中小企業の逆襲vol.2 コマ大戦
by 両毛ものづくりネットワーク at テクノプラザ
2014年3月15日に太田市テクノプラザで開催された「中小企業の逆襲vol.2」講演会&全日本コマ大戦両毛場所(両毛ものづくりネットワーク主催)です。
講師:山下祐氏のプロフィール
(株)シンクフォー代表取締役。大学在学中より2輪レース活動をスタートし、就職と同時に本格的に2輪レース活動を進め1994年に国際A級ライセンスを取得。GP-125、ST-600、JSB1000、GP-MONOクラスでは2006年に全日本チャンピオンを獲得。
現在山下氏は神奈川県茅ヶ崎市で、研究試作用機器及び装置の設計、製作・精密機械部品加工などを手がける会社の社長。その豊富なレース経験と製造業ならではの感覚で専門誌にインプレッション記事を寄稿するなど活躍中。
さらに2013年よりJ-GP2クラスに、ライダー星野智也選手、メカニック高村嘉寿氏とともに“synceede4413”を自らチーム監督として立ち上げ、シリーズランキング10位を獲得。
ロードレースというのは、一人の情熱だけではとても成り立つものではなく、様々な人たちの技術や想いという協力が必要で、そのために限られた時間と資金の中で自らのネットワークを駆使してチームを運営する姿は、まさに中小企業のそれに相通ずるものがあり、ロードレースに興味のない方・製造業以外の方にもお聞きいただきたい貴重なお話しをされました。
先端技術は中小企業のもの
講演で山下氏は、「大企業の先端技術」とよく言われるが、実は先端技術は中小企業のものと強調。大企業が売る新製品は、実際には、開発段階から試作品をつくり改良を重ねて仕上げるのは中小企業だと力説しました。
そのうえで山下氏は、この中小企業の高い技術力を駆使して商品をつくり、ブランド化することも企画中と話しました。
コマ大戦はとにかく写真をご覧ください。
太田市議会からは大川副議長と私、星野議員の3人でちーむ「言いたい放題」を結成し参戦しましたが、緒戦で惜しくも敗れました ^_^;
夜の懇親会には大川副議長は先約があり参加できませんでしたが、私と星野議員の2人で参加。社長さんたちから貴重なお話しをうかがうことができました。
ものづくり現場の苦労が
市場で評価されなくなっている
「ものづくりの現場の苦労が市場で評価されなくなっている。通常数十万個納めている部品と違う部品を千個つくってほしいと言われたら、本当なら単価は高くなるはず。でも単価は同じと親会社から言われる」――参加された中小企業の社長さんの言葉です。
日本からものづくりが消えてしまう
別の社長さんは、「ある町工場の親父さんが、別の会社に勤めていた息子さんを呼び戻したら、奥さんからかなり怒られた。奥さんの気持ちもわかるけど…先行き不透明な家業を継ぐより、今勤めているある程度の規模の企業で働き続けたほうが息子には幸せという、その奥さんの気持ちもわかります。でも、それじゃあ、日本からものづくりが消えてしまう」とも言われました。
その社長さんは、「ものづくりが日本から消えたら、日本の経済が成り立たなくなる」とも言われました。
中小企業は日本経済の主役
大企業の下請単価の買い叩きにふれて私は、ものの値段は、それをつくるためにかかった労力・時間が根拠となって決まらなければならないと指摘。日本の企業の99%以上、雇用の7割を支える、日本経済の主役である中小企業が元気にならなければ、日本経済はこのまま衰退するだけと話すと、間髪入れずにある社長さんから、「そのとおり」と相づちが打たれました。
下請単価の買い叩き
流した血と汗が報われるには
話題は「どうすれば中小企業の流した血と汗が報われるのか」に発展。私は日本の中小企業予算は1500億円で、GDP対比では欧州の数分の1しかないとして、日本共産党が中小企業予算を当面1兆円に引き上げることを要求していると紹介しました。
中小企業への大胆な財政支援で
最低賃金の思いきった引き上げを
さらに私は、1兆円に増額した中小企業予算で中小企業への大胆な財政支援を行い、同時に最低賃金を全国一律時給千円に引き上げ、中小企業で働く労働者の賃上げと人材確保を図ることが中小企業の発展と景気回復につながるという日本共産党の政策も紹介しました。
下請検査官の増員で
単価の買い叩きの取り締まり強化
そのうえで、地元の中小企業の社長さんからよく言われる、親会社による下請単価の買い叩きををやめさせてほしいとの要望にも言及。共産党が従来から下請検査官の思いきった増員を求めてきたことも紹介しました。
財源は大企業・大資産家減税の廃止で
さらに私が話したのは、下請企業が中小企業庁・下請駆け込み寺に訴えなくても、下請検査官が親会社に対して抜き打ちで検査を行い、下請単価の買い叩きなどを調査する体制の強化という日本共産党の政策。加えて、大企業・大資産家優遇減税の中止により生み出した財源を中小企業予算の増額にあて、中小企業への大胆な財政支援に使うという日本共産党の政策も紹介しました。
大企業はボロ儲けし巨額の内部留保
中小企業と労働者を犠牲にして
大企業のボロ儲けと270兆円にも膨れ上がった内部留保というため込みは、元々は下請企業と労働者を犠牲にして吸い上げたもの。内部留保がたまり続けるということは、使い道がないということと同じであり、大企業の内部留保を活用し下請単価の適正な引き上げをはかることは政治の責任と私は話しました。
昨日は、意見交換をした人全員と響きあう有意義な楽しい時間を過ごすことができました。
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