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指導者の矜持

2014-09-20 17:00:47 | NTR文学の部屋


MSN 産経より
 エディンバラ(英北部)=内藤泰朗】スコットランド行政府のアレックス・サモンド首相(59)は19日、「われわれは自分たちの道を着実に前進している」と支持者らに呼びかけた。英国からの独立の是非を問う住民投票での敗北の責任を認めて辞任の意向を表明したものの、住民の不満を吸い上げて理想を掲げ、世論を二分する戦いを展開した独立派の手法は、各地で起こる同様の運動にも影響を与えそうだ。

 スコットランドで議会が復活したのは1999年。イングランドとの合併以降、約300年ぶりのことだった。スコットランド民族党(SNP)は2007年のスコットランド議会選で、英国からの独立を掲げて第一党に躍進し、党首のサモンド氏が行政府首相に就任した。

 SNPは11年の議会選でも過半数の議席を獲得。住民投票の実施を求めるサモンド氏は12年、キャメロン英首相との間で合意にこぎ着けた。

 「住民投票(の実施)を阻止することはできたが、民主主義の原則を守るために受けて立った」。スコットランドの独立が否決された19日、キャメロン氏は合意に至った事情の一端を明かした。

 
 英BBCなどによると、1954年にスコットランド南東部リンリスゴウで生まれたサモンド氏は大学卒業後、大手銀行で働きながら社会主義運動のグループにも参加。「独立し、北海油田の富で北欧のような高福祉国家を建設する」という政策で、中央政界に不信感を抱く住民たちの支持を集めたという。かつて王室不要論を展開したこともあるとされる。

 SNPの創設は1934年。当時は地方分権を訴える小政党にすぎず、第二次大戦中には戦争に反対して徴兵を忌避、逮捕された党首もいた。スコットランド政界に詳しい消息筋は「当時は、誰も見向きもしない政党だった」と話す。

 注目され始めたのは、造船や鉄鋼といった重厚長大産業の衰退が始まった、60年代に入ってからのことだ。左派の労働党に不満を抱く層に、「偉大なスコットランドの復活」を訴えた。

 先の消息筋はサモンド氏やSNPについて、「民族主義の危うさを隠し、口当たりのよい理想を人々に提示することで影響力を持っている。はじめは小さな政党でも大きな力になり得ることを示した。世界にも、日本にも、そうした可能性はある」と警告した。