京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

何して遊ぼうかな?

2022-11-08 18:08:36 | 園芸・植物・自然環境
先週末のことですが、今週土曜日に同心児童館で行う工作教室で使うのに必要な秋の落ち葉やドングリを拾い集めていた道中でムクロジ(無患子)の実が落ちていることに気づき、状態のよいものを少しだけ頂戴して持って帰りました。



漢字では無患子と書き表しますが、これを「子供が患うことなし」と語呂合わせでこの実をお守りにすることもあり、社寺の境内に植えられている姿も見かけます。



なおムクロジという語源は諸説あるようです。有力な説のひとつには、このムクロジの種子を羽根突きの羽根の玉に使いますが、この羽根はトンボ(蜻蛉)を表しており、さまざまな病気を持ち運ぶカ(蚊)を食べてくれる益虫を生かすよう落とさないように羽子板で打ち合う羽根突きで子供の健康を祈り、漢名の無患子(むかんし)が転訛してムクロジとなった説があるようです。もうひとつは別属ですが同じムクロジ科のモクゲンジの中国名である木欒子(もくらんし)を誤ってこの木に当ててしまい、その読みが転訛してムクロジになったという説もあるようです。



蒴果は熟すと果皮が透明になり、中に入っている種子の黒色がうっすらと透けて見えますが、すでに果皮が取れてなくなり剥き出しで落ちていた種子のうちきれいなものも拾ってもらってきました。

それ以外に、たいていは実がひとつだけという状態でついていると思うのですが、中には2つあるいは3つがくっついている実もあるようで、こちらは小さいですが3つついたムクロジの実のようです。



真っ黒けになってかなり乾燥していたので、中の種子まで期待していなかったのですが、帰宅してから分けてみたら簡単に外れました。



接合面は柔らかく簡単に穴を開けられたので、種子があることも確認でき、千枚通しを使って取り出すこともできました。



一番最初に写真で紹介した果皮がついている3つは、ムクロジの実の果皮はサポニンを含んでいるため水に入れて泡立てると石鹸代わりになるので、種子を取り出した後に果皮を使ってシャボン玉液でも作って遊んでみようかな。もちろん集めた種子は工作教室で参加する子供たちがひとつは手に入る分だけ持っていくつもりです。

お念珠の珠にも使われる種子ですが、略式の数珠にしても数が足りないので、残りは羽根突きの羽根でも作ってみようかな。それと、ムクロジの実も煎ってから殻を割って取り出した中身を食べることができるそうですが、こちらはどうしようか考え中です。
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少しずつ色づいて粒々も目立ち始めました

2022-11-07 18:45:09 | 園芸・植物・自然環境
京都大学医学部附属病院の近くにある京都教育文化センターの花壇に植えられたコキアは、まだまだ多くが緑色をしていましたが少しずつ赤く色づき始めていました。




枝を束ねて箒にしたことからホウキグサ(箒草)やホウキギ(箒木)といった和名があるように、姿そのものも箒を逆さにしたように見えます。そのような姿で花壇に数本並んでおり、よく見ると枝に何か粒々のようなものがあることに気づきました。



最初は花かと思いましたが、どうやら実のようでコキアの場合は胞果と呼ぶようですね。



この胞果は食材にもなり、食用のコキアから採集されたものが、秋田県の特産物で畑のキャビアとも称される「とんぶり」です。



とんぶりの簡易な作り方は、赤く色づいたコキアが茶色くなった頃に、容器で受けながら枝をしごくようにして実を収穫し、沸騰させたお湯で30分から1時間程度茹で上げればよいそうです。茹で上がったら水に入れた桶に移して手でよく揉み、水に浮いた殻などを取り除いて沈んだ実を取り出せばよいそうです。

もう少し手間を掛けるなら、植えたまま自然乾燥させるのではなく、前もって身が落ちないように刈り取って室内で数日間乾燥させてから棒などで枝を叩いて実を落とす方法でもよいようです。

ちなみに『とんぶり』とは、食感が魚のハタハタ(鰰)の『ぶりこ』に似ていて、唐伝来(コキアは平安時代の頃に中国経由で日本に渡来したそうです)のものという意味でつけられた『唐ぶりこ』が転訛したものだそうです。さて、このコキアの実でも作れるのかしら?
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この花が今年の咲き納めかな

