処分は不当だと改めて確信
兼業での報酬の受け取りやヴァイオリンの売却、パワハラ、セクハラなどを理由に昨年10月に処分された職員からの請求による太田市公平委員会の第1回公開審理が10月10日、市役所本庁舎内で開かれ、約20人が傍聴しました。
傍聴して改めて確信したのは、処分が不当なものだということです。
●昨年報道された職員の処分に対する疑問/2024年04月17日/水野正己のブログ
●昨年10月に処分された職員の請求による第1回公開審理を傍聴/2024年10月19日/水野正己のブログ
●昨年10月に処分された職員の請求による第1回公開審理 処分された職員が意見表明/2024年10月19日/水野正己のブログ
公平委員からの質問に対する市側の答弁では、兼業を許可され市職員としての給料とは別に兼業先から報酬を受け取っている職員もいることが判明。兼業を許可された職員は報酬を受け取っても処分されませんが、昨年10月の職員の処分との整合性が問われます。
報酬を受け取る承認
市側 「認識していない」
「承認していない」とは答えられず
さらに公平委員からの質問に市側は、処分された職員が兼業先から報酬を受け取る承認を2009年に市から得ているという主張について、「認識していない」と答弁。09年以外でも市の承認は認識していないと答えました。しかし市側の答弁はあくまで「認識していない」というもので、「承認していない」とは断言できませんでした。
報酬の支払いは芸術学校の事務局
市の決裁がなければ不可能
公平委員は、報酬を得てよいという承認を09年に市から得た客観的な裏付けの有無を確認。処分された職員は、許可の書類はないが、許可を得たことを前提に報酬を受け取っており、芸術学校の事務局が報酬を支払っていたことが根拠になると答えました。芸術学校の事務局は、市の決裁がなければ報酬を支払うことはできません。市は文書では報酬の受け取りを許可しなかったものの、口頭で許可し、芸術学校の事務局が報酬を支払うことを決裁していたとしか考えられません。
当時の市の人事課長が兼業を否定する見解を示したとしていることについて公平委員から聞かれた処分された職員は、そのようには言われていないと記憶していると答弁。芸術学校の事務局が市の決裁を受けて報酬を支払っていたとしか考えられないことからも、報酬を受け取る兼業を市が否定することはあり得ません。
ヴァイオリン売却
処分された職員は売却の権限がなかった
公平委員はヴァイオリンの売却について市側に、処分された職員がどのように関与していたか質問。市側は、関係した保護者から聞き取りをしたと答えました。さらに公平委員は、処分された職員が(ヴァイオリンの売却も含めた管理の)担当だったかを確認。市側は、処分された職員が担当だったので(関係した保護者が)相談したことなどがあるとしか答弁できませんでした。
この市側の答弁は、処分された職員に保護者が相談したというだけでしかありません。ヴァイオリンの売却に処分された職員が具体的にどう関わったのかは示せなかったことになります。
そして当時は、処分された職員は指導担当だったので、ヴァイオリンなど楽器の売却も含めた管理を行う権限はありませんでした。
公平委員の質問に処分された職員は、ジュネスの団員に自分の楽器は持つように話しはするが、楽器を売って保護者からお金を預かるとか金庫に入れるとか、そんな行為は一切なく、(管理)担当の事務職員にお願いしていると答弁。(売却など管理の)書類作成にも関わっておらず、生徒や保護者に楽器の大切さは話すが、売買に関する事務的なことには関わらず、金銭の受け取りや金庫に入れることもないと断言しました。
芸術学校では、楽器や金銭の管理は管理係が担当し、現金の出納は管理課長が行うことになっていることからも、処分された職員がヴァイオリンの売却や金銭の受け取りに関与することは不可能です。
パワハラは未確認
公平委員は市側に、処分された職員のパワハラによって退職したとされる”被害者”に退職理由を確認したかを確認。市側は、市行政管理公社から芸術学校に出向していた職員だったので、市の人事課では確認していないと答弁。行政管理公社で確認しているのではないかと答えました。
公平委員は市側に、パワハラが退職の理由だと確認したということかと再度確認。市側担当者の返事は聞こえず、ただうなづいただけでした。
