
「此の町は 軒端づたいの 梅雨の旅」 踏緒
帰ってからネットで調べると「踏緒」(とうちょ)は亡くなられた俳優の渡辺文雄さんの俳号だそうです。
「遠くへ行きたい」のロケでこの町に来られ、旅館に句を残されたのでしょう。

津和野に行ってきました。二泊三日の山陰の旅です。
島根県の津和野は学生時代に山口県の萩とともにブームになり、当時から行ってみたい場所でした。
しかしながら、萩は数年前に家族旅行で行ったものの津和野は今まで機会がなく、今回が初めての訪問になりました。

梅雨のさなかではありましたが、今月19日で1,000円高速と無料化の社会実験が終わってしまうので、これを逃してはと、駆け込みの日程設定となりました。

日曜日の朝早く家をクルマで出て、第二阪奈、阪神高速、山陽道、広島道、中国道と乗り継ぎ、途中の六日市で昼食休憩しながらも午後2時頃には津和野に到着しました。
写真には撮りませんでしたが、六日市インターを降りてすぐの「道の駅」の温泉施設内のレストランで食べた地卵と地鶏で作った親子丼がとても美味しかったです。
卵がとろとろでかしわが柔らかくて量が多く、あっさりとした味付けで、こんな山奥で、いい意味で期待外れのうまさでした。しかもめちゃ安い!!

旅館にクルマと荷物を預け、雨の町をゆっくり散策しました。

町を歩いていると路地の奥に見えている小さな踏切の警報機が鳴り出し駅の方からは汽笛の音も聞こえたので、SLが通ると直感して遮断機が下りた踏切でSLが通過するのを待ちました。
汽笛が山々にこだまして旅情をそそります。

「SLやまぐち号」です。
今の時期、土日だけの少ない運転本数なのに見れてラッキーでした。

すると、先頭の機関車が目の前で止まりました。踏切を跨いだままです。
機関士が運転台から下にいる私たちに話しかけてきます。
「今日は特別にここで止まっています」
黒い煙を吐き出したり、蒸気を噴射させたり、何回も汽笛を鳴らしたりの大サービスを数分間繰り返した後、なんとなんと、列車はバックして駅に戻っていきました。

ホームで待つ乗車前の乗客が列車の後姿をカメラで撮影できるよう、列車を前にずらしていたのです。
ホームでも煙や蒸気や汽笛のパフォーマンスを繰り返していました。サービス満点です。
宿は掘割に鯉が泳いでいる「殿町通り」の入り口にある老舗旅館でした。
部屋の窓からの眺めも落ち着いた風情です。

この旅館、二三年前に山陰でいくつかのホテルを経営するグループがのれんを引き継いだそうで、総畳敷きの館内はインテリアがおしゃれで美しくリニューアルされていて、皆若いスタッフでてきぱきと気持ちの良いサービスでした。

夕食は期待以上でした。とても美味かった。
部屋も広くてきれいでした。満足。
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