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And This Is Not Elf Land

JERSEY BOYS:マリーの悲しみ【補足あり】





6月8日(土)夜、今回2度目のJERSEY BOYS鑑賞


とにかく、数日前にオードリーさんにニュージャージーの古い地区を案内してもらったあとでもあり、いろいろと…これまでとは違って見えました。

まず、キャストは、ジョン・ロイド・ヤング(写真)のフランキーに、アンディー・カールのトミー、後はアンダーでした。ネイサン・ストリッチのニック(まぁ、これはこれで良い)で、ボブがジャレッド・トーマス・ブラッドショーでした。彼は、シカゴでもアンサンブルとして参加していた人で、私にはお馴染みの顔。どの役でもこなせる人で、前回見たときは「ラッパーその他」の役でした。私は、この役をアフリカ系じゃない俳優がやるのを見たのは初めてでしたが、無難にこなしていた感じ。(ちょっと待った…テイラー・スターンバーグがやるのを観たことがあるわ)

とにかく、前回のときは、ステージドアで「この役も素晴らしかったですよ」と言うと「昼の部では、ジョーイをやったんだ。忙しい一日だったよ!」と笑っていました。素顔は、なかなか育ちのよさそうなナイスガイです。そして、カンパニーには、いなくてはならない人でしょうね~

でも、ボブ役…どうなるんでしょう?~この人、顔、大きいし(そこか!)とにかく、「オッサン」な雰囲気の人だし~んんん…大丈夫なのか?

しかし、それは杞憂に終わりました。地声はやや低いのですが、それでも、高いテクニックを駆使した歌唱でCry For Meを聴かせてくれました。もともとは、愛想のよい「笑い顔」なのですが、アーティストとしての深い苦悩なども上手に表現されていました。

特に感心したのはOh, What a Night!のシーン…「この容貌&雰囲気で『うぶな兄ちゃん』キャラは無理なのでは?」と心配していたのですが、「そのシーン」になると、ポケットからハンカチを取り出してもじもじし始めるのです(笑)…おお、これは「正解」ですね。まぁ、この人の雰囲気では、「うぶな兄ちゃん」というよりは「年はくってるけど(失礼)そっちの方はてんでダメな奥手」というキャラでやったほうがいいですよ。ちょっと「小道具」の助けを借りたほうがいいでしょうね。なかなかよく考えられていました。

ステージドアで、「あのハンカチは非常に効果があったと思う。素晴らしいアイデアですね」というと、またまた嬉しそうでした。(こういうやり取りができるから、私はブロードェイが好きなのだ。)


さて、今回のJBでは、My Eyes Adored Youのときに、階段に腰掛けたフランキーの最初の妻マリーが、さめざめと泣き崩れるのでした。演じたのはレネー・マリノ、この人もシカゴで何度も観た人であります。(そのときは、マリー役ではありませんでしたが)【補足:そして映画にも出演しました】

JBの中では、フランキーが妻と別居してロレインと出会ったとき「娘が3人いるんだ」と言っていますが、オードリーさんによれば、マリーは前夫との間の娘2人を連れてフランキー・ヴァリと結婚しているので、末娘のフランシーン以外は、血のつながりのない娘たちだったようです。

【補足