2016-2017シーズン開幕前に退任したマンチーニ監督の後任としてイタリア・セリエAのインテルの新指揮官に就任するも成績不振(11戦で勝ち点14)でわずか85日で解任されたデ・ブール監督が当時を振り返り、「インテルには7~8人の選手によるグループができていて、ほかの選手たちを切ってしまうんだ。あんなのは想定外だった。セリエAで私は苦しんだが、それは言葉の問題だけでなく、メッセージやアイデアの伝え方にも難しさはあった。私の考え方はセリエAよりイングランド・プレミアリーグのそれに近いようだ。」と明かしました。
さらにデ・ブール監督は「カオスだったよ。選手たちは好き勝手にやっていた。」と、インテルのメンバーが自身の指示に従わなかったと訴えました。
そしてデ・ブール監督は「私はインテルに攻撃的なサッカーを植え付けようとしたが、選手たちは私と同じ画を描こうとさえせず、私の練習をまったく意味がないものと捉えていた。(オランダ・エールディビジの)アヤックスのユースの選手たちですら、もっとうまくやっていたというのにね。私は、われわれが望むプレーをするための大事なコンセプトだと説明したが、彼らは理解する前に投げ出してしまった。」と、デ・ブール監督自身がエールディビジ4連覇に導いた古巣アヤックスのユースと当時のインテルを比較しました。
デ・ブール監督は今季プレミアリーグ史上最短となる4試合でクリスタル・パレスの指揮官を解任されており、それでプレミアリーグのそれに近いというのはちょっとしっくりきません、、、。
それがエールディビジや自身が現役時代にプレイしたスペイン・リーガ・エスパニョーラ、もう少し踏み込むと自身が現役時代にプレイし、かつ同じ哲学で築かれていると言っても過言ではないエールディビジのアヤックスとリーガ・エスパニョーラのバルセロナのそれに近いのであれば分かりますが、、、。
一方で、そもそもインテルの哲学はその名前の通り多国籍軍であり、それにデ・ブール監督をマネジメントできなかった、そのスキルがデ・ブール監督になかったのもまた事実だと思います。
同時にその多国籍軍のインテルを3冠に導いたモウリーニョ監督のマネジメント力は凄かったと思います。
もちろんモウリーニョ監督のネロアズーリとデ・ブール監督のネロアズーリとでは面子が違いますし、デ・ブール監督のネロアズーリにはバンディエラ、元アルゼンチン代表DFサネッティのような支柱が欠けていたと思いますが、、、。