昨日の伊藤清永画伯の続きになりますが、「新美術新聞」の「中山忠彦白日会長に聞く」の記事の中に非常に参考になると言うか、ギクツとする話がありました。
中山会長曰く、「伊藤先生はつねずね細密に描くなと、警鐘をならしていました。写真を転用する描き方しかしてない人は、作品から受ける感動がありません。本人が感動して描いてないからです。
美しいとか生きているという感動無しに描き始めていますから、上手に写したねという程度のもので、そこに「写実」はありません。髪の毛1本1本描くのが正しい写実ではない。ベラスケスのバサッと描いた筆の跡は数メートル離れると髪の毛に見える。
絵具というのは物質ですから、その物質を生かしきって作り上げていくのが、本当の「写実」だということを感じてほしい。・・・・・と。私の持論と同じで安心しました。
また、中山会長は、伊藤清永先生について「対象をみて見て描くという執念、裸婦を描くなら抱いてみなければいけないとも言いました。血液の流れ、弾力感、温かみを確かめ、生命力の強さを実感して描きなさいということ」だそうで、全く異論はない話。
私としては注文の肖像画を止むを得ず写真から描いていますが、それを補う意味で、美術研究所のアトリエでの生きている人物モデルを見て描く練習、人物油絵の勉強を続けているつもりです。
お祝いの肖像画はメイプル・アーツの油絵肖像画
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