まえのりちゃん、読み聞かせとかもろもろ。

田んぼのことや、小学校での読み聞かせ、たまに仕事の事など書いています。

今月のチョイス「石のスープ」

2016年11月11日 | 絵本
3年生で読み聞かせをしました。
今年は3年生にとても縁があるのか、もう4回目です。

秋になって、食べ物のお話というと、真っ先に思いつくのが
「石のスープ」の類似話の絵本です。


煮えるはずのない「石」を使って、巧みにお腹のすいた主人公が
人と食材を集める話になるのですが、
中でも、何度読んでもおもしろいのが「オオカミと石のスープ」です。

悪そうなオオカミが主人公。
自分は年寄りで、歯も一本しかない、家で暖まらせてくれたら
石のスープをごちそうするという
もっともらしい話で、めんどりの家に入り込みます。
けれど、めんどりとその近所の、コミュニティーの結束の強さに
知ってか知らずか、オオカミの魔の手から逃れ、楽しい夜にしてしまう
というお話です。
このオオカミの心の中は、絵や最後の「もうこの街に帰ってくることはないでしょう」
という文章からしか察する事ができないのですが。。。
子供たちには、どう映ったかな?

「いいオオカミさんで、よかったね!」
「本当は食べようとしてたんかなあ」
「オオカミも寂しかったんだね」

など、読む回数や、年齢などにもよるのかな。
そこがまた面白いです。

他に、「せかいいち おいしい スープ」
「しあわせの 石のスープ」
「くぎのスープ」など、類似のお話はいくつもあります。

せかいいちおいしいスープ と、 オオカミと石のスープ
二冊を教室に置いてきました。
読み比べ、楽しんでくれるといいなあ。


その他に、今月、本当はもっと余裕があれば、素話がしてみたかったのです。
図書館でいろいろ探したり、探していただいたりしましたが、なかなかいいのが見つからず。。。
どんどん、やりたい事が増えていきます^^

絵姿女房

2016年10月19日 | 絵本

昔な、丹波の山奥に、それはそれは、働きもんの男がおったんやて。
朝は早うから畑にでて、夕方日ぃが暮れるまで、まぁよう働いたそうや。
お金持ち言うことはあらへんけど、周りのもんも、あとは早よええ嫁さんを
もらうだけやと話してたんやって。

そんな男のところにも、縁あって嫁さんが来ることになってな、
それがここらでは見たことないほど、べっぴんさんやったんやて。


男は、きれいな嫁さんが来てから、毎日嫁さんに見とれてしもて、
どうも仕事が手につかへん様になってしもてな。

嫁さんに弁当こしらえてもろて、畑には出るけども
ぼんやりと、嫁さんの顔を思い浮かべて、すぐに家に帰っては
嫁さんの顔を見て、また仕事に行っては嫁さんの顔見ぃに家に帰ってくる言うあんばいで
しまいには、男は仕事にも行かんと嫁さんばっかり一日見てる様になってしもたんやて。


ほとほと弱った嫁さんは、
紙に自分の絵姿を描いて、男にこう言うた。
「こないに大事にしてもうて、私は幸せもんやけど、あんたが働いてくれへんと
どないもなりまへん。この絵姿を私や思て、仕事に連れて行っとくれやす」

見事に描かれた嫁さんの絵姿を見て、男は喜んで、仕事に出ていったそうや。


毎日、嫁さんのこしらえた弁当と絵姿を持って、朝早うから日ぃが暮れるまで、
男はよう働いた。
嫁さんも、家の仕事をようして、男も嫁さん大事にしたさかい、
この夫婦はたいそう仲よう幸せにくらしてはったそうや。

その日も、いつもと同じ様に、男は弁当と絵姿を持って仕事にでたんやな。
今日は風が強いな、そう言うと、男は絵姿をしっかり木の枝に結わえた。
男が鍬を持って畑を耕し始めたらな、


強い風がびゅうっと吹いて、大事な嫁さんの絵姿が遠い所に舞い上がってしもた。
男は鍬を放り出して、絵姿を追いかけた。そやけど、とうとう、絵姿を見失うてしもた。
がっくり肩を落とした男は、そのまま家に帰って嫁さんに一部始終を話して聞かした。
嫁さんは、「なんや、そんなこと」言うてまた紙に自分の絵姿を描いたんやて。
男は新しい絵姿もって、放ってきた鍬のこと思い出して、また畑に戻っていったそうや。


その頃、風に飛ばされた嫁さんの絵姿は、遠い遠い、国のお城の庭に飛ばされてたんやな。
暇を持て余してぽーっと空を見てはったお殿様が、飛んできた紙きれを拾い上げはった。
なんと、こんな美しい女の人がいるもんやろかと、絵姿に見とれてはったんやけど、
家来を呼んで、「なんとしても、この女を探してわしの嫁にしたい」と言いださはった。
このお殿様、嫁ももらわんと仕事もせんと、毎日ぼーっと過ごしてはったさかいに、
家来はそら大喜びで、始終手を尽くして、この絵姿の女の人を探して回った。
とうとう丹波の山奥の嫁さんの噂を聞きつけて、絵姿の女の人を見つけてしもた。


