京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

こんなところで出会えるとは

2022-04-08 19:02:18 | 園芸・植物・自然環境
京都地方気象台が桜の満開を宣言して初めての週末で4月最初の土曜日。河川敷に続くソメイヨシノ(染井吉野)の並木も霞がかかったような淡い色に包まれていたのですが、その下ではユキヤナギ(雪柳)の枝が真っ白な花で埋め尽くされており、河川敷の護岸壁を降りた寄州ではカラシナ(芥子菜)の花で黄色く染まり始めていました。



以前は、あちこちで野生化しているものはセイヨウカラシナ(西洋芥子菜)と呼んで栽培種のカラシナとは区別していたように思うのですが、最近の分類では同種と扱ってカラシナと呼んでいるようですね。栽培種ほど柔らかくておいしいということはないかもしれませんが、若い葉なら十分いけるでしょうね。

よく似て野生化しているものにセイヨウアブラナ(西洋油菜)がありますが、違いは葉の鋸歯の有無と葉が茎を抱くか抱かないかで見分けられるようで、カラシナは葉に鋸歯があり茎を抱かない、セイヨウアブラナはその逆ということになるようです。

なおセイヨウアブラナはアブラナと分類上でも区別されているようです。

このカラシナの足元で、ちょうど下鴨神社(賀茂御祖神社)の糺ノ森あたりから暗渠となって鴨川に合流するために顔を出した泉川のほとりで見つけたのがこちら。



はい、カキドオシ(垣通し)の花です。よく見かけるのは京都御苑なのですが、河川敷にも結構生えていることに今回初めて気づきました。



垣根を通り抜けて繁茂することから『垣根通し』がつづまって『垣通し』と呼ばれるようになったのが和名の由来だそうですが、大きく波打つ鋸歯が入った腎臓形の葉を『銭』に見立てて、この葉が茎に連なってつく様から『連銭草(れんせんそう)』という別名もあるようです。ちょうど花期に根ごと掘り上げて乾燥させた生薬の名前も『連銭草』です。

垣根どころか護岸壁も突き通しかねない勢いで繁茂していました。



なお、乾燥させたものを生薬として利用するだでなく、香りのある若い葉や茎はハーブとして利用することもでき、天ぷらやお浸しとしていただいたり、花はエディブルフラワーとしてサラダに利用することもできますよ。

じつは鴨川(賀茂川)に生えている植物ですが、積極的にお勧めはしませんが、その気になれば食べられるものもたくさん見られますよ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 上を向くと違って見える? | トップ | 次の記事へ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。