今年は本当にいろいろなことがあって、
日本で予定されていた秀樹さんのイベントもやむを得ず中止になったりしたものがあったのですね。
こんな時だからこそ、秀樹さんのような明るくパワフルなキャラクターが必要とされているのでは
とずっと思いながら過ごしていました。
今もしお元気だったら、動画サイトなどで、
日本だけでなく世界の秀樹ファンが励まされるような『HIDEKIちゃんねる』を作って、
たくさん楽しいメッセージを発信してくださったかも、などと妄想しています。
秀樹さんは明るくエネルギッシュな雰囲気で、季節のイメージとしては春か夏ですけれど、
ファッションという点では、とてもスタイルが良いから
秋や冬のコートやブーツの着こなしが上手なのですよね。
なんとはなしに、「西城秀樹 冬」で検索してみたら、
「抱擁 春・夏・秋・冬」
という曲が見つかり、これはオリジナルアルバムの「若き獅子たち/西城秀樹」に収録されているのでした。
とても素敵なデザインのふんわりとしたセーター&パンツをブーツインの秀樹さんのジャケ写がいいですね。
脚が長い人じゃないと似合わないスタイルです。
amazon.co.jp/に掲載されていたLPレコードの写真をお借りしました。
このアルバム『若き獅子たち』A面の3曲を聴くことができました(ありがとうございます)。
全曲が阿久悠さん作詞、三木たかしさん作曲編曲の統一感ある作品なのですね。
と、アルバムタイトルからも昭和の歌謡曲っぽい雰囲気を予想しながら聴き始めてみました。ところが。
1曲目「序曲〜デッドヒート」からイントロが強烈で驚きです。
チャールズ・ミンガスかと思うようなJazzっぽいフレーズやら
変拍子のユニゾン?のプログレっぽい展開が矢継ぎ早に続き、
そこから秀樹さんの歌が入るのですが、TVでみるアイドルの雰囲気はなく、
「アーティスト・西城秀樹」の骨太なボーカルが堪能できます。
2曲目が検索で見つかった「抱擁 春・夏・秋・冬」。
春・夏・秋・冬で曲調がそれぞれ別で、面白い構成になっています。
そして冬の歌詞の一部が、
君は幾つになった
僕は君の子どもみたいだ
ハッと我に返りますね。。。
阿久悠さんがお書きになった詞の意図とは違う方向で。
いやほんまに、リアル自分の歳を考えて
そしてこの歌を歌っていた頃の秀樹さんの年齢を考えると
自分の子どもと言っても全く問題なし。現実に引き戻されます。
昭和の頃の歌謡曲は、歌詞は短くて言葉も平易なものが多かったように思います。
まさに子どもだった自分がスラスラ覚えられるぐらいの言葉を
あえて選んで書かれていたのですね。
そして問題作が(個人的に勝手に問題作扱いしております)3曲目の「裸体」。
君は美しい
このフレーズが延々と、まるで呪文のように繰り返され、
うっかりトランス状態に入りそうな歌なのでした。
恐ろしいです。作詞作曲のお二人は何故こんな仕上がりにしたのでしょう。うーん。
アルバム最後の曲はシングル発売されたヒット曲「若き獅子たち」で、
王道の昭和歌謡ポップスで締められていますけれど、
個人的な感想としては、挑戦的というか盛り沢山なアルバムです。
このアルバムはオリジナルLPが1976年発売、
CD化されて入っている復刻版BOX11枚組CDは1994年の発売で、残念ながら廃盤です。
今、秀樹さんは昭和の記憶がない新しいファンの方も獲得されていると思いますし、
1枚ずつのバラ売りでも、70年代アルバムのCD、再復刻してくださらないでしょうか。