今日は爽やかな天気だ。昨日はチャラ茄子野郎のせいでイヤな一日だったぜ。
心の王子様、なすプリなす也に似ていたってのが、今となると禍々しいぜ畜生!
その上、深夜に演技魔女が説教しやがるし、アタシのポテチとコーラ完食しやがるし、
金もらってねえし!
やだねえ、こんなんでアタシのドリームは叶う日が来るのか?
独り干し茄子になるのは、さすがのアタシも寂しくなるのさ…。
今日はずいぶん進んだので街へ出た。おかげで山中野宿しなくてすむな。
安宿でも探すとすっか。
………しくった。金が無い。ATMも見当たらないほどの田舎町。
所持金835円で泊まれるところは…無いだろな、やっぱり。
しかたない、今日も野宿場所を探すとするか…
ドスン。
誰かにぶつかった。中学生ぐらいのモヤシ少年だった。
「あ、あ、ごめんなさい!」
おどおどした表情でモヤシ君が謝った。
「いえ、こちらこそすんません。あの、このあたりで野宿できそうな所知りませんか?」
「え?野宿ですか?でも女性じゃないですか。ちゃんとした場所に泊まった方が…」
お、初めてマトモな人間に出会った気がするぜ?
「いや、そうしたいんすけど、金おろすの忘れてて持ち合わせ無いんすよね。」
「そうなんですか…。でも危ないです。あ、ちょっと待っててもらえますか?仲間に貴女を泊めてもらえないか聞いて来ますから。」
おお~、なんて親切なんだろう。
でもアタシも、子どもとはいえ見ず知らずの人の家へ泊るのは抵抗ある。
迷ってるアタシにモヤシ君は思わぬ言葉を発した。
「それに…失礼ですけど、お風呂はどうされてるんですか?」
「風呂?ああ、そういえばもう一週間近く入ってないかも…。」
「一週間!?それで…。大変失礼ですが、貴女、臭いです。汗と、ゴミと、潮と、仏壇の混じったような臭いがしています。お風呂に入られたらいかがですか?さっぱりしますよ?」
そうか?アタシは臭わないけどな?
迷っているアタシにモヤシ君が追い打ちをかけた。
「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!」
後編へ続く
心の王子様、なすプリなす也に似ていたってのが、今となると禍々しいぜ畜生!
その上、深夜に演技魔女が説教しやがるし、アタシのポテチとコーラ完食しやがるし、
金もらってねえし!
やだねえ、こんなんでアタシのドリームは叶う日が来るのか?
独り干し茄子になるのは、さすがのアタシも寂しくなるのさ…。
今日はずいぶん進んだので街へ出た。おかげで山中野宿しなくてすむな。
安宿でも探すとすっか。
………しくった。金が無い。ATMも見当たらないほどの田舎町。
所持金835円で泊まれるところは…無いだろな、やっぱり。
しかたない、今日も野宿場所を探すとするか…
ドスン。
誰かにぶつかった。中学生ぐらいのモヤシ少年だった。
「あ、あ、ごめんなさい!」
おどおどした表情でモヤシ君が謝った。
「いえ、こちらこそすんません。あの、このあたりで野宿できそうな所知りませんか?」
「え?野宿ですか?でも女性じゃないですか。ちゃんとした場所に泊まった方が…」
お、初めてマトモな人間に出会った気がするぜ?
「いや、そうしたいんすけど、金おろすの忘れてて持ち合わせ無いんすよね。」
「そうなんですか…。でも危ないです。あ、ちょっと待っててもらえますか?仲間に貴女を泊めてもらえないか聞いて来ますから。」
おお~、なんて親切なんだろう。
でもアタシも、子どもとはいえ見ず知らずの人の家へ泊るのは抵抗ある。
迷ってるアタシにモヤシ君は思わぬ言葉を発した。
「それに…失礼ですけど、お風呂はどうされてるんですか?」
「風呂?ああ、そういえばもう一週間近く入ってないかも…。」
「一週間!?それで…。大変失礼ですが、貴女、臭いです。汗と、ゴミと、潮と、仏壇の混じったような臭いがしています。お風呂に入られたらいかがですか?さっぱりしますよ?」
そうか?アタシは臭わないけどな?
迷っているアタシにモヤシ君が追い打ちをかけた。
「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!」
後編へ続く