先日の会社での出来事です。
電話を受けました。ある取引先の東京本社からの電話でした。
若い男性社員の声でした。
「ファックス番号を教えてください。」
横柄な口の利き方でした。
「これから書類を送りますので・・・」
「何の書類ですか?」
「『○○確認書』です。」
これを聞いて大体状況は予測できましたが・・・
「おかしいですね。それって営業の方が持参されて手続きされる書類ですね。なぜ本社から直接当社に送ってくるのですか?」
「営業の者に渡してください。」
「要するに、営業が書類を持って出るのを忘れたので、お前から渡せ。そういうことやな(怒)」
「そうです。今から二時間後ぐらいに営業のものが行くので渡してください。」
電話の向こうの若い社員の態度には、オレのところは大企業で、しかもお前のところにお客をあっ旋してやっているという驕りが感じられました。
しかし、当社は零細企業とはいえ日本随一の老舗企業で、そちらはそちらでわが社のブランドを利用して商売しているではないかという思いがあります。
要するに、ビジネスのことですから、お互いの立場は対等です。それを理解していない様子でした。
横柄な口ぶりに、ちょっと頭に来ていましたがOKしてやりました。
ファックスで送ってきた書類を中身も見ずに受付の女性社員に預け、営業が来たら渡すようにことずけました。
すると・・・、書類を確認した受付の女性社員が、
「当社の物以外に近所のA社とB社の物がありますが・・・」
それを見て私はブチ切れました。すぐに相手に電話をかけました。
「ウチとは関係無いA社とB社の物が送られてきたけど、ド・オ・イ・ウ・コ・ト・ヤ ?」
「全部、営業に渡してください。」
「ウチに子供の使いをさせるわけやね。それに、他社の情報がウチに筒抜けやけど。へえぇっ、おタク、いつもこんな事してるの? お使いをさせていただきますが、人に何かをお願いするときには『お忙しいところ申し訳ございません』の一言を付けやなあかんのとちゃうのん?(怒)」
これで向こうの態度が一変しました。
「申し訳ございません」と平謝りです。
この後、向こうにグサリと突き刺さるような、教育的指導の言葉を関西弁でまくし立てたように思うのですが興奮していたのかよく覚えていません。
「今度だけやで」と捨て台詞を発して受話器をガチャンと置きました。怒りで声が震えていたように思います。
職場内は誰も言葉を発しなくなりました。みんな私の様子を窺っているようです。
二時間後、私は受付のカウンターに出て営業が来るのを待ち構えていました。一言二言お話をさせていただくつもりでした。
営業が来ました。彼はファックスの事は何も触れず、なんと、カバンの中から問題の「○○確認書」を取り出して受付の女性社員に渡し、手続きが終わるとそそくさと帰って行きました。
営業が帰った後に営業が持ってきた書類を確認すると明らかにファックスで受け取った文書でした。先に東京から当社へ送ってきた書類と照らし合わすと内容や発行番号まで同一のものでした。
たぶん、マズイと思った本社が営業の方に連絡をして、別の場所でファクシミリを受け取らせたのでしょう。
東京の本社から当社へ送ってきた数枚のファックスは結果として不要になったのですが、私は受付の女性社員に、念のため今日の業務終了までは棄てずにおくように頼みました。「終わったら、ビリビリにして破り捨ててやる」と冗談を言いながら。
夕方、破り捨ててやろうと、受付にファックスを取りに行くと、既に女性社員が四つに切ってメモ用紙にしていました。彼女も頭に来ていたようですね。