せっかくススキを調達し、お月見だんごもお供えしましたけれど、無粋な台風のせいで中秋の名月は楽しむことが出来ませんでした。
今回の台風第18号の名前は「イーウィニャ。」ミクロネシアの嵐の神から付けられています。
もともと台風に名前をつけ始めたのはアメリカ合衆国。カリスーン台風、ジェーン台風のようにABC順に頭文字をあてた女性の名前をつけていました。やっぱりどこの国でも女性は恐ろしいから?(笑)
現在は、アメリカ合衆国とアジア各国で組織された「台風委員会」でそれぞれに名前を出し合って、1番目から140番目まで台風の名前を決めてあります。140番目の名前まで使い終わったらまた最初に戻るというわけ。
ちなみにこの140個の中には、日本から出されたテンビン・ウサギ・ワシ・カジキ・ヤギ・カンムリ・クジラ・コップ・コンパス・トカゲの10個が含まれています。
すでに発生している台風19号の名前はフィリピンから出された「マリクシ」。速いを表すフィリピン語だそうです。これが140個の中の10番目で、19番目に日本の「ヤギ」が登場します。やぎ座からとったらしいですけど、「ヤギ台風」はチョット、という気がしますね。
いずれにしても台風は発生しないに限ります。出来るだけゆっくり、140個の名前は巡って欲しいものですね。
前置きが長くなりました。草もぼうぼうと伸び、夏の暑さを乗り越えて来たからでしょうか、 少々お疲れ気味のように見えます。
けれど、のどかな風景や上桂川のせせらぎがひと時の清涼感を与えてくれる・・・ここは左京区花背。
先日、北山クラフトさんへお邪魔した帰り、供給協会の部材確認に同行して原地町にある花背製材所を訪れました。
広い敷地に原木や色々な板材が並べてあります。 こんな風に木材を保管したりトラックやフォークリフトが搬入のために出入り出来る場所のことを「土場(どば)」と言います。
こちらも京都市域産材供給協会 みやこ杣木(そまぎ)の生産事業体。
これまでにもいくつかご紹介してきましたが、生産事業体とは、木材処理加工施設を有し、地域産材の原木丸太等を調達し、地産・品質・性能等の表示の対象となる木材製品の生産及び加工を行っている事業体を言います。
生産事業体では、加工する木材製品が地域産材とわかるように管理責任者を定めるなど、適正な製品管理を行っています。
京都市の補助制度である、みやこ杣木の提供を受けるには厳しい審査を通らなければなりませんが、それだけ品質管理の行き届いた京都の木であると言うこと。そして提供を依頼した生産事業体への部材確認はとても重要な仕事です。
花背製材所は構造材・造作材を幅広く扱っています。様々な形状、樹種の木材、特に杉の板物の取り扱いは多く、フローリングや羽目板については常に半製品で一定量のストックがあるなど需要に対して即戦力となる製材所です。
今日も京都市産材供給協会部材確認隊は行く・・・
事務所の看板プレートも無垢板で、ぽこぽことある節が水玉模様のようで、温かい印象を受けます。。
事務所の中にはテーブルが。分厚い無垢板で、とても丁寧なつくりです。木目が美しいナチュラルテイスト。
N社長からのメッセージは「材質の良さをもっとわかって欲しい!」
見た目は曲がっていても、節が大きくても、クサリがあっても、木筋(木の質)が良ければそれらは個性でありアクセントとなります。
それぞれの木の持ち味や京都の木の良さをもっともっと世の中の人びとに知ってもらいたい。使ってもらいたい。
そこで、このようなテーブルも製作してみました。どれも一点ものですから、木目の表情はさまざま。この木が刻んでる歴史に想いをはせながら、ゆったりとした時間を過ごしてみたいです。
加工の作業場です。一定の幅に裁断しています。
花背製材所の特長は画一的でない、個性的な木材を多くストックしていること。
木の個性を大事にし、切旬(木を伐採するのに適切な時季)をできるだけ守って製品化しています。こういった素材の性質を見極める目利きがあればこそ、用途の可能性は広がって行きます。
Nさんは、京都の木を京都で使うことで、資源や利益を地元に還元することが大事なのだと考えています。先祖が大事に育てた木を、最も活かした用途で使いたいというこだわりがあるのです。
確かに使えばなくなる消耗品や、食べればなくなる食材と違って、木材が地産地消のサイクルを生み出すのは難しい。
けれど、「これは京都の木やで。」と親から子、子から孫へと見て触って聞いて伝えられることがそのサイクルの元ではないでしょうか。
それは無垢のテーブルだったり、リフォームした時の床材だったり、面皮の腰板だったり・・・
奥にはとても長い柱?が寝かされていました。
それは綺麗な八角形に面取りされています。一体、何になるのでしょうか・・・?
その答えは次回のお楽しみに。
花背製材所の前の道には、まるで〇〇〇のように大きな杉の木が両側に並んでいました。これがヒントです♪(続く)
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