聖護院門跡の門前に1本の桃の木が植えられていることは以前から知っていたのですが、花の時期は桜に見惚れて気づいていなかったのか、実ができる頃になって花桃の一種かなと勝手に思っていましたが、どうやら源平桃のようです。やや枝が枝垂れているので源平枝垂れ桃になるのかもしれません。
源平咲きと言っても赤や白一色のものは少なく、ほとんどが斑入りもしくは絞りが入っているか淡桃色一色の花ばかりでしたが、ようやく花を見ることができました。
桃だけでなく梅も『源平咲き』といった紅白に咲き分ける花をつける品種がありますが、その生理は詳しくわかっていないそうです。近年の遺伝子研究の結果、トランスポゾンという「動く遺伝子」が関わっているのではないかという説もあるそうで、花の色素に関わる遺伝子の間にトランスポゾンが飛び込むと色の発現が抑えられたり、逆に色の発現を抑えていたトランスポゾンが飛び出ることで色の発現が回復したりするということがわかってきているそうですね。
花の色だけでなく人間社会や組織も、ときにはよい意味で何か変化を起こしてくれる「トランポゾン」のような存在が必要なのではないかと、ふと思ってしまいました。