ブラブラ旅も小さな街で4日目になると流石に遣ることもなくなった。
そんな私を宿の主人は見かね、水上レストランでの食事に行こうと誘ってくれた。
暇つぶしには願ってもない、すぐさまバイクの後ろに跨ぎレストランに向かった。
メコン川の水上レストランである。向こう岸はビエンチャン(ラオス)。高級でも何でもないメコンの川辺にあると言うだけの食堂であった。
褒めるべきはメコン川の流れに染まる夕焼けを見ながらの食事だった。
お客は3人組のグループが1組と我ら2人だけだった。
しばらく経って背中から日本語が聞こえた。さきほど見た男1人と女2人はタイ人と思ったが、確かめるとタイ人らしき東洋人と男は西洋人だった。
宿の主人が推測を込めて説明し始めた。
「タイ語を話す2人の女性はタイ人の姉妹だろう」
そして「男は日本で知り合った南米の者だと思う」
「互いの言葉は解らない、だから共通語は日本語、きっとそうだろう」
「日本で知り合った男女2人は日本語でコミにケーションしてるのだ」と。
話し上手な日本人の主人の話になるほどと聞ききながら、合間に片言の日本語を聞いた。
何やら新しい世界観を見たようだった。生暖かいビールはちっとも苦にはならなかった。
「ぶらぶら旅日記」より