■ 2017.12.9 多摩動物公園
今日はオガサワラシジミの保全に関する講演※を聞きに多摩動物公園に行ってきました。講演会に申し込むと入園が無料となるため、ついでにチョウの温室にも寄るつもりでしたが、世の中そんなに甘くなく、講演が終わった時刻には閉館していたのでした。。。
※パンフレット
多摩動物公園では2005年から生息域外保全※を担当し、累代飼育に向け試行錯誤を続けてきたとのことで、その苦労話が報告されました。
※自然災害などで現地の個体が激減した際に、現地に放すための個体を育成する保険的取り組み
<概要>
2013年までの取り組みでは交尾に成功したのは2回と少なく、食草にかぶせる吹き流しのサイズや、成虫を放つ温室のサイズを変えるのみでは、安定的に交尾を成功させるのは難しい状況であった。また大温室は大きすぎるので実験には不向きであった。そこで、同じころ、ツシマウラボシシジミの繁殖に成功しつつあった足立区生物園で実験を行うこととした。その理由は、ツシマウラボシシジミでの実績と温室のサイズがチョウを放つに充分広く、その後チョウを回収することを考えても広すぎなかったため。実験の結果、♂がテリ張りの体勢に入ってから♀を放つ(予め吸蜜させておき、♂の目の前に持って行って脅かして飛ばせる)ことにより、交尾を成功させることができた。この時、テリ張りをしている♂が♀を追う時の飛翔が、実験回数と共に徐々に直線的になる(要は上手になる)様子も観察され、この経験をもとに、2016年、多摩動物公園に新たな温室を新設、テリ張りから交尾成立に適した空間を再現し、♂12匹、♀9匹を放つ実験において、9ペアの交尾に成功した。2017年12月現在、7世代目の幼虫を育成中とのこと。いやー、素晴らしいですねー。チョウの温室に放たれる時期は未定とのことですが、是非一般公開してほしいです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
※マメ知識:多摩動物園は17時閉館の際、昆虫館は16:30に閉館となる。。。知らなかった。。。
関連ブログ:
企画展:チョウが消えていく(2018)
企画展:チョウが消えていく (2017)
第16回 チョウ類の保全を考える集い
第14回 チョウ類の保全を考える集い
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