京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

五感を使って自然を楽しむフィールドビンゴ

2022-05-02 19:23:45 | 研究・教育・体験
先週末から始まったゴールデンウィークですが、土日の週休二日で暦どおりのお休みという社会人の方なら前半の三連休となったでしょうか。ちょうど中日で4月最後の土曜日となった一昨日は前日の雨天と打って変わって雲ひとつない晴天となりました。



当倶楽部の主催行事ではなく、当ブログ管理人が外部講師を務めている同心児童館の「いきものクラブ」の行事ですが、予定どおり今年度第一弾となる『京都御苑でフィールドビンゴを楽しもう』を滞りなく実施することができました。

実施前に念のために立ち寄った京都御苑ですが、寺町御門から入ってすぐの仙洞御所の新緑も目に映えます。



当初の見込みよりちょっと少ない7家族から参加のお申し込みをいただき、子供たちは低学年の児童で、人数は児童館の先生方と私も含めて20人程度でした。でも、皆さんのフォローがしやすいちょうどよい人数だったと思います。児童館へ向かう道中で京都御苑に立ち寄ったので、そのまま児童館へと向かい、事前に館長さんと引率の先生方と簡単に打ち合わせをしてから、あらためて集合場所である京都御苑の出水広場まで移動しました。

ちなみに当日、参加者の皆様にお配りして使用したビンゴシートはこちら。



今回フィールドビンゴをすることに決まった際、館長さんからご提示いただいたお題の素案をたたき台にして、私から「耳」と「鼻」で感じてもらうお題も加えて、簡単なデザインでレイアウトして作成したシートです。

開始前に参加者の皆様に今回の遊びをざっくりと説明しましたが、ひとつずつ見つけてビンゴしたら終了としてしまうと簡単に終わってしまうので、ひとつと言わず何個でもたくさん見つけてねと伝え、題名は「いきもの🔍びんご」としていますが、花や虫といった生き物だけでなく石や構造物もOKにしました。

児童館では今、子供たちのあいだでダンゴムシがブームだそうですが、普段は気に留めていなかった虫や植物を見つけたり気づいたりしてもらえたようで、ある女の子が「虫を見つけたよ」と教えてくれたのは森林性のゴキブリ(おそらくモリチャバネゴキブリ)の幼虫でした。女の子のお母さんから「これは何という名前の虫ですか」と尋ねられたので、そのときは正確な名前がわからなかったので「森林性のゴキブリの幼虫ですね」と答えるとぎょっとした顔をされていましたが、女の子は「こんなところにもゴキブリが住んでいるのか」と興味津々の様子でした。

また、ある男の子が「面白いかたちの葉っぱを見つけたよ」と言って見せてくれたのは生理障害かウイルスによるものか、かなり変形した葉っぱで、他にはハマキムシなど虫が巻いたような状態になった葉も見つけたようです。

そして、結実して膨らみ始めた実も見つけてくれたようです。子供たちと一緒に楽しんでいたらあっという間に時間が過ぎてしまい、当日は写真を全然撮影できなかったので、こちらは翌日にあらためて撮影したものです。



膨らみ始めた梅の実だけでなく、多くの子供たちが興味を持ったのはこちらの実でした。



さて、何の実でしょうか?

嬉々として「パイナップルみたい」や「パイナップルの赤ちゃん見つけた」と報告してくれたのですが、こちらはパイナップルではなく蝋梅の偽果でした。この中に熟すと黒い種子みたいに見える痩果が入っており、冬になるとこちらのように蓑虫みたいなあばら屋になってしまいますが……

冬枯れの蝋梅の偽果(過去記事より再掲。2021年1月に撮影)


今の季節は、このような感じで枝についています。たしかに見た目はパイナップルですね。スタジオジブリの作品が好きな子だと王蟲にも見えたかな。飯蛸のおでんと熱燗が頭に思い浮かんだ大人の私は、俗っぽくていけませんね。

1時間足らずと短い時間だったのですが、終了時に集合してもらったときに子供たち一人ひとりに何を見つけたか聞くと、いきいきとした目で思い思いに行動して感じ取ってくれたことを話してくれたので、十分に楽しんでもらえたのだと思います。

現地解散としましたので、その後は児童館に戻って後片付けと次回以降の簡単な打ち合わせをしてから帰宅しましたが、私の帰宅後にわざわざ御礼を述べに児童館へお越しになったご家族もいらしたと館長さんから御礼のご連絡をいただき、実施した甲斐がありました。

今回は観察会ではないので、講師として教えるということはせず、ときどき何が見つかったかお声掛けするだけの寄り添いに徹しましたが、五感(味覚は入れませんでしたが)を通して新緑の季節を感じ取ってもらえたのではないかなと思っています。

さて、この「いきものクラブ」ですが、5月はお休みをいただき、6月から8月にかけては、1か月に1回程度の頻度で、

 ・ホタルの鑑賞会
 ・ブンブンゼミの工作教室
 ・染色あそび(染料等は未定)
 ・セミの羽化の観察会

のどれかを選んでそれぞれ実施していこうと考えています。また別途、館内でワタの栽培をしてみても面白いかなと考えています。子供たちの感性を育むお手伝いができればと思いながら、毎回子供たちに私が遊んでもらっているような状況です。

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