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ショートストーリー

2024-11-20 13:38:14 | 日記

澄み渡る秋空の下、銀杏の葉が色づき始めたグラウンド。太陽の光が、汗ばむ若者たちの肌を温かく照らしていた。バスケットボール部3年の大輔は、キャプテンとしてチームを引っ張っていた。だが、強豪校との練習試合で惨敗し、チームの士気は地に落ちていた。

「俺たち、このままじゃダメだ…」

大輔は、ひとりコートに残ってボールを投げ続けていた。そんな大輔のもとに、中学時代からの親友、陽キャな翔太がやってきた。翔太は、大輔の悩みを察すると、いつもの明るい笑顔で声をかけた。

「大輔、何悩んでんの?また試合で負けたからって、そんな顔すんなよ。」

「翔太、俺、キャプテンとしてチームをまとめられない。みんな、俺のせいでやる気をなくしちゃってるんだ。」

大輔は、自責の念にかられ、肩を落とした。

「そんなことないよ。大輔はいつもチームのために頑張ってる。みんな、大輔のこと尊敬してるさ。」

翔太の言葉に、大輔は少しだけ気持ちが楽になった。それでも、心の奥底には、チームを勝たせたいという強い思いが渦巻いていた。

ある日、部活の後、大輔はいつものように一人で体育館に残っていた。すると、中学時代からのもう一人の親友、真面目な健太がやってきた。健太は、大輔のプレーを見て、こう言った。

「大輔、シュートフォームが少し崩れてるよ。もしかして、プレッシャーを感じてるんじゃないか?」

「…そうかも。」

大輔は、自分のプレーを見つめ直すきっかけを与えられた。

その後、大輔は、翔太や健太のアドバイスを参考に、シュートフォームの修正に取り組んだ。また、チームメイト一人ひとりとじっくり話し合い、それぞれの意見を聞き、チーム全体の士気を高めるために何ができるかを考えた。

そして迎えた、地区大会。大輔は、これまで以上にチームを鼓舞し、自らも果敢にゴールへアタックした。チームメイトも、大輔の頑張りに応えるように、一つ一つプレーに集中し、最後まであきらめずに戦い抜いた。

試合は、最後の最後まで手に汗握る展開となったが、見事勝利を掴み取った。試合後、大輔はチームメイトと抱き合い、喜びを分かち合った。

「やった!勝ったぞ!」

大輔は、チームメイト一人ひとりの顔をしっかりと見て、感謝の気持ちを伝えた。

「みんな、本当にありがとう。俺たち、最高のチームだ!」

夕焼けに染まるグラウンドで、大輔たちは、爽やかな汗をかきながら、これからも一緒にバスケを続けよう、と誓い合った。

秋空の下、友情と成長を描いたバスケットボール物語は、これからも続いていく。

 


ホラーっぽい話し

2024-03-18 14:45:00 | 日記

深い森の中に、古びた小屋がひっそりと佇んでいた。その小屋には、かつて魔女が住んでいたという噂があった。人々はその森を避け、小屋を見るだけで背筋が凍るような感覚に襲われた。

ある晩、若い男がその森に迷い込んだ。彼は恋人との別れを乗り越えるため、遠く離れた場所へ逃れてきたのだ。しかし、彼は道に迷い、闇の森に足を踏み入れてしまった。

小屋の前に立つと、彼は不気味な気配を感じた。ドアをノックすると、ゆっくりと開かれ、そこには老婆が立っていた。彼女の目は真っ黒で、髪は白く、顔はしわだらけだった。

「何かお手伝いしましょうか?」老婆は微笑んで尋ねた。

若い男は恐怖に震えながら、恋人を忘れるための薬を求めた。老婆は彼に小さな瓶を渡し、「これを飲めば、すぐに忘れられるでしょう」と言った。

男は瓶を受け取り、感謝の意を示した。しかし、その瞬間、彼は自分の過去の記憶が次々と消えていくのを感じた。恋人の顔、幸せな瞬間、すべてが消えていく。

「ありがとう、魔女さん」と男は言ったが、老婆は笑わなかった。彼女は突然、目を見開き、恐ろしい声で言った。「私は魔女ではない。私はあなたの恋人だった。」

男は絶望に打ちのめされ、小屋から逃げ出した。闇の森にはもう戻らないと誓ったが、彼の心には忘れられない記憶が残った。

そして、その小屋は今も深い森の中でひっそりと佇んでいる。


では また


怖い話し

2024-02-23 18:54:00 | 日記
再開しました。

彼は仕事で疲れ果てていた。一日中パソコンの画面を見つめて、データを分析して、レポートを作成して、上司に提出して。そんな日々の繰り返しで、彼は自分の人生に何の意味があるのかわからなくなっていた。彼はただ、家に帰ってベッドに横になりたかった。それだけだった。

