな状況ですから、藁をもすがる気持ちで私のところに電話してきたんでしょう。私は、その事業と同様の事業所の支援にはたくさん入っています。しかし、今回のような厳しい改善命令を受けた事業所はこれまでなかったですし、その行政担当者が出したような対応策を講じている事業所を知りません。
そこで経営者に言いました。
「これだけお金がかかってしまうことです。いっそ、その改善命令に至った法的根拠を行政機関に示してもらい、弁護士に相談してください」と。
私の提案に従い、経営者が行政機関に法的根拠を示してもらうようお願いすると、こんな回答が返ってきました。
「法律には明記されていません。でも私がお願いしたような対応を図っていただければ、すぐに問題が解決されると思って言いました。説明が足りなかったところはお詫びいたします。上司とともに後日説明に伺います。」
すなわち今回の件、行政機関が出した改善命令は法律に照らし合わせれば、「マスト」ではなかったのです。他に対応策はあるのです。
繰り返しますが、その経営者はとてもまじめな人なので、誤りは認めています。至らなかった部分はしっかり改善する気持ちがあります。問題は改善しなければならない「程度」です。さすがに温厚な経営者も、行政の説明を聞いてカンカンでした。でも行政担当者と法的に争うことが目的ではないですから、「ここは穏便に対応しましょう」ということになりました。
でも、もし改善命令をそのまま実行していたかと思うとゾッとします。
行政機関の担当者は若い方だと言っていました。
彼もまた悪意があるわけではなく、良かれと思っていったのかもしれません。でも「『命令』ではなく『指導』する立場として、どんな対応をしていったらよいか、経営者とともに考えましょう」、そのくらいの気持ちで接していかないと、事業をやる人なんていなくなってしまうのではないかと、心の底から思いました。
まあほんと、その経営者が投資してしまう前に相談してもらってよかったです。
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