2022-11-05 20:43:45 | 園芸・植物・自然環境
4日前に、今春に株分けしたシモバシラ(霜柱)の元の株も花を咲かせたことをお伝えしましたが、その後にもうひとつだけ花序が大きくなり花を咲かせてくれました。



この花が今年最後のシモバシラの花となりそうですが、一番最後にシモバシラらしい美しい姿でさいてくれたようです。もちろん先日紹介した花たちも愛らしいのですが、ちょっとシモバシラらしからぬ花序だったかもしれません。

咲き始めのシモバシラの花(過去記事より再掲。2022年10月撮影)


前回の記事でも触れましたが、8月にうっかり水切れを起こさせてしまい、もうだめかと思いきや、今の姿を見る限りは「そんなこと、あったっけ?」という状態にまで復活しました。この復活劇で植物の生命力に目を見張るとともに、生きるということがどういうことか、生き方について学びを得て、勇気づけられました。
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じつはこちらの植物の実でした

2022-11-04 19:23:06 | 研究・教育・体験
昨日の投稿で「こちらは何の植物の実でしょうか?」と写真を掲載したものですが、答えはこちらの植物です。もちろん「写真だけではわからぬ」という方もいらっしゃるでしょうから、もったいぶらずに名前を申しますと、クサギ(臭木)でした。1枚目の写真の秋色紫陽花がヒントという訳ではなかったのですが、今更ながら秋色紫陽花をヒントとお伝えしてもよかったのかな(気づくのが遅すぎる!)と思いました。


クサギの実(2018年10月に撮影)


葉を揉んだり茎を傷つけると特有の匂いがあることが和名の由来ですが、一般的な「くさい」とは違って、好き嫌いは個人差がある匂いだと思います。このクサギの青い実だけ取り分けたのが昨日の写真なのです。

実だけ取り分けた状態(昨日の記事より再掲)


何に使うのかと言いますと、ありきたりですが『草木染め』です。絹の小布があるので、それを使って染めてみようかと思っています。

絹の小布


先日ビオトープの整備活動に参加している仲間と雑談しているときにクサギのことが出てきたので、ほぼ思いつきのなのですが染色してみようということになりました。そこで、クサギの木が自生しているのを知っている場所とさらに追加の情報を集めて「ここだ!」と思う場所に行って採集しました。採集時は実だけを摘むようにしていたのですが萼からはずれない実もあったので、それらは花序ごと刈り取って持ち帰り、帰宅後に取り分けました。

意外ときれいな状態の萼もあったのでこちらも取り置いておき、染色をする予定日の前日である今月12日の土曜日に同心児童館で木の実や落ち葉を使った工作ワークショップを行いますので、そちらで活用しようかなと考えています。

取り分けたクサギの萼と花柄


さて、このクサギは7月下旬から9月初旬にかけて白い花を咲かせますが、愛らしい姿の花は芳しいよい香りがしますので、この時期だけは『臭木』ではなく『芳木』や『香木』と呼んでもよいかも。

クサギの花(2019年7月撮影)


さて、クサギの実でどのように染まったかは後日、ご報告できればよいなと思っています。はたして、きれいに染まってくれるかな?

・・
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最後になりましたが、ちょっとクイズ形式にして何の植物の実か問いかけたところ、フォロワーさんからいろいろな植物の名前を答えていただきました。ありがとうございます。クサギという名前は出てこなかったようですが、思い思いの植物の名前を挙げていただき、それら植物の各地方での呼び名も知ることができて勉強になりました。あらためて御礼申し上げます。
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さて何の実でしょうか?

2022-11-03 19:07:09 | 研究・教育・体験
4日後には立冬を迎え、暦の上では冬になるというのに今日の日中は汗ばむほどの陽気で、夏とは言いませんが秋にしては暑い一日でした。でも、徐々に秋は深まりつつあり、先月末から落ちたり切られたりせずに残った花が赤く色づいた秋色紫陽花があちこちで目につくようになりました。



紅葉も少しずつ始まっている京都ですが、見頃は今月中旬から下旬になるのかなと思いますが、秋とは思えない昼間の陽気に誘われて、今日は午後からある植物の実を集めてみました。こちらがその一部ですが、さて何の実でしょうか?



毎月第二週の日曜日に実施していて、今月は13日の日曜日に予定している東山いきいき市民活動センター中庭内のビオトープの整備活動後に、仲間と一緒にあることに使って楽しんでみようと思っています。

何の植物の実か、そして何をするか、答えは明日にでも。
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