市は中高一貫校の中学校課程である市立太田中学校の入試に来年度から男女別の定員を導入する方針です。
同校の入試には学力試験はなく、内申、作文、面接、適性検査の得点とあわせて、学校生活や欠席などの様子、入試当日の様子、英検・漢検など各種資格や芸術、スポーツなどの記録、各種表彰などを含め総合して合格者を決めています。
どんな理由をつけても
ジェンダー平等への逆行は正当化できない
市は男女別定員を導入する理由を、同校で最近、女子の割合が増えていること、学校生活でも中学生の発達段階を考えても、男女の性差を理解するうえでも男女同数が好ましいことなどとしています。しかしどんな理由をつけても、男女別定員の導入はジェンダー(性差)平等に逆行します。現在は長野県のように、公立学校での男女別定員を廃止する動きが広がっています。
男子より高得点でも不合格となる女子が
同校の入試での直近3年間の男女別の平均得点は、2019年度が男子300・9点、女子315・9点、20年度が男子300・5点、女子318・7点、21年度が男子326・2点、女子330・3点。来年度から男女別の定員を導入すれば、男子より得点が高いのに不合格となる女子が生まれることになります。女子であることで男子より得点が高いのに不合格としてしまうのは、どう考えてもジェンダー平等に逆行します。
LGBT/SOGI
性的少数者の人権保障に逆行する男女別定員
今はLGBT、SOGIと言われる性的少数者の人権保障が全世界共通の課題となっています。
(※LGBT=レズビアン=女性として女性を好きになる、ゲイ=男性として男性を好きになる、バイセクシャル=男性も女性も好きになる、トランスジェンダー=からだと心の性の不一致、どちらの性にも違和感をもつ=こうした性的少数者の頭文字を組み合わせた言葉)(※SOGI=SEXUAL ORIENTATION=性的指向=好きになる性、GENDER IDENTITY=性自認=心の性の頭文字を組み合わせた言葉)
6月議会の一般質問や6、7、8月の市民文教委員会ではこうした問題を追及し、男女別定員の撤回を求めました。市教育委員会の人権感覚を正常化させるまで諦めるわけにはいきません。
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