12月議会の一般質問では、営農型太陽光発電について、環境や景観と調和のとれた設置のための条例化を求めました。
市内に営農型太陽光は67カ所、16.4ha
質問では、市内の営農型太陽光発電の設置が、太田地区24件、4.5ha、尾島地区4件、1.6ha、新田地区22件、4.8ha、藪塚本町地区17件、5.4ha、計67件、16.4haとなっている現状を明らかに。さらに太陽光パネルの下で栽培されている主な作物が、サカキ、ミョウガ、枝豆、ブルーベリーなどであることも明らかにしました。
さらに質問では、農水省のガイドラインでは、営農の適切な継続のため、生産状況を年ごとに県に報告することになっており、栽培作物は地域平均的な収量(反収)と比較して、概ね2割以上減収しないことになっていることを指摘。作物が2割以上減収となっている営農型太陽光発電の設置件数を質しました。
改善指導3件
農政部長は、2023年度の県報告66件中、46件が8割に達しておらず、うち32件が作付けからの成長過程で、改善指導が必要となったのは3件、3件すべてですでに営農計画の改善が行われていると答えました。
栽培作物 目標収量・反収指針を作成
次に質したのは、栽培作物の目標収量・反収の指針を、農業委員会として作成してあるのかということ。農政部長は、23年9月に内部資料として作成し、申請時に栽培作物ごとのその時点の単収を確認していると答えました。
環境配慮を視点に置いたチェック項目の設定を
さらに営農型太陽光発電の設置申請では、現地確認調査で、周囲の営農条件に支障がないかどうかが基本条件で、環境に配慮し地域との共生をはかることが重要と指摘。環境配慮を視点に置いたチェック項目を設定しているのか、どんなチェック項目を設定しているのかも質しました。
農政部長は、特に環境配慮を視点としたチェック項目は設定していないものの、申請書の記載内容、添付書類などを事務局で確認するための許可申請処理票、担当農業委員が農地法の許可基準に基づき許可の適否を判断するための許可基準チェックシートを活用していると答えました。
チェックシートを保存
私は、農政部長が答えた、申請書や添付書類、農地法の許可基準に合致しているかを確認するためのチェック項目は、申請書類への添付の義務付けを徹底し、チェックシートも申請書とともに保管しているのかを確認。農政部長は、申請書とともにチェックシートも10年間保存していると答えました。
不適切な発電施設・圃場への指導
営農型太陽光発電を設置した圃場では、雑草などが繁茂している圃場も。夏季は虫の飛来など周辺住民への被害が懸念されます。こうした不適切な営農型太陽光発電が設置されている圃場の割合、不適切な圃場への対応・是正のための指導の徹底も確認しました。
農政部長は、農業委員の24年度農地パトロールで全ての営農型太陽光発電施設の営農状況を確認、事務局も通年で定期的に現地確認を実施と答弁。早急に対応が必要な場合、その都度、事務局が指導していると答えました。農地パトロールの結果、指導が必要と判断された圃場には、今年11月末に指導を行っていると答えました。
環境や景観と調和のとれた設置のための条例化を
質問では、営農型太陽光発電は、不耕作農地の解消や再生可能エネルギー普及のために重要としつつ、不耕作農地の解消につながるとして、不適切な営農型太陽光発電であっても、目をつぶるようなことはあってはならないと指摘。そのうえで、一般の太陽光発電の設置に対する規制となっている、環境、景観等と太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例に準じた、営農型太陽光発電の設置に対する条例が必要と提案しました。
農政部長は、営農型太陽光発電を円滑かつ適正に運用するため、24年度から農地法関係法令や営農型太陽光発電の具体的な考え方や取扱いについて、農水省がガイドラインを定め運用しているとして、今後も国の動向や営農状況などを注視しながら、条例の制定について検討していきたいと答えました。
関東建設 道の駅周辺で脱法的な開発・地上げ
さらに質問では、関東建設による道の駅周辺の脱法的な開発・地上げに言及。当初は道の駅の拡張という地権者への説明が今は、「計画が変り、道の駅周辺は倉庫を建てる計画」と説明している実態を指摘したうえで、まるで市が計画を変えたかのように言いながら地上げをしていると告発しました。
求められる農地の有効活用
質問では、円安で物価高となり、輸入農畜産物の価格も高騰し、生産コストの高騰から国産・市内産農産物の価格も高騰しているからこそ、市内の農地の有効活用が求められると強調。小規模経営でも、不整形な農地でも、農地として有効に活用してもらえるような農政が太田市にも求められると力説しました。
不適切な営農型太陽光発電でも目をつぶる、あるいは、不耕作になるなら市街化編入をという方針は、農業委員会も農政部も持っていないはずとして、今後の農業振興、農地の有効活用をどう考えているのかをただしました。
農政部長は、9月補正で大規模農業者を対象とした農業用機械購入補助を実施し、今後も国・県の制度活用も含め、必要な農業者支援を進めていくと答弁。今進めている地域計画の策定で、地域農業の将来の在り方を地域の話し合いで決めているとして、その中で参加者に、耕作放棄地や将来手放される農地が地域の担い手などに利用されるよう検討中と答えました。
さらに農政部長は、地域計画の策定後もマッチングを進めることで、耕作放棄地の発生防止と解消につなげ、農地の有効活用を図っていきたいと答弁を結びました。
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