ZZR1400 PHANTOM Ninja 黒影

愛馬ZZR1400と、日々思うこと (゜o。∀。o゜)

そういう時代じゃない?

2013年09月07日 19時44分15秒 | その他
720ピクセル


変に間が開いてしまいましたが、ホンダの新販売戦略について。

事の発端は2011年の10月10日、
本田技術研究所の鈴木哲夫取締役常務が
報道陣と懇談し語った内容がある記事によって伝えられた事に始まります。

そのタイトルは
高回転高出力バイク「そういう時代じゃない」本田技術研究所鈴木常務
という、これまたショッキングなタイトルでした。

世の中のライダーはとにかく驚いた。

特に俺等みたいに、高回転高出力バイクのオーナー達は
はあ?と、一気にこの記事に喰らいつき、物議を醸したのでした。

アーカイブからも消えてしまうかもしれないので
念のため、その全文を紹介しておきます。



Response               2011年10月10日(月) 11時00分
■高回転高出力バイク「そういう時代じゃない」本田技術研究所鈴木常務
http://response.jp/article/2011/10/10/163565.html

本田技術研究所の鈴木哲夫取締役常務執行役員は9日、
高回転・高出力型の大型バイクについて
「そういう時代じゃない。乗りにくいものを造ってもしょうがない」との認識を示した。
鈴木常務は同日、ツインリンクもてぎで報道陣と懇談し語った。

鈴木常務は
「どんどん高回転、高出力になり、排気量メリットは200km/h超えた領域で初めて
 意味があるようになってしまった。
 『CBR1000』などのクラスのオートバイは10年前にホンダ・レーシングが
 8時間耐久レースに出ていた車と全く同一スペックになっている。
 そんなものは街中で楽しいはずも無いし、そういう時代じゃない」
と述べた。

ホンダは中回転域で最高出力に達する次世代グローバル700ccエンジンを新開発し、
11月に開催されるミラノショーに、同エンジンを搭載した3つのモデルを出品する予定。
鈴木常務は
「今までの歴史を全部否定する行為なので、いろいろあるが」
としながらも、
「もうちょっと本当に常用域のところで楽しいものを造ろうよと。
 ただ、それだけ造ってるとリスクがあるんだけど、他にも沢山ラインナップがあるのだから、
 そういうことをやったらいいんじゃないのと、もういい加減にそろそろ」
と新エンジン開発の経緯を語った。

その上で、
「そういう方向にしつつある。基本的には、乗りにくいものを造ってもしょうがない。
 ハーレーやBMW、ドゥカティみたいに他の人に見せる盆栽のようなものはホンダには無理。
 だから少なくとも実用品というか、乗ってどうのというのは絶対負けないようにしろと、
 見せてどうとか飾ってどうとかという所はあきらめてもいいから、
 乗ってどう だけちゃんとやれと社内には言っている」
と述べた。




この記事に対する反応はというと
「ホンダ終わったな」とか
「なんと夢の無い・・・」
「んじゃ、世のバイクはみんなスクーターでいいじゃん」
「カブ乗ってればいいってこと?」
「利益しか見えないバイクの事知をらないヤツなのか?」
など、批判的な意見が多く見られました。

ただちょっと待って欲しいのです。
これを語っているのは鈴木哲夫氏なのです。

氏を知らない方もいらっしゃると思いますので
ここで氏の経歴を簡単に紹介しておきます。



1983年:本田技研工業(株)入社
同年10月:(株)本田技術研究所 朝霞研究所配属
     ゴールドウイング(水平対向6気筒エンジン)を除く全てのスポーツモデルの車体設計を手掛ける。
     VT250F、CB1000スーパーフォア、VFR750、CBR1100XXなど多数。
     VTR(250)は開発責任者を務める。
2000年:(株)ホンダ・レーシングに異動(スーパーバイク開発責任者)
2001年:本田技術研究所 朝霞研究所
      MSD(モータースポーツ・デベロップメント)発足と共にマネージャーへ就任。
2003年:本田技術研究所 朝霞研究所 所付(量産の車体設計技術統括)
2009年:本田技術研究所常務取締役(二輪R&Dセンター担当 兼 ホンダ・レーシング社長) 現在に至る。



そう、
バイクの事をよくわかっていない、わけのわからない役員というわけではないのです。
むしろ現場も現場、その中でも中心的な活躍をし、
近代ホンダの主要なバイクを全て手掛けている人物なのです。
更に、世界最高峰レースにも参戦しているHRCにおいても活躍するなど
ホンダの量産車からレース車までを、知り尽くしている人物とも言えるのです。

また氏は、プライベートでもバイクを何台も所有しているそうで
原付から大型二輪まで、国産車から外国車の旧車まで、
スポーツからスーパースポーツ、オンからオフまで複数所有し
カスタムもしながら楽しんでいるという、かなりのバイク好きでもあるそうです。

こういった氏の背景を知った上でこの記事を読むと、
同じ記事でも、また少し違って見えてくるんじゃないかと思います。
少なくても俺らみたいなズブの素人が語った内容の記事ではなく
その道ではかなり名を馳せた人間が語った内容ということなんです。


