ムーミンパパの気まぐれ日記

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神戸新聞の7日間

2010-01-24 | review
 録画してあった1月16日にフジテレビ系列で放映されたドラマ「神戸新聞の7日間」を見た。1995年1月17日午前5時46分に明石海峡を震源として発生した大地震は、6,434名の死者と4万人を超える負傷者、25万棟に及ぶ住家を全半壊させた。「神戸新聞の7日間」は、そんな関東大震災以来の大きな被害をもたらした阪神・淡路大震災から15年という節目に、地元紙である「神戸新聞の新聞記者たちが、それぞれの立場でもがき苦しみながらも、新聞を作り続けた闘いの模様を描くドキュメンタリードラマ」である。
 正直言って実際に見るまでは、またジャニーズのタレントを使った(主役は嵐の櫻井翔)ドラマかと余り期待していなかったのだが、それでも創刊以来戦時中でさえ一度も休刊したことのない新聞がどうやってその伝統を守ったのかを知りたいと思って見ただけのことであった。その予断はあっさりと裏切られた。2時間の間涙が止まらない。実際に現地で被害に遭われた方だったら見続けることができないのではないかと思うほどの場面が次々と映像として突きつけられていく。新聞を発刊し続けるための記者たちの想いと努力、我が身を捨ててまで神戸新聞に協力する京都新聞社の新聞記者仲間としての連帯、悲惨な情景を前にカメラを向けることに何の意味があるのかと自問する記者たちの苦悶。ドラマとしての主題はそういうところにあったのだろう。その想いを伝えることに失敗したとは思わない。あえて桜井を主役・ナレーターとして起用し、阪神・淡路大震災を知らない若い人たちにメッセージを届けたいというのもいい試みだったと思う。しかしながら、ドキュメンタリーの迫力の前にはすべてが霞んでしまったのもまた仕方がないことなのだろう。とにかく、目の前で繰り広げられる再現映像や実際に現場で撮られた画像は、それが真実であったとは信じたくないほどの悲しさを見る者に染み込ませていく。圧倒的な事実の山の前にドラマの訴求力が薄まってしまうことを、たぶん制作者は分かっていたのだと思う。それでもあえてドキュメンタリーを織り込んでいったのは、阪神・淡路大震災の経験を風化させてはいけないというテレビマンとして矜持であったのだろう。彼らの仕事に敬意を払いたいと思う。
 折角だから、もう一度見直してみたい。ドキュメンタリー部分を落ち着いて見られるようになれば、ドラマ部分の良さももっとしっかりと見えてくるだろう。もちろん一つの作品を2つの部分にセパレートして論評すること自体がナンセンスだというのは分かっているが、それでもやはりそう感じてしまうのである。
 平均視聴率は関西地区で19.3%、関東地区で15.3%だったとのことである。たぶん再放送される機会があるだろうから、見逃した方は是非とも見てほしい作品である。

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