レアル・マドリーのアンチェロッティ監督が2022年W杯における堅守速攻の戦術について、「質の高い選手たちを擁しながら後方に引いて、速攻を仕掛けることを私は恥だと感じない。(ブラジル代表FW)ヴィニシウスや(フランス代表FW)ムバッペがいるにもかかわらず、ボールを奪ったときに縦に速い攻撃を求めなかったら、それは軽い犯罪だろう。そうしたプレーは私たちの中で(ローマの)モウリーニョ監督が一番だし、そうした堅守と速攻で多く試合を物にした本人も言っているね。」とコメントしていましたが、リアクションでもポゼッションでも柔軟に対応して結果はもちろん内容でも評価されるところがアンチェロッティ監督の凄さだと思います。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/footballchannel/sports/footballchannel-480164
イタリア・セリエAのミランでも元イタリア代表MFピルロをレジスタに据えたポゼッション重視の4-3-1-2を導入して結果を残しつつ、元ブラジル代表MFカカが入団すると縦に速い攻撃を求めるリアクションへシフトさせたと公言してましたし。
イングランド・プレミアリーグのチェルシーではスコラーリ元監督の時には序列が下がっていたモウリーニョ元監督時代のエースの元コートジボワール代表FWドログバをターミネーターと称し、ターミネーターがいるチームを大きく変える必要はないとドログバを再び中心に据えたモウリーニョ元監督と同じ4-3-3で得失点差はモウリーニョ元監督時代に劣るも得点では30点以上も上回ってモウリーニョ元監督以来となるプレミアリーグ制覇も達成していますし(僕はやっぱり2009-2010シーズンのアンチェロッティ監督のブルーズが一番ベストなブルーズであったと思います)。
その柔軟性の原点となったのは、アンチェロッティ監督自身も起用法を見直すきっかけとなったと公言するセリエAのパルマとユベントスでの経験(パルマではファンタジスタの元イタリア代表FWゾラをそれまでのセカンドトップからサイドハーフに据えた上で最終的にチェルシーに放出し、ユベントスでも後にアーセナルで時代を代表するストライカーとなった元フランス代表FWアンリをモナコ在籍時はウイングだったとユーベでもやっぱりサイドハーフに据え、自身は結果を残せずにゾラやアンリがチェルシーとアーセナルでそれぞれ結果を残した)であり、当時はゾラやアンリへリスペクトが足りなかったと反省できる点でもあると思います。
そのアンチェロッティ監督を以てしても何ともならなかったのがドイツ・ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンであり、その理由が2022年W杯でのドイツ代表のパフォーマンスからようやく伺えた気がします。