今もそのテーマは残っているのですが、他のバカっぷりとか何とかがかなり前面に出てしまい、埋もれているっつーか裏テーマ?いや、気づく人が気づく?みたいな追いやられ方になっています。
最終的にお客様が楽しんで劇場を出て頂ければ何でもいいので秘かなテーマとして主張しないでおこう。そんな控え目な作家でありつつ、この場でちゃっかり主張する早川です。
で、改めてコミュニケーションのこと。
人魚の物語を参考に読んでみると、実に…なんというか…笑っちゃうほど人魚はコミュニケーションが下手な物語が多いです。足と引き換えに声を失ってしまう人魚姫はコミュ能力自体を奪われてしまいますが、他の物語の人魚ときたら村の男をかき集めて海の底で魔力で従わせたり、男を誘拐してちやほやともてなすけど、そのもてなし方が魚あげるばっかりで男にうんざりされたり。人魚って綺麗で神秘的…というイメージだったのに、明らかに「残念な女子たち」で涙を誘います。(ついでに人魚たちはやたら王子様やイケメンばっかり好きになる話が多い。)
しかし、そのコミュニケーション下手、というのがどこか自分の共感を呼ぶ部分でもあります。
そもそも、コミュニケーション能力に長けているという人が、この世に、特にこの日本にどれだけ居るのか。
そりゃまあそこそこ居るでしょう。人と話すのが好きという人もいらっしゃいます。
だが苦手な人、人見知りな方が圧倒的に多いと思うのです。
「人と繋がっていたいけど、人との距離感はたっぷり欲しい。」
そんな人。そんなさびしがり屋でワガママな要求を叶えてくれるからこそ、ネットというものが今の社会に大きく普及しているのだと思います。
ま、別にネット社会に何かモノ申したい訳ではなく、作家もコミュニケーションをとるのが下手だからこそ、コミュニケーション上手に憧れる、というだけの話なんですが。
さて本題に戻りまして。
今回の疾走人魚では、年齢差、男女の性差、そしてヒトと人魚という種族の差。
大きくはこの3つの差に着目してそのコミュニケーション具合、そしてそのコミュニケーション不全っぷりをお客様にお楽しみいただこうと画策しております。
もてなしや親切、よかれと思ってやったことが当人にとっては全く逆効果だったり。
そういうつもりじゃ無く言った言葉が思わぬ解釈をされてしまったり。
メールの返信がないだけで嫌われてるとか思いこんだり。(←私今これ!公演案内メール送り過ぎで嫌われてるんじゃないか心配中!お返事お待ちしてます!NGな場合もチッて舌打ちとかしないから!しないから!)
世の中にはいろんな、思いもよらぬことでコミュニケーション不全となります。
人魚という異界の物語を扱いつつも、人にとって非常に身近なリアルを、物語の端々に感じとって頂けたりしたら、とても嬉しいなと思うのでした。
さて本番までもう片手の指で足りるほどです。
初日は間もなく完売!木曜夜、土曜夜はまだまだおススメです。
ご予約お待ちしております~☆
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