カナダにいらっしゃい!

カナダ留学・クリティカルシンキング専門家。Canadian Prairie/EcoCabin在住。 

「カナダ、アメリカなどの留学は英語を話せないと厳しいですか?」

2022-05-05 09:50:55 | カナダ留学

思わず「なんじゃこりゃ?」と、目を止めてしまった質問です。

「カナダ、アメリカなどの留学は英語を話せないと厳しいですか?」

ネットの留学相談コーナーから。

 

回答は「英語圏への留学は英語の高い運用能力がないと不可能です。」

 

でもね、この質問は日本で蔓延している思い切り間違った「留学とは」を見事に現していると思います、残念ながら。

日本人の持つ、世界から大きく隔絶した「留学観」には実はこんな心理が隠されているかも。

1.「悲劇的に英語が出来ない日本人」心理が「留学」の定義を日本人だけに通じる都合の良いものに変えてしまった。

 

世界から見て日本人の英語レベルはかなり低いことはよく知られていることです。

例えば、TOEFLiBTのスコアの平均は74。 先進国のスコアデータからは大きく引き離され、以前は低いスコアで競いあっていた韓国にも今では差をつけられました。

韓国は86が平均です。

日本より低いスコアは、最貧国や内戦で苦しむ国が並びます。

先進国の大体のスコアは90を超えているのが普通という中で、日本のスコアの低さは一種異常です。

 

TOEFLやIELTSなどの英語能力試験は、英語圏の大学に出願する時に必須であり、そのスコアは授業についていける英語能力を持つ証明となります。

日本人平均の74では、大学入学は不可能、ESL(ELL 外国人用の簡単な英語コース)を受講しない限り直接大学留学が出来ないというお粗末なレベルです。

 

従って、そこから「留学とは、外国で、大学のような高等教育を英語で受ける」という定義がすっ飛んでしまったんでしょうね。

「留学」=「悲劇的に出来ない英語を勉強するふりをしに英語圏にちょこっと行くこと」

 

これなら「英語が話せない人にも留学が出来る」という妙な言い訳が成立してしまいます。

 

逆に考えてみましょう。

日本語が話せないカナダ人が日本に留学出来ると思いますか?

日本の大学で学べると思いますか?

  

2.日本のInputのみの教育制度の悪影響により、「留学」=「自分から学びに行くこと」という概念を理解出来ない心理状態

 

入試には「塾」におんぶにだっこ。

自分自身が自分に一番適した勉強方法を考え、自分で学ぶのではなく、すべて塾の言う通りInputモードで詰め込み勉強する。

海外旅行といえば旅行代理店に頼み、勧められるままのプランでお任せ旅行をする。

 

留学にも全く同じ行動が見られます。

留学を思い立ったらまずエージェント。

高校留学では自分の大事な子供のことを何も知りもしないエージェントの勧めるままの学校に、何の疑いもなく送る。

親が英語が出来ない場合の高校留学がいかに危険かは、膨大な数のコラムを書いていますのでぜひ。

 

大学留学は、全く基礎学力も英語運用能力もないくせに、エージェントが嘘八百を並べて語学学校に送る。 その先はなし。

社会人・大学生の「留学ごっこ」に至っては目も当てられません。

高いお金を払い、何も学ばず帰って来る。

カナダでの勉強とは「自分で自分の能力を知り、それをどう伸ばすか自分で見つけ、自分からどんどん前に出て学ぶ。」ことなどさっぱり知らず、日本の学校や塾のように「はい、これをして。これを覚えて。」と言ってくれるのを待っているだけ。

そのうちに、周りからは「勉強に興味のない日本人」という悪印象を持たれ、放っておかれる。

これが、カナダに来る日本人「似非留学」の現状です。

 

従って、何年、何十年経っても日本人は英語が出来ないまま。

もし、そんな「留学ごっこ」で本当に英語力がつくのであれば、もうすでに日本には溢れるほどの英語達人がいてもおかしくないですよね。

年間大体10万人が留学するそうですから、それで単純に考えても、一年経つごとに日本には10万人規模で英語が出来る人が増えていないといけないです。

 

増えていますか? 

NO

ということは?

 

旅行代理店もどきのイカサマエージェントにたんまりお金を払い「留学ごっこ」しに行くのであれば英語力など関係ないですよ。

どうぞ「留学ごっこもどき旅行」に出かけて下さい。

  

3.日本社会では未だに「英語が話せる」ということが特別なことなので、「英語くらい出来ないと」という妙な脅迫観念が存在する。

 

ほんとに、ほんとに日本の中の英語概念は一昔前から進歩していないと思います。

英語を話すことは特別なことでも、優れたことでもありません。

 

英語は特別な言語でも何でもなく、日本語と同様、人が意思疎通の媒体として使っている「文字と音の組み合わせ」に過ぎません。

まずは「自分の言いたい事」が明確にあり、それを何とか英語で伝えたい状況があれば、声を出して必死でコミュニケーションを取ろうとするはず。

ところが、「英語を話す」を未だに「単語を覚えてフレーズを覚えて。。」と思っている間は、英語は言葉として口から出てくることはないでしょう。

 

就職に有利、将来英語の出来る大人になるようにと、間違った思い込み希望を抱いて、高校に語学学校に日本の若者が押し寄せています。

そんな似非留学をしても「就職に有利な英語」など習得出来ません。

「将来英語の出来る大人」になど、なりませんよ。

 

もう一度繰り返します。

もし、高校留学や、語学学校や、大学生の短期体験などで本当に英語が出来るようになるのであれば、今まで「留学」に出かけたすごい数の日本人は「英語の出来る大人」になったでしょうか? 

日本にはそんなに英語の出来る人が増えていますか?

よ〜く周りを見回して考えて見て下さい。

 

そう、日本にいれば「英語が話せない」ことは恥じることでも何でもなく普通のことだと思います。

あなたがやっきになって高いお金を払い留学する意味はないと思いませんか?

 

最初の質問に戻ります。

「カナダ、アメリカなどの留学は英語を話せないと厳しいですか?」

さぁ、あなたの答えは?

 

答えが出たら、英語理解の十分な準備を日本で終えてから

カナダにいらっしゃい!

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