この市側の答弁や態度も不自然極まりないものです。パワハラで職員を退職に追い込んだことが処分の理由とされながら、退職した当事者に市が直接確認しないなどあり得ません。出向元の行政管理公社で確認しているのではないかという答弁は、あまりにも無責任と言わなければなりません。まして出向する職員は出向元と出向先の両方との雇用契約が必要です。
したがって、出向元が確認すればよいということにはなりません。パワハラに該当するのかどうかさえ疑わしくなってきます。
勤務時間の不足はない
公平委員は処分された職員に、勤務時間の不足や勤務時間内に個人的な行動である洗車などを行っていた写真について質問。処分された職員は、当時の人事課長に確認したところ、勤務時間に不足はないと回答され、その日付は記録していると答えました。
勤務時間内とされる洗車については、芸術学校の太田校から新田校へ向かう途中、ガソリン不足で給油した際の機械洗車で10分ほどだったと答弁。この洗車の後が夜の勤務だったこと、記録上は常に8時間勤務となっていたが、実際には8時間以上働くことが長期間にわたって常態化していたと答えました。
さらにこうした働き方は、市長の、フレックスで勤務時間に不足がないように自分で考えて働くようにという指示で始まったものと答弁。芸術学校の勤務時間の体系は特殊な3コマ勤務で、超過勤務が常態化している環境だったと答えました。
「洗車」の写真はどうやって入手したのか
ここで問題になるのは、「洗車」の写真をどうやって市側が入手したのかということです。偶然発見して撮影したとは考えられません。尾行して盗撮でもしない限り撮影できないのが移動中の「洗車」の写真です。
韓国出張
観光はしていない
公平委員は処分された職員に、韓国出張の目的やその出張で観光のような写真があることについて質問。処分された職員は、食事や仕事の合間に、勉強のためミュージカルを観たが、芸術学校には演劇があるので情報収集であると答えました。
ドラムを叩いている写真は、自身が太鼓を叩くので試奏をしているところだと説明。カメラを向けられたのでカメラ目線になったが遊びではなく試奏だと説明しました。
別の写真についても、韓国の方が見てほしいとして案内された民族資料館だと説明。韓国の方は楽器の売買だけでなく、文化的な繋がりを求めており、負の歴史もそうでないものも含め、韓国を知ってもらいたいということで案内してくれたと説明しました。
さらに韓国に出来た新型ホールには、日本のヤマハが入っているので、機材も含めて見学してくれと言われ、現地のコスモス楽器の案内で見学したが、いずれも楽器契約の一連の流れの中でのものだと説明しました。
セクハラも未確認
”疑われるような”報告での処分は認められない
公平委員は市側に、処分された職員のセクハラについて、被害者に事実確認をしたか、写真に基づく外形的な判断とはなにか、セクハラの経緯と照らし合わせてとは、どのような判断かを質問。市側は、セクハラを行ったから処分したということではなく、セクハラと”疑われるような”報告があったことが(処分の)理由と答えました。市側は、被害者に事実確認をしていないとしか考えられません。
この市側の答弁は、はなはだしい論理矛盾を抱えるものです。セクハラと”疑われるような”報告があっただけでの処分など絶対認められるものではありません。
公平委員からの質問に処分された職員は、被害者とされる人に確認したが、セクハラに該当するという認識を有していないことが確認できたと答えました。
公開審理は1回だけ
公平委は公平な裁決を
15時から16時30分までの公開審理でしたが、最後に公平委員長は、今回で公開審理は終了とし、今後両者に調査・確認はあるかもしれないが、後日、公平委員会は裁決を行い、裁決書を両者に送るとしました。
市側の答弁にこれだけ矛盾や不明瞭な点があるだけに、今後も公平委員会で公開審理を開き、両者の主張の食い違い、市側答弁の矛盾や不明瞭な点を公開の場で確認することが不可欠だと感じました。
同時に、今回の公開審理で処分は不当なものだと確信しました。公平委員会はまさしく公平な裁決を下すべきです。
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インターネット犯罪、インターネットを悪用した闇バイトによる強盗や殺人などを取り締まる法整備や人的・機材的体制の整備が追い付いていないこともあると思います。
闇バイトにつられてしまう人が後を絶たない背景には、生活の苦しさもあると思います。
こうした問題を急いで解決することが必要だと思います。