すると間もなく彼女は

そういえば随分と久しく行っていないなぁと高砂台は万葉の湯へと来てみた次第です。以前からずっと気になっていた、というより、ささやかな夢のひとつであった、マッサージ師によるマッサージというものを初体験しました。



10分間お試しコース、足つぼマッサージ。1050円也。



「いらっしゃいませ」


私たちが住む日本の国語には「清楚」という言葉があり、その言葉はまさにこの方にこそあるのではなかろうかと思えるほど、純白衣に身を包んだうら若き女性が私にそう言うと、促されるがまま最大限に倒されたリクライニングソファに、だらしもなく私は身を預けたのでした。

すると間もなく彼女は、生まれたまんまの姿のこの両足を懇切丁寧に、それはそれは至極滑らかな手付きで、一本一本の指先を上下左右、時に強く、時に弱く、自由自在に操り始めたのでした。

そう、私は如何せんシャイ人間、所謂きれいどころと呼ばれる女性に、決してナンパな性根ではなく、何か一言でも交わした方が良いに違いないとは思ってはみたものの、そう、私は如何せんシャイ人間、一抹の気恥ずかしさも感じつつ、先ずもって視線のやり場に困ってしまい、しかしながら両目をつむってしまうのも何だか勿体なく感じたために、このまま終わらないでください、このまま終わらないでくださいという、男の哀しき性(さが)をひたすら心で連呼していたわけです。



10分間終了。



今でも残る温もり。



この感動を誰かにどうしても伝えねばと思い、こうして作文してみた次第。ちなみに明日は札幌、日帰りです。



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