カナダの永住権取得は簡単ではありません。
と言っても、実は一番簡単な方法は、カナダ市民か永住者と婚姻あるいは同棲婚関係を持つこと。
これなら、書類さえ不備がなければまず永住権は手に入ります、時間は随分かかりますけど。
婚姻以外の方法では、カナダの正式大学学位を取得し、その後Post Graduate Work Permitを申請し、まずカナダ社会で働く実績を作ること。
PGWPの期間は、留学した内容により異なりますが、最長3年のビザで職種は問われません。
しかし、カナダ学位を取得しても日本人が職を得るのは相当のチャレンジです。
ですから、まずは自分の専門分野に関するビジネスにあたりをつけ、最初は無報酬ボランティアで実績を積むしかない留学生も多いです。
または、結局仕事が日系の食品店しかなく、心折れて帰国してしまう大卒留学生もかなりいますね(勿体ない!)。
最新のカナダ移民ニュースによると、状況は更に悪化している様子。
[大学学位]だけで永住権に至る学生はたった20%です(2016年)。
つまり、大学卒でもこれだけ少ない率ということ。
学位取得後、頑張ってPGWPを使い一応何とか就職出来た留学生が永住権を取得した率は80%に上がります。
ただ、前述の通り、日本人留学生が職を得る確率はそれほど高くない残酷な事実は大きな障害となりそうです。
最近、ちょこちょこ「カナダの永住権を目指してます」というご相談をいただきます。
私自身は移民手続きの専門家ではありませんので、資格・手続き云々の詳細は、カナダ移民局のサイトをごらんになるのが一番早くて正確です。
が、英語なので。。。と、ついエージェントのサイトだけで納得したり、そこからエージェントにコンタクトを取り、実は相当実現不可能なルートを組まれ、多額のお金を支払うはめになることもあるようです。
気をつけて下さい。
ちょっと一言:
カナダ政府サイトの英語が読めないようでは、永住しても困りますよ。
カナダに永住したい!と思っているなら、まずはこの国の言葉・英語には不自由しないこと、当たり前ですが、なぜかそう思ってない方が多いです。
なぜなんでしょうねぇ。
先日も「中学レベルの英語力でカナダの語学学校から始める永住権取得、しかもなるべく経費節約出来る方法で」というメッセージをもらいました。
何でも、エージェントに相談したら「語学学校からキャリアカレッジ、その後就職したら永住権が取れる」というまるで漫画レベルの非現実的ルートで、危うくカナダに送られそうになっているとか。
仰天しました。
日本のエージェント、ここまで落ちたのかと。
これ犯罪ですよ。
「詐欺なら詐欺でもっとまともな嘘を付きましょうよ。」と言いたくなるほど稚拙なエージェントです。
(このようなエージェントは、前々から注意喚起している詐欺まがいカレッジなどを勧めますので気をつけて下さい。)
語学学校からコーププログラムという大インチキ:カナダCBCニュースが暴露
カナダ留学情報:カナダ国営メディアCBC[エージェントに騙される留学生続出の実態]
カナダ大学留学 - モントリオールの詐欺カレッジ3校・学費返還なく学生立ち往生
カナダはこんな国です。
世界からカナダ大学留学するほとんどの人たちの最終目的は、カナダの永住権(Premanent Residence)を取得し、カナダで質の良い生活を手にいれたいというものです。 特に中国・インドを始めとするアジア諸国からの留学生は、まずほとんどがこの目的です。
家族ごと最後には呼び寄せようという壮大な目的の中、高校留学・大学留学とやって来ます。
必死である分、詐欺のようなエージェントや語学学校、いわゆるキャリアカレッジと呼ばれる街なかに無数にある胡散臭いカレッジなどに騙されるケースが頻発し、カナダ国営メディアのCBCが最近、語学学校を名指しで非難し始めました。
非難されている語学学校・キャリアカレッジリストには、日本のエージェントがサイトで華々しく宣伝している学校が並んでいます。
また、世界から多くの移民が押し寄せ、カナダ政府ももっともっと受入に積極的です。
が、審査は厳しいです。
永住権はそんなに安安とは手に入りません。
そして、カナダの約4割り程度の保守的な白人は「トルドー政権の移民政策」に大反対。
最近はそんな輩が暴力的になって来ていることもカナダの未来へのマイナスです。
ですから、もし、現政権、Liberalが次の選挙で敗れ、保守派が政権を握ったとたん永住者の立場が少々危うくなるかも知れません。
ビザ関連も、かなり難しくなる(前の保守政権・Harperのときのように)かも、です。
留学もかなり状況があっという間に一変しますので、甘い浅い考えで「カナダ留学〜〜〜」「カナダ永住権〜〜」の時代がいつまで続くかの保障はないことも冷たい現実です。
常に情報を取り続けることが、とても大切なのが、外国で暮らしたり勉強したり、の現実です。
日本からやって来る留学生は、まずほとんどが学位取得後(ここまでたどり着く割合もかなり低いです)日本に帰り就職していますね。
カナダから見る限り、「なぜカナダに留学するか」の意味が未だに「英語ができるようになりたい」という日本人留学生は異質の存在のようです。
もうそんな時代はとっくに終わりましたよね。 英語が出来るようになりたい? ん?
「え?出来ないんですか、あなたは? マジで?」
という日本人が、ただ単にべらぼうに高い外国人用授業料を払いにだけカナダにやって来る、その後の、仕事、社会でのネットワークなどを得る体験には無関心。
面白い国民性だなと。
ところで、相談があった「語学学校から永住権」は、ほぼ実現不可能ルートです。
大卒学位を持っている留学生でさえ、永住権に至る確率が20%という厳しさからもおわかりですよね。
例えば、中学程度の英語力で語学学校に送られ(どこでも誰でもどんなレベルでも入れてくれます)その後はいわゆるコーププログラムで就労体験をして、などの思わず吹き出すようなルートを夢見ている方は気をつけて。
ネットの留学相談コーナーでも、コープ、コープとたくさんの質問が並んでいますが、あれは役に立たないどころか、就労体験もひどいものか、全く雇い主のいないものです。 片言英語しか出来ない日本人を、どんなカナダのビジネスが雇いたいと思いますか? しかも1年程度しか滞在しない人を。
ネット相談コーナーでトロント在住、非常に良いアドバイスをなさっている方がいつも
「日本のエージェントが勧めるコープは偽物。もともとWaterloo大学が始めたコーププログラムの名前を使っているだけ。本物のプログラムは、Waterlooの学生が授業の一環として就労体験をするもの。間違わないように。」
としょっちゅう警告してますが、エージェントの甘い話の方を信じたい日本の方が多いですね。
とにかく、騙されないように。
永住権は語学学校からカナダに入ってくる方には、不可能なルートです。
(婚姻関係に入れる相手が見つかれば別ですけど!)
まずは、日本で英語レベルをカナダ大学入学レベルに上げること。
そこから大学入学の道を探り(語学学校・キャリアカレッジはタブー)入学し、恐らく5〜6年かけて学位取得。
その学位も、その次代にビジネスが欲しがる専門分野であること。
うまく就職にこぎつけることが出来たら、永住権への道が目の前に開けるかも。
あ、もちろん、途中で恋に落ちる場合は必ず相手が「カナダ市民か永住者」であることが必須。
いい雰囲気になって、あ、もうすぐキス!という場面で”You are a Canadian citizen, correct?”と念押しするのを忘れないこと。
カナダにいらっしゃい!
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