京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

頂戴した「お年賀」でほっこりできました

2022-02-02 18:45:45 | 歳時記・文化・芸術
当団体の理事など、私を含めて8人が京都府立植物園で毎週日曜日に実施される園芸相談の相談員を請け負っています。今年は、年始早々に植物園から「お年賀が届いていますよ」と連絡があり、予想以上の大きさの包みを受け取ると、私の名前宛の届け状に「お年賀」とあり、早速に開封してみるとドリップコーヒーの詰め合わせなのでした。



12箱ありましたので、半分の6箱を園芸相談員で頂くことにし、残りの6箱は園芸相談の運営主体である京都府立植物園の事務の方と裏方で支えてくださる京都府立植物園協力会の事務の方にお裾分けし、みんなでコーヒーブレイクの時間やお昼ご飯のときに美味しくいただいています。

さて、誰から頂戴したのかと言いますと、当然と言えば当然ですが昨年に園芸相談をご利用頂いた方からです。昨年10月末にお電話で相談を寄せられた方で、私がたまたま対応したのですが、内容は「マツヨイグサはどうして夜に花を咲かせるのですか」でした。

おそらく、夜に咲く理由は、さまざまな要因が複雑に絡み合ってのことだと思いますが、送粉者との共進化など、いろいろと考えられる理由を挙げて極力わかりやすい言葉で説明したところ、じつは数十年も前の幼い頃に、このことを神主で自然に詳しい御祖父様に尋ねて理由を聞き出そうとされたのですが、ご相談者様の言葉では御祖父様が満足いく答えを言えなかったので苦し紛れに言ったことだろうとのことでしたが、この件は「神様が決めたこと」と言って取り合ってくれなかったそうです。そのため、もやもやとしたものがずっと残っていたので、たいした相談内容ではないけれど、意を決して植物園に電話を掛けたのだとその理由を述べられました。

それを聞いて、私が、どんな内容であっても相談があれば受けるのが園芸相談ですし、今回の相談内容については進化など自然の摂理も「神様の決めたこと」と言えるかもしれないので、御祖父様のおっしゃたことはあながち間違ってないかもしれませんよと言ったことに感銘を受けられたらしく、1か月ほどしたら御礼状が届きました。

御礼状とその封筒


11月の担当日の朝に受け取ったので、準備をしてから開始時間までの間に早速拝読いたしました。そこには御祖父様との思い出やさまざまな出来事がしたためられており、宛名や文面に私への敬称に「先生」とあることをこそばゆく思いながら読み進めましたが、その日一日、温かい気持ちに包まれました。

どうやら、手紙を受け取った当日に直接御礼を伝えようと何度かお電話をいただいたそうですが、来園者と他の電話で相談が立て込んでいた日だったので、帰り際につなげられなかったと植物園の事務の方から伝えられたため、それではと御礼状の御礼状を出すことにしました。

その御礼ということなのかもしれませんが、そこまで気を遣っていただなくてもよいですよと思いながら、心も体も温まるコーヒーを頂いて気持ちよく年始から園芸相談を行うことができました。相談員みんなが新年から気持ちよくスタートできたと思います。

寒中見舞いも兼ねて御礼のお葉書を出しましたが、あらためて、この場をお借りして御礼申し上げます。

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さて、いつものごとく脱線話。京都の節分の日に行う行事に「四方参り(よもまいり)」があるのですが、ご存じでしょうか?

京のみやこの四隅を守る社寺である、
北野天満宮(摂社の福部社)
を参拝することですが、節分の日に京都に現れる鬼には次のような言い伝えがあります。

京都の鬼は、みやこの表鬼門にあたる比叡山からやってくるとされますが、鬼は山を降りてすぐ、京都の表鬼門にあたる場所にある吉田神社で追い払われてしまいます。

吉田神社で追い払われた鬼が「こりゃ、たまらん」といって南へ逃げると、今度は八坂神社で追い払われてしまいます。

困った鬼が今度は鴨川を渡って西へ逃げると(この時点で京のみやこに侵入していますが……)今度は壬生寺で追い払われてしまいます。

ほうほうの体で最後は北へ逃げると北野天満宮に行き着いてしまい、摂社の福部社に封じ込まれてしまうということです。

なお福部社とは、北野天満宮の祭神である菅原道真の牛車を引く牛の世話役である舎人の「十川能福(そごうのうふく)」が祀られています。

京都にお住まいで、一日お時間が取れるのであれば、挑戦されてみてはいかがでしょうか。上記の順番どおりに参拝するのが理想的でしょうが、行きやすい順で参拝してもよいのではと思いますし、可能であれば天神さんを最後にするのがよいのではないでしょうか。

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