お遍路もほぼ三分の一を過ぎた。階段と坂道は毎度のことと慣れてきた。おおい茂る木々の下、横幅の広い階段は荘厳で美しい。歴史観いっぱいに漂う。
しかし私には厳しい。階段に手すりがない、寺には寺の主張もあるだろうと思いながら杖を頼りに上りました。 「巡礼日記」より
☆縁起では
神亀元年ころ、聖武天皇(在位724〜49)が中国・五台山に登り文殊菩薩に拝した夢を見た。天皇は行基菩薩に五台山の霊地に似た山容を見つけるよう命じた。行基菩薩はこの地が天皇の霊夢にふさわしいと感得、自ら栴檀の木に文殊菩薩像を彫り山上に本堂を建てて安置した。その後、大同年間(806〜10)に弘法大師がここに滞在して荒廃した堂塔を修復、霊場にされたという。 (四国八十八ヶ所霊場会)