ほんで、無理むり、この幸せな夫婦を引き離して嫁さんをお城へ連れていかはることになってしもたんやて。
嫁さんは、男の耳元で「しばらくしたら、裏の木ぃに栗がなります。その栗をようけ拾て、お城に栗売りに来ておくれやす」そう言い残すと、お殿様のお迎えの籠に乗せられてお城に連れて行かれてしもた。
男は悲しいて、また仕事が手につかん様になってしもたけど、嫁さんの言う通りにしようと思ったんやて。


嫁さんの方は、お城で綺麗な着物を着せてもろて、贅沢な暮らしをして、お殿様もほんまに大事にしはったんやて。そやけど、嫁さんは丹波の山に帰りたい言うて、毎日泣き暮らしてはった。
お殿様も嫁さんに、なんとか笑うてもらいたいと、芸人を呼び寄せたり、宴を催さはったんやけど、やっぱり嫁さんがお殿様の前で笑う様なことはなかったんやそうや。

そんな日が何日もあって、ある日外から妙な声が聞こえ始めると、嫁さんの顔が急にぱっと明るうなった。


お殿様が外の声をじっと聞いてみると
「栗、栗〜。丹波の栗はいらんか〜、丹波の栗はいらんか〜」
外から聞こえるのは、栗を売る声やった。そうか、嫁さんは、丹波の栗が懐かしいんやな。
そうしているうちに、嫁さんはくすくすと、おかしそうに笑い始めたんやそうや。
ああ、やっと絵姿でみたにっこり笑ぅた嫁さんの顔が見られたと
お殿様はすぐに栗売りをお城に入れる様に家来に言いつけた。


栗売りが「栗、栗〜。丹波の栗はいらんか〜」と言いながら嫁さんの前まで入ってきたら
嫁さんが楽しそうに声を出して笑うさかいに、お殿様は栗売りの男が羨ましいてしょうがない。
ほんで、栗売りに着物を脱ぐ様に言いつけると、自分が脱いだ立派な着物は、嫁さんを笑わせた褒美やと言うて栗売りに上げてしまわはった。


代わりにお殿様は栗売りの粗末な着物を着て、肩から栗がようけ入ったカゴを提げて嫁さんの周りを「栗、栗〜、丹波の栗はいらんか〜」と言いながら歩いてみせはった。すると、さっきよりも面白そうに嫁さんが笑うさかいに、お殿様は調子にのって、あっちこっち掛け声をかけながら歩き回って、とうとうお城の外に出てしまわはったんやて。


ぐるっとお城の周りを回って、お殿様がお城に戻ろうと思わはったら、門番は粗末な栗売りの格好をしたお殿様に「これ、栗売りの男!ここはお殿様のお城じゃ。許しもなく入る事はならん!」と追い返してしもたそうや。なんぼお殿様が話しても、門番は「お殿様はちゃんとお城にいらっしゃる」と、聞いてくれへんのやて。


栗を売りに来た嫁さんの旦那は、そのままお殿様の着物を着て、お城で嫁さんと、夫婦仲良ぅ幸せに暮らさはったそうや。この殿様、それはそれは、よう働かはるさかい、国はたいそう栄えたんやて。前のお殿様か?さあ、どうしはったんやろなぁ。
こんで、この話はおしまい。

今月の読み聞かせ

2016年06月15日 | 絵本
次男、4年生のクラスで読み聞かせです。
先月描いた紙芝居は、今、大阪にいるので
コピー作ろうかともまよいましたが、今回は、図書館で紙芝居を
借りて読む事にしました。

地域の図書館で、もうネタ切れなので、市の中央図書館に行ってみると、
やっぱり数が多いので、読んだ事ないものがたくさんあって
選ぶのも結構時間かかりました。

日本の昔話で市販のものは読みにくいので、
世界名作の中から、長靴を履いた猫を借りました。

さて。
教室に着くと、もう準備万端で待っててくれた4年生!
私が大きいバッグを持っていくので、どのクラスでも
あ、紙芝居や!!と、必ず誰かが言ってくれます。
嬉しいもんです。

4年生にもなると、途端に雑談する子が居ないので、
読みやすい反面、楽しんでくれているかな?リアクションが少なく
ちょっと不安になりますが、そこは次男のクラスなので、
たまに読みながら子供達の顔を見て安心できます。
油断すると、たまに読み間違えますがw

静かに聞いてくれて、静かに終わりました。
ああ、成長したなあと、実感できます。
次男の顔一度も見ないまま、あれ?どこに座っていたっけ?
な状態で終わってしまいました。
ごめんね(ー ー;)

今月の読み聞かせ

2016年05月30日 | 絵本
めっちゃ久しぶりに絵本を読みました。
今月は二回目の読み聞かせ。

四月に入学したばかりの新一年生!