記事に出てきた
「高回転・高出力型の乗りにくいもの」
というのも、
「どんなに速いマシンであっても、
 世界最高峰のレーサーでさえ何周かに1回ミスをするようなマシンは
 到底素人には乗りにくいマシンだろう」
という読み方も出来ますよね。

その他の部分を読んでもそうなのですが
こうやって氏の言葉をひとつひとつ噛み砕いて読むと
とても納得できる部分が多い事に気が付きます。

そして氏の出した答えのひとつがNCシリーズだったり
先日発売された新400シリーズだったりしたわけなんですね。

HONDA NC700S NC700X NC700D Integra HONDA CBR400R CB400F 400X



わかります、わかりますよ、鈴木さんの言っている事。。。。
言い得ている部分もありますし。

でもねぇ・・・

どうしても到底納得しきれない部分が・・・
何か受け入れ難い部分というか・・・
こう、モヤモヤっとしたものがあるんですよねぇ。。。。



鈴木さんの出した答え、
そういうニーズはあるとは思います。

もう歳が歳なので、スピードも出す気はないしとか
そんな片意地張ったものじゃなくて、ゆったりと楽しみたいとか
移動手段として優れていれば良いとか
とにかく燃費が良いのがいいとかね。

最近のホンダの「バイクが好きだ」というテレビCM・・・
晴れた日にバイクで気持ち良くなり、
口ずさんでいた鼻歌も、ついつい大声になってしまうという内容ですが
ああいうのを見ていても、とても微笑ましく
バイクってホント、こういう楽しみ方も絶対あるもんだよなぁと
つくづく思っちゃいますもんね。




わかっちゃいるんですよ。。。

ホンダだって全ての車種をその路線にすると言っているワケじゃないし。
わかっちゃいるんですけど、やっぱりそこには
何かが欠落しているように思えてならないんですよねぇ・・・

夢?
ロマン?、かっこよさ?、ステータス?、誇り?・・・
なんて言うんでしょうねぇ・・・
「ときめき」とでも言うんでしょうか。

これから先、そういったものが失われていくように思えてしまうんですよねぇ。

こういった路線のバイクは、移動手段の「道具」としては、良い製品なのかもしれません。
が、モーターサイクルの「文化」としては、はたして良い製品と言えるのかと
疑問符が打たれてしまうんですよね。






世界的規模で市場調査を行った結果から
NCシリーズではレッドが6,500rpmとなっています。
なんでも大型自動二輪車においては、
その多くは140km/h以下で走行し、エンジン回転は6,000rpm以下を常用する
という結果を得たらしいです。

いや、
6,000rpm以下を常用するからと言って、10,000rpmは不要とはならないでしょう。

そりゃぁ街中で絶えず10,000rpmなんて出していたら乗りづらくてしょうがないし
3,000rpm~6,000rpmもありゃ事足りるのもわかりますよ。
でも、いざって時に出したいじゃん。
いつでも出したい時には出せるんだと思いたいじゃん。
(スピード違反しろという意味ではない)

それがバイクなんじゃないのかなぁ。
出すも自由、出さないのも自由。
そういった束縛の無いのが、バイクの魅力のひとつなんじゃないかと。。。

その自由さがモーターサイクル文化の根底に流れる物なんじゃないかと。。。

使わない高回転など不要だという若い子もたくさんいるでしょうけど
俺みたいなオジサンなんぞは、ついついそう思っちゃうわけですよ。

それってやはり氏の言うように「そういう時代じゃない」ということなのかなぁ。。。
なんか、抗いたい気持ちの方が大きいんだよねぇ。


きっと数年経ってみないと、
その「文化」としての良し悪しというのはわからないでしょうけど。。。


ま こんな風に、鈴木哲夫氏の記事以来
氏に対して肯定的な考えと、否定的な考えが頭の中をグルグル回っている俺でした。



ただこの記事、
正式な会見でもなく、懇談だからといっても
仮にもメーカーのトップクラスの人間の発言なのですから
もう少し言葉は選んだ方が良いとも思いましたけどね・・・('ヮ`;)

まあ、これもぶっちゃけた氏のキャラクターでもあるので
見ていて面白いですけどね。
誤解を招いたり、不愉快に思う方もいらっしゃるでしょうから。。。

いずれにしても、いつも周囲をアッと驚かせる仰天発言の多い鈴木氏ですが
興味のある方は"response""鈴木哲夫"で、検索してみてください。
色々興味深い内容のインタビューが見れますよ~。



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13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ホンダ (ハイリキ)
2013-09-07 20:21:49
鈴木さんも色々考えているのですね。

ちょっと違った切り口で新しいバイクのジャンルをカタチにできるのもホンダならではですよね。

それにNRのような市販版RC212Vも出るみたいだし(これってまだ開発中だっけ?)マン島で走ってたHVレーサーもあるので「そういうじだいじゃない」と言いつつ作りそうですけどね。

先日FIT3が発売されました。燃費で勝負する車なのに正反対のRSとかありますし、NSXも復活、F1も復活。

モータースポーツ無くしてホンダ無しですな。

ところで、カワサキイチバンで2014型ZX-14R出てましたね。御覧になりましたか?
返信する
ありがとうございます (黒影)
2013-09-07 21:45:25
■ハイリキさん

