82.5億円の新体育館 条例違反はただちに是正を

 
 

（8月14日に寄せられた手紙）

　9月議会の一般質問では、8月14日に寄せられた手紙に基づき、条例違反となっている82.5億円をかけてつくられた新体育館の管理の是正を求めました。

　新体育館の条例では、貸出は時間単位で個人への貸し出しも可能となっています。ところが今も貸出は一日単位の団体貸し出しのみ。しかも空き情報は、市ホームページでも新体育館のホームページでも確認できないままで、条例違反の状態が続いています。

　文化スポーツ部長は、予約システムの関係（システム構築の遅れ）から団体利用のみで、中体連の大会、市の事業などを開催しているが、指定管理者が独自システムを構築を進めており、早期の個人貸し出しの準備を進めていると答弁。

　空き情報の公開は、予約システム構築に合わせ、空き状況を確認できるよう、新体育館のホームページで早期に公開できるよう指定管理者に指導していきたいとし、市ホームページに予約の状況が確認できるよう、新体育館のホームページへのリンクを貼る予定と答えました。同部長の「早期に」との答弁は、具体的にいつまでとは答えられないということです。

総合格闘技大会、バスケ国際試合　市教委が許可したのか

　手紙では、8月6日付「上毛」に掲載された、総合格闘技団体のトップライツが来年1月21日に新体育館で旗揚げ大会を開くとの記事、条例では総合体育館の使用は市教育委員会が許可すると規定されている点も指摘。

　総合格闘技の大会や8月のバスケットボールの国際試合、サンダーズの選手の個人としての練習などを市教委が許可しているのか、条例・規則通りに、その都度申請がされ、申請の度に使用料が納付され、申請の度に許可証が発行されているのかも確認が必要と指摘されています。

　手紙ではまた、サンダーズの選手個人による練習のための使用は、サンダーズとしての使用なのか、選手個人としての使用なのかも、市の責任としてただちに確認のうえ、必要な場合は指定管理者に是正を求めることが必要と指摘。

　それらの問題もただした私に同部長は、利用許可は、使用料の納付後に市教委から許可証を発行と答弁。しかし総合格闘技の大会は、現段階では許可証は出ていないとし、今後、協議を行っていくので市民に誤解が出ないように対処していきたいと答えました。

　これではやはり「サンダーズ体育館」となってしまいます。なおサンダーズの選手個人による練習のための利用は、サンダーズの利用として使用料の納付後に市教委が許可していることが確認されました。

利用調整は最初に市、次にサンダーズ、市民は3番目

　手紙では、新体育館の4月からの利用や使用料徴収の状況、使用料が市内在住者・団体より割高な市外在住者・団体の利用が多いのではないかという疑問も。それらを質した私に同部長は、4月はプレオープンでB1リーグを6試合行い、正式オープンは6月下旬からと答弁。4月から8月までの利用は74件でサンダーズの利用は39件、市の利用は中体連大会、竣工記念事業など14件と答弁。市外利用は11件、うち公共団体の利用は高体連のバスケットボールインターハイ予選の3件、利用料はこれまで1千万円以上で、うちサンダーズの利用分が700万円以上、市外団体の利用分が190万円程と答えました。

　質問では、サンダーズの練習、試合、興行、それらのための準備も含めた使用は、市民の使用より優先されていないのかも確認。同部長は、サンダーズは市民より優先はされておらず、市民利用を優先に考えていると答えました。

　市民とサンダーズの利用調整を質すと同部長は、利用前年の10月頃から市の事業優先に調整し、その後、利用団体の大会・イベントを決めていくと答弁。しかし市とサンダーズは、スポーツ包括連携協定を結んでいるため、まず市、次にサンダーズ、次に市民個人・団体の順番となることを認めました。

まるでサンダーズ体育館

　新体育館は管理を、サンダーズを運営する「群馬プロバスケットボールコミッション」の子会社「群馬シティマネージメント」に指定管理委託していますが、市民の目線で見ると、まるで「サンダーズ体育館」さながらです。

　手紙では、市民に不利益となっている今の指定管理者を辞めさせたうえでの市直営も求めています。指定管理者による貸出業務の実態が条例違反となっている実態は重大ですが、ただちに指定管理者との契約を破棄することは現実的ではありません。今ただちに必要なのは、市の責任で、指定管理者に厳重注意のうえ条例遵守と公平・公正な管理・運営を行うよう是正させることと再三強調しました。

　しかし同部長は、市民に誤解を招かないよう、早期に予約システムを構築し、空き情報も公開できるよう指定管理者に求めていくと答えるのみ。サンダーズを誘致した市長自らが指定管理者に厳重注意し、是正させることが重要と求めても、「担当（の部や課」がやる」と答えるのみでした。

　名実ともに「市民体育館」となるよう今後も厳しく追及し続けなければなりません。