寺の名は金の泉の寺、金運が良くなるようお願いしようと意気込んだ。赤い山門に立つ仁王様に一礼しお願いをする。口を開けて「あ」、閉じて「うん」、私も真似て「あ」と「うん」。これで意気ごみが通じた筈である。大師さまが掘り当てたという黄金の井戸、覗き込み顔が映れば長寿が保証されるとのこと、底はうす暗く、映ったかどうかは分からなかった。「長寿もいいが金もいい」金と命が頭の中で入り混じってた。