11. 無階級社会への道としての階級闘争は、改革を遅らせ、貧困と不公正を悪化させる神話である。この神話に魅了されることを許す人は、この神話が導く先について、歴史が示している苦い例を振り返るべき

3. 正義への熱望はしばしば、その意味を隠したり曲解したりするイデオロギーの虜となり、解放のために奮闘する人々に、人間生活の真の目的に反する目標を提案する。彼らは、人を尊重する倫理に反して、組織的な暴力に訴えることを意味する行動様式を提案する。


4. 福音の光に照らされた時代のしるし "を解釈するためには、正義を求める人々のこの深い憧れの意味を調べるだけでなく、この憧れが担ってきた理論的・実践的な表現を批判的な識別力をもって研究することが必要である。


III
キリスト者のテーマである解放


1. 解放への願いは、それ自体として、キリスト者の心と精神の中に強く友愛的な響きを見出す。


2. こうして、この願望に一致して、"解放の神学 "として知られる神学的・司牧的運動が、キリスト教の宗教的・文化的遺産を特徴とするラテンアメリカの国々で最初に生まれ、その後、第三世界の他の国々や先進工業国のある界隈でも生まれた。


3. 解放の神学」という表現は、まず第一に、貧しい人々や抑圧の犠牲者に対する特別な配慮を意味し、それが正義へのコミットメントを生む。このアプローチから出発して、私たちは、キリスト教的な貧困の意味と正義へのコミットメントのタイプを理解するいくつかの、しばしば矛盾する方法を区別することができる。

10. 同じ意味で、暴力を生み出す構造を革命的暴力によって打倒することは、公正な体制の始まりではない。まさに人民の解放の名の下に、暴力的で革命的な手段によって権力を握った全体主義的で無神論的な政権によって奪われた基本的な自由を取り戻したいと、何百万という同時代の人々が正当に切望しているのである。自由をもたらすと言いながら、これらの体制は国民全体を人類にふさわしくない隷属の状態に置いているのだ。同じような奴隷化の共犯者となっている人々は、おそらくうっかりしているのだろうが、自分たちが助けようとしている貧しい人々を裏切っているのだ。


11. 無階級社会への道としての階級闘争は、改革を遅らせ、貧困と不公正を悪化させる神話である。この神話に魅了されることを許す人は、この神話が導く先について、歴史が示している苦い例を振り返るべきだ。そうすれば、私たちがここで話しているのは、実際的な効果のない理想のために、貧しい人々のための効果的な闘争手段を放棄するということではないことが理解できるだろう。それどころか、私たちが言っているのは、福音とその実現の力に正面から立脚するために、妄想から自らを解き放つということなのだ。


12. 必要な条件のひとつは

Instruction on certain aspects of the "Theology of  Liberation"