あちこちで見かけるというほどではないですが、道端や原っぱで時々見つけることがあるこちらの草。
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葉腋から花序を出して、すでに雌花は咲き始めており雄花がこれから咲き出そうとしているのですが、さて何という植物でしょうか。
知らなくても困らないし、知っていても何かに役立つかどうかわかりませんが、クワクサ(桑草)という本州から沖縄諸島に自生する一年草です。名前のとおりクワ科に分類される草本類ですが、クワ科でもクワ属に分類されるクワ(桑)とは別属のクワクサ属に分類され、和名はクワに似た葉をつける草に由来します。
花序だけみるとクワにも似ているようにみえるのですが、やっぱりちょっと違うかな?
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クワの雌花(過去記事より再掲。2022年4月撮影)
クワは通常雌雄異株ですので、雄花か雌花のどちらかしかつけませんが、クワクサは雌雄異花同株ですので、花序の中に雄花と雌花が混在します。1枚目の写真ではわかりにくいですが、赤紫色を帯びた細い糸状のようなものを出しているのが雌花で、白っぽい塊を出しているのが雄花です。
果実になってしまうとクワは名前のとおり桑状果と呼ばれる果実をつけますが、クワクサは萼に包まれた痩果と呼ばれる果実をつけます。
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クワの実(過去記事より再掲。2022年6月撮影)
ちなみにクワの語源は、養蚕にも利用されることから「蚕葉」や「食葉」が転訛したものとされるそうですが、実だけでなく葉はお茶にしたり新芽を食べたりできるので、人間にとっても「食葉」と言えるかもしれません。
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ところで、クワクサは食べられるのか調べてみたところ、国土交通省が実施した「平成17年度奄美群島生物資源等の産業化・ネットワーク化調査」を元に作成された「奄美群島生物資源データベース」に掲載されているクワクサのデータに『若芽は食用にする』という記述を見つけたので、食べられないことはないようです。あえて好き好んで食べるというよりは救荒植物に近い存在かもしれませんが、こちらも「食葉」なのかもしれません。