数年前に、新一年生に、読み聞かせボランティアのルーツがわかる
紙芝居を思いつきで描いたのですが、図書室の先生が喜んでくださり
わざわざ家でラミネートして来てくださいました。
本当に適当に一晩で描いてしまっただけに、申し訳なかったですが、
せっかく綺麗にしてもらったので、また使うことにしました。

二つとも紙芝居だと変化がないので、もうひとつは、
家にある絵本の中で、迷って、こどものとも「いたちのてがみ」
を読みました。文が少なく、絵もわかりやすい本です。
年少版なので、結構簡単すぎるのですが、絵から読み取れるお話しが
なかなか面白いです。

あんまり、時間いっぱいになるような、込み入った内容のある本は、
できるだけ読まないように心がけています。

子供たちの顔をみて、子供達の近況を聞いたり今から読むお話しの導入
さあ、お話しのはじまり始まり~
10分の中で読む時間はいつも6分くらい。
読み終わったあとで、お話しの中にでてきた事から、子供の反応を聞いたり、
しゃべったりしてる間に、ベルがなってあー楽しかった!
また来るから聞いてね!

朝、さあこれから勉強って時間に、考えないといけない物は
私の子供時代には、あんまり心に入ってきませんでした。
小学校の高学年の時の先生が、長い物語を1年かけて朝に読み聞かせを
してくださっていました。6年生の時は、「太陽の子」でした。
ほとんどの子は、きっと毎朝すごく楽しみにしていたのです。
主人公の「ふうちゃん」に自分の心をリンクさせながら聞いてたんです。
でも、実は私、毎日少しずつ細切れに聞く昨日の話と今日の話が
あんまり繋がらなかった。。。そして、申し訳ない事に、全く内容を
思い出せません。戦争のお話しだったような。お父さんと、ふうちゃんという
女の子が出てきたっけ。それくらい。
だから、未だに、図書館で「太陽の子」の背表紙をみると、
なんだか複雑です。

純粋にあーおもしろかった。と思ってもらえる方が、私の読み聞かせの
考え方には合っています。
私は自分の子供の頃にして欲しかった様にしかできないし、
他のメンバーさんも同じくです。きっとね。
だから、担任でない、先生でもない人がたくさん教室に入って、
思い思いに物語を読んであげる。そういうのが良いんだと思います。
私みたいに「何が子供に良いのか」をそんなに考えない人もいたりする。
もう、早いもので読み聞かせボランティアに入って7年目?あれ、8年目でした!
はじめは、どんな内容がこの学年にふさわしいか、とか
この内容で嫌な思いをする子はいないだろうかと色々考えました。
正直、しんどかったです。
今年読み聞かせ3年目になる親友から、先日本の内容を反省していると
相談されました。やっぱり同じ事を考えたり悩んだりするんだと、
私自身もほっとしたし、そのまま伝えました。

いっぱい、子供達のお話しも聞けて、私は楽しかった!
きっと知らないおばちゃんにいきなり話すなんて苦手な子もいます。
淡々と読んでいただける方がこられた時に、本って楽しい!
そう思ってくれる事だと思います^^

本当に、久しぶりの絵本でした。
ちょうど、次男がマイコプラズマ肺炎で学校を休んでいたので
バタバタしていて、練習もできてませんでした。

もう一週間前から熱もあがったままだったのが、やっと下がり始めた
日だったので、私もかなりクタクタに疲れていたのですが
なんとか、無事 読めてよかったです。


今年の全校読書行事に向けても、すっかり内容もきまり
あとは時間を見つけて創作パネル絵本の制作です。

ああ、なんだか色々と書いてしまいました^^
ご清聴、ありがとうございました(笑)

今月の読み聞かせ

2016年05月12日 | 絵本
今月は読み聞かせは2回の予定です。
1回目は次男のクラス!!と思って頑張って紙芝居の新作を前日の夜に
完成させたのですが。。。ちょっと手違いがあり、3年生になりました。
先月と続きになったのですが、その分、
紙芝居また作ってきた?と、子供達すごく喜んでくれました。
頑張って作ったし聞いてくれる?というと、
本当に嬉しそうにしてくれていました。

絵姿女房、初披露!

昔話なので日本庭園各地に同じ形の話は点在しています。
途中で出てくる桃売りの男は、こちらの地元アレンジで、
丹波の栗売りに変えてみました。

騒がしくしてた子も、途中から静かに聞いてくれて
終わってからは、面白い話やった!!と、寄ってきてくれました。
こうして、子供達に直接聞いてもらえるなんて、
幸せでしょう。


予定していた次男の教室は、来月交代していただくことになり、
また楽しみです!
でも。。。この紙芝居、今日から旅に出てしまい、お留守なんだな。

手作り紙芝居コンクールに応募してきました!
郵便で、今頃、大阪に向かっているかな?無事着きますように!!