京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

20km離れた場所のケヤキ同士が以心伝心?

2019-11-01 12:50:18 | 研究・教育・体験
京都府立植物園の正門へと続く「けやき並木」のケヤキ(欅)も少しずつ色づいてきました。




ところで、このケヤキ並木のケヤキたちが、遠く離れた場所にあるケヤキ並木のケヤキたちと結実状況を完全に同期しているとしたら、どう思われますか?

東京農工大学の研究グループが、新宿の東京都庁前にあるケヤキ並木のケヤキ48個体と、東京農工大学がある東京都府中市の大国魂神社前のケヤキ通りから同大学府中キャンパス正門のケヤキ並木のケヤキ106個体の結実状況を15年にわたって観測したところ、3年周期を基本に2つの個体群が完全に同期していることがわかったそうです。




といっても、20km離れた新宿と府中市のケヤキが何か見えない力で連絡を取り合って結実時期を同期しているわけではなく、こういった不思議な現象に見える植物の生態も非線形物理学やカオス理論といった複雑系の数理モデルで科学的に説明がつけられるというのが今回の研究の成果だそうです。今回の調査結果とその手法は今後、他の果樹や森林樹木の豊凶現象の同期統一理論の実証につなげていき、野生動物の出現と豊凶現象の関係にも発展させていくそうです。

でも、20kmも離れた場所の個体群同士が全く同じ周期で結実するのは、やっぱり不思議ですね。

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