彼はタクシーでマンションに到着した。エレベーターで10階に上がり、自分の部屋のドアを開けた。部屋は暗かった。彼はスイッチを入れようとしたが、電気がつかなかった。ブレーカーが落ちたのだろうか。彼は携帯電話のライトをつけて、部屋の中を見回した。何も変わった様子はなかった。彼は荷物を置いて、ベッドルームに向かった。

ベッドルームのドアを開けると、彼は驚愕した。ベッドの上に、白いシーツに包まれた人影が横たわっていた。彼は誰かが自分の部屋に侵入したと思った。彼は携帯電話で警察に電話しようとしたが、電波がなかった。彼は恐怖に震えながら、ベッドに近づいた。シーツをめくると、彼は悲鳴を上げた。ベッドの上には、彼自身の死体があったのだ。

彼は自分の死体を見て、理解できなかった。自分は死んでいるのか。それとも生きているのか。彼は混乱した。そのとき、彼は背後から声を聞いた。

「おかえりなさい、あなた」

彼は振り返ると、そこには彼の妻が立っていた。彼の妻は、彼が浮気をしていることを知っていた。彼の妻は、彼を殺して、自分の部屋に運んできたのだ。彼の妻は、彼の魂を呼び寄せて、彼の死体を見せて、彼を苦しめるつもりだった。彼の妻は、彼に冷たく微笑んだ。

「これからずっと、一緒にいましょう」



ではまた


小説

2024-01-06 09:33:00 | 日記
今回から猫はなくなりました。

初詣に出かける人々が、厳かな雰囲気に包まれていたお正月の夜。寒風が境内を舞い、神社の鈴の音が幽かに響いていました。一人の女性が、一番奥にある神聖な森へと足を踏み入れました。

木々の間から漏れる微かな灯りが、彼女の前に立つ神社を照らし出すと、不気味な笑みを浮かべた神主が姿を現しました。神主は静かに語りかけました。「お前の運命はこの神聖な森で紡がれるものだ。ここで神々と繋がり、契約を交わすがいい。」

女性は戸惑いながらも、神主の案内に従い森へ進むと、そこには不気味な影が蠢いていました。神聖な儀式が始まり、女性は神々との契約に署名した瞬間、森は歪んだ異次元へと変わりました。

次の日、女性はお正月の夜に契約を交わしたことを思い出し、異常な出来事が続く中で不安を募らせました。神聖な森が彼女に対して暴走し、幻想的な幽霊や死者の声が彼女を苛むのです。

恐怖に取り憑かれた彼女は神社に駆け込み、神主に助けを求めましたが、神主は冷たく微笑んで「契約は不可逆だ。」と告げます。彼女は絶望に包まれ、神聖な森の中で永遠に迷い続ける運命に囚われてしまったのでした。

神聖な森の中、女性は歪んだ木々や霧に覆われた小道でさまよい続けました。不気味な声が彼女の耳に囁き、幻想的な光が影を投げかけます。時間の流れが歪み、昼と夜が入れ替わる中で、彼女は自分が夢か現実かすら見失っていきました。

幽霊たちは彼女に追い回し、死者の声は彼女の心を蝕みます。彼女が嗚咽するたび、森はそれを不気味な笑い声で迎えました。そして、彼女は神聖な森の中で自らの運命を受け入れざるを得なくなりました。

一度は人々と共に神社を訪れたお正月の夜が、彼女にとっては永遠の悪夢となってしまったのです。神主の冷たい微笑みが、彼女の心に焼き付いたまま、彼女は神聖な森の中で彷徨い続け、その恐怖の中で記憶もろとも消えていくのでした。

未だにその神社では、お正月の夜に神聖な森へ足を踏み入れる者がいると言います。彼らがどれほどの恐怖に立ち向かうのか、それは彼ら次第。神聖な森の契約は永遠に続く闇の中で、歪んだ笑みが誰かを待ち続けているのかもしれません。

では また

新年あけましておめでとうございます

2024-01-01 13:57:00 | 日記


本年も宜しくお願いします。