太田市12月議会本会議の最終日となった今日13日には、庭木・植木などのせん定によってゴミとなるせん定枝を市民から無料で受け入れ、堆肥原料化する新田緑のリサイクルセンターの条例改定議案も日本共産党以外の賛成で可決されました。
この条例改定は、市民の搬入手数料の有料化と業者の搬入手数料の値上げを行い、さらに同センターでのせん定枝の堆肥原料化を廃止するものです。
私が行った反対討論(大要)は次のとおりです。
[反対討論]
議案第107号
太田市新田緑のリサイクルセンター
条例の一部改正について
日本共産党の水野正己です。
「議案第107号」に対する反対討論を行います。
本案は、新田緑のリサイクルセンターでの、せん定枝の堆肥原料化廃止と市民の持ち込み手数料の有料化、業者の持ち込み手数料の値上げを行うものです。
同センターではこれまで、市民や市内業者からのせん定枝を受け入れ、堆肥原料化し、その堆肥原料を市民に無料で提供してきました。
しかし本案によって、堆肥原料化は廃止され、したがって市民への堆肥原料の無料提供もなくなり、持ち込み手数料も値上げされ、市民も業者も一律10kgあたり130円となります。
これは、市民にとっては有料化となり、業者にとっては、これまでの10kgあたり50円から比べれば2.6倍の値上げとなります。
堆肥原料化を廃止する理由は、せん定枝をすりつぶす機械が故障したためとされ、手数料の値上げは、清掃センターへの可燃ごみ持ち込み手数料と同額にするためとされます。
リサイクル推進とごみ減量化に逆行
CO2排出抑制にも逆行
私が反対する理由は、本案がリサイクルの推進とごみ減量化、CO2の排出抑制に逆行するものであるということです。
第1に、市民の搬入手数料の有料化は、業者の手数料値上げも同様ですが、負担増となることはもちろん、生活防衛から、せん定枝を燃えるゴミとして出す市民を増やすことにつながり、結局は焼却炉で燃やすごみを増やすことにつながってしまいます。
第2に、これまで市民に無料で提供されてきた、同センターでつくられた堆肥原料は、市民の家庭菜園や庭木、草花、グリーンカーテンにも利用されてきました。
堆肥原料の無料提供がなくなれば、やはり生活防衛から、堆肥を有料で購入し、家庭菜園や庭木、草花、グリーンカーテンに利用する市民が減ることは想像に難くありません。
家庭菜園や庭木、草花、グリーンカーテンなどは、子どもたちの環境学習や高齢者の生きがいづくりにも貢献するとともに、夏場の猛暑対策にも貢献し、さらにはCO2を吸収する役割も発揮していますが、本案によって、こうした役割が弱まってしまいます。
第3には、同センターに今後持ち込まれるせん定枝の処理を、バイオマス発電業者に委託費を支払って委託するという問題です。
堆肥原料化を再開・継続すれば、市内でのリサイクル、資源循環の推進になります。しかし業者への委託では、バイオマス発電の燃料に利用されるといっても、わざわざ燃料を燃やして、つまりCO2を排出しながら運び出すのは、地球温暖化対策に逆行することになってしまいます。
コストの面でも、堆肥化を再開する場合のコストは、故障している機械の購入費用も含めて、年間1,600万円ほどとされますが、そのうち機械の購入費用とされる360万円ほどを差し引くと、年間の運営費用は1,240万円ほどですみます。
これに対して、バイオマス発電業者へのせん定枝の処理委託費は、運搬費用も含めて年間1,300万円ほどとされます。
つまり、故障している機械の購入費用を除けば、年間の運営費は、業者に処理を委託して、燃料を燃やしてCO2を排出しながらせん定枝を運ぶより、同センターでの堆肥原料化を再開したほうが、コストの面でも安上がりだということになります。
なお、360万円とされる機械の耐用年数が仮に7年として計算すれば、1年あたりの機械購入費、つまり減価償却費は50万円ほどにしかすぎません。先ほど申し上げた、堆肥原料化を再開する場合の年間運営費1,240万円に加えても1,300万円ほどとなり、業者への処理委託費と変わりがないことになります。
わざわざ燃料を燃やして運び出す必要がないことを考えれば、本市が選択する道は、言うまでもありません。
いま求められているのは、せん定枝に限らず、生ごみも含めた堆肥化を可能とするリサイクルセンターへの発展であるということも申し添えるものです。
以上、同センターでの堆肥原料化廃止が、市民負担増を招き、地域内でのリサイクル推進とゴミ減量化、CO2排出抑制に逆行ものであることを重ねて申し上げて、反対討論を終わります。
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