昨日、今日と2日間、違う病室に監禁されてました(;´▽`A``
で、帰ってきてネットを見たら、色んな場所で発表されているじゃありませんかっ!
慌てて情報収集しているところです。

やべ、もう消灯時間が過ぎちまった(>ω< ;)
また明日にするか。

情報ありがとうございます。

何分不自由な環境なので、また何か情報があったら
よろしくお願いします。

返信する
こだわりの店 ()
2013-09-07 22:40:49
なんだか、ガンコ親父のラーメン店みたいな感じだなぁ…と前半は思ってしまったんですが、リターンライダーさんや、いきなり大型ユーザーさんにも扱いやすい車両がラインナップされれば、門戸を広げると言う意味では良い事かなと。

ただ、やたらと高回転・高出力を求めている訳ではないのですが、出したい時に出せるって余裕は欲しいんですよね。

クルマの様に、同型同車種でエンジン出力の違う車両が出来れば、そういった問題も減らせるのでしょうが、恐らく多くのライダーは高出力の物をセレクトするんだと思いますね(価格差にもよるんでしょうが)
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Unknown (ETHAN)
2013-09-08 19:07:49
無事退院されたのでしょうか?
長文に復活の兆し!  健康第一!これからも摂生を!

で、ほんだの。。。すずきさんのお話。。。
まぁ バイクという乗り物に対するその人なりのスタンスと思えばどうと言う事は無いのですが、立場が立場なので。。。
NCって売れてるのでしょうか?

で、やまはの。。。かわさきさんはと言うと
確かに1400ccを全開で走れる場所は限られます。。。が、トルク感などをはじめ そこに至るまでの過程が楽しい訳で無意味などとは私には思えないのであります。

リターン以前は 大のHONDA党だった私は 高出力高トルクのマシンにあこがれ 魅せられ 無理して所有したものでした。。。
確かに字ずらだけ見るとすずきさんの話は萎えます。。。

右に倣えを強く感じるこの頃。。。他メーカーさんは漢の子路線の堅持を願いたいところであります☮

無理は禁物ですが・・・と言いつつ・・・どこかで2014年モデルをドッカーンとやっちゃって下さい。。。
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卑屈? (黒影)
2013-09-08 20:36:07
■凸さん

同型同車種でエンジン出力の違う車両・・・

ぶははは、それ二輪でやると屈辱感あるかも~(爆)
「ああ、パワーの無い方ね」とか言われたら
ちょっとショックがデカいだろうなぁ。
四輪より心に刺さる気が・・・
なんでだろ?

二輪の方が、マシンとの一体感が強いからかな?
「どうせ俺はスクーターだし」みたいに、
排気量の差などで、変に卑屈になるライダーさんも時々いるもんなぁ。

ん?
出力の違う車両で屈辱感があると感じるってことは、
俺も排気量がもし低かったら
卑屈なライダーになっているってことか?・・・ぶははは(自爆)

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無意味には思えません (黒影)
2013-09-08 20:36:31
■ETHANさん

退院はあと一週間から十日でという感じです。

この記事は以前から書き始めていたものの、
なかなか進まずUPできなかったヤツなんです。
入院中にコツコツ進めてやっとUPしたって感じなんですよ(;´▽`A``

そこに至るまでの過程・・・
楽しいですよね♪
頼もしいですよね♪
俺も全く無意味には思えません(笑)

14年モデルは、もちっと待ってくださ~い(*≧ω≦)ノシ

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俺も親父なんで・・・ (シノブ)
2013-09-09 23:17:05
乗りたいと思わせるバイク・・・
乗れると思うバイク・・・
違いますよね~
夢が無い・・・

バイクは、高回転、高出力で乗りこなせる様に走り込む事が楽しい様な・・・
時代が違うんでしょうね(泣)

ホンダの好きなバイク・・・
NSR250R(88年式)これだけです(笑)
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Unknown (beats)
2013-09-11 00:18:10
このブログでNCシリーズが出来た経緯がなんとなーくわかりました。

確かに乗った感じは楽だし、燃費も良い。荷物も入る。

けど、やっぱ乗っていてときめかないですよね( ̄▽ ̄;)w

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最強の'88 (黒影)
2013-09-13 11:31:27
■シノブさん

「NSR数々あれど、'88は別物・・・」
巷にはそんな声が広まってましたねぇ。

結局俺は一度も跨れませんでしたが
「'88だけは買うな」という友人の言葉に
一体どれだけモンスターなマシンなんだろうと
ワクワクしたのを覚えてます。

そういう聞いてるだけでもワクワクするようなマシンって
なんかイイっスよねぇ。

あの頃はロスマンズが好きだったなぁ。。。懐かし♪

返信する
便利だし・・・ (黒影)
2013-09-13 11:32:11
■beatsさん

そうなんですよ。
良いバイク、良い乗り物、だとは思うし
こういうバイクを待ってましたというライダーも
いることはわかるんですけど
やっぱなんか俺の趣味趣向とは、ベクトルが違うんですよねぇ。

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