バルセロナの監督を務めた8シーズンの間に、攻撃的なサッカーでスペイン・リーガエスパニョーラ4連覇(1990~1994)を含む数々のタイトルを獲得。1991-1992シーズンにはクラブ初のCL(正確には前身のチャンピオンズカップ)をバルサにもたらした元オランダ代表のヨハン・クライフは自らのフットボール理論のポイントのひとつに、「上手い選手をサイドに置く。」ことを挙げたそうです。
振り返れってみると、クライフ監督時代にはブルガリア代表FWストイチコフ、ファン・ハール監督時代は当時ブラジル代表でトップ下を務めていたリバウドが、ライカールト前監督時代はブラジル代表のロナウジーニョが。そして、現役時代にクライフ監督の下でそのフットボール理論を体現したグアルディラ現監督のチームではアルゼンチン代表FWメッシが3トップのサイドを務めており、上手い選手をサイドに置いた3トップがバルサの伝統だと思います。
一方、今シーズンのCL決勝で3トップがバルサと対戦するイングランド・プレミアリーグのマンUも元フランス代表のカントナの閃き&イングランド代表MFベッカムのクロス&ポルトガル代表MFクリロナのドリブルと、シンプルな4バック+2センターハーフをベースに、エースナンバーである7番のプレイスタイルに合わせるサッカーが、ファーガソン監督指揮下のマンUの伝統だと思います。
つまり、今シーズンのCL決勝は過去10数年の間、頑なにスタイルを守り続けてきたチーム同士の対戦だと思いますし、おもしろい試合になると思います。