9月議会では、2021年度の決算が可決されました。日本共産党は、一般会計、国保・後期医療・介護保険・八王子山墓園・下水道の決算に反対しました。日本共産党が決算委員会や本会議の討論で指摘した問題(大要)は次のとおりです。
82.5億円の新体育館建設を進めながら
コロナ禍・物価高騰対策は不十分
プロバスケットボールボールチーム「群馬クレインサンダーズ」の本拠地となる新体育館建設事業費は、当初計画の54.5億円を2021年度中に二度に渡る増額を繰り返し、82.5億円まで膨張させました。当初計画で示された財源構成は、国補助10億円、企業版ふるさと納税(寄附)30億円、市負担14・5億円でしたが、現在では、国補助10億円、県補助1億円、企業版ふるさと納税44億円、市負担27・5億円と、市負担が当初計画より13億円増えました。
しかし21年の年明けからの物価高騰には、広範な市民を対象とした市独自の対策を実施せず、コロナ対策でも、PCR検査の担い手である医療機関・従事者には、市としての財政支援金も実施されず、20年度に実施した業者への10万円給付は21年度に打ち切ってしまいました。
民間再開発ビルに15億円補助
民間再開発ビルへの補助では、事業計画がとん挫した南口の2地区には、これまで市と国の補助金1億円(市・国各5千万円)を投じ、浜町の民間再開発ビルを含めると、19年度から22年度までに市・国合計15億円もの補助金を投入します。
財調は116億円 合併時の2.4倍に
何にでも使える市の貯金、財政調整基金は21年度中の取り崩しをゼロとした結果、21年度末で116億円と合併時の2.4倍まで膨れ上がりました。この基金を活用しコロナ禍・物価高騰から市民の暮らしと中小業者の経営を守る手立てを強めることが切実に求められます。
国保税は値上げ継続 基金は2.3億円に
国民健康保険税は19年度の総額2.4億円、1世帯平均8千円の値上げを継続し、基金は21年度末で2.3億円まで増やしました。
後期医療保険も負担増継続
後期高齢者医療保険料も13年度に値上げされたまま、この間の経過措置廃止による負担増を継続しています。
介護保険料も値上げ継続
介護保険料は15年度に総額6億円、平均20%値上げし、18年度には総額5億円、平均15%値上、21年度には総額2.4億円、平均6.1%値上げと負担増を繰り返しながら、基金は21年度末で7.8億円と、15年度の保険料値上げの前年、14年度末の5.2億円より2.6億円増やしています。基金は保険料の値上げを防ぐために使うものという法令に背きながら負担増を続けていることになります。
墓園・下水道会計
消費税増税をそのまま転嫁
八王子山墓園会計や下水道会計では、この間の消費税増税をそのまま転嫁し、市民負担増を続けています。
2021年度にはコロナ対策として、市独自の拡大PCR検査や保育関連従事者への5万円給付、高校生世代までの医療費無料化拡大、2目からの給食無料化、大島市営住宅へのエレベーター設置と合わせた単身・少人数世帯向けの大規模改修、低家賃化対策まで含めた設計(22年度着工)を実施。
市民団体の要求が前進
2022年度には市民税非課税世帯だけではなく、均等割課税世帯までを対象とした子育て世帯給付金や、稲作農家支援としての10アール5千円の作付け補助、学校給食用のコメの1俵11,800円での買上を実施。学校給食費も中学生は今年10月から、小学校は来年度から1人目の子どもからの無料化に踏み出します。日本共産党は市民団体とも共同して、コロナ対策や子育て支援の拡充、市営住宅へのエレベータ設置を求めてきました。