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『君たちはどう生きるか』が大間違いである理由
数々の著名人が絶賛し、宮崎駿も次回作の原案にすることを公言している小説『君たちはどう生きるか』。コペル君と呼ばれる少年が叔父との対話を通じて成長していく物語であるが、実はこの小説は大前提となるコペルニクスへの理解が事実とは異なっている。もちろん小説である以上、物語を創造していくことは自由であるが、それを「事実」として受け取れば物事への理解は歪む。「わかりやすい物語」に潜む問題点を紐解く。
Updated by Hiroyuki Iyamaon August, 3, 2022, 5:00 am JST
目次
- 「君たちはどう生きるか」は本当にコペルニクスに肖っているのか
- 「地動説」は通俗コード。学術コードでは「太陽中心説」となり、地球が動いていることは強調されない
- 「真理を追究するものが弾圧される」というフィクションに利用されたコペルニクス
- コペルニクスでさえ古代以来の迷妄から逃れることはできなかった
- 天文学は「円」への執着を捨てることで発展した
- 英雄は一人でなければならない。排除された重要な学者、ティコ・ブラーエ
- コペルニクスは迫害など受けていない
- まったくのフィクションであるコペルニクス革命
「君たちはどう生きるか」は本当にコペルニクスに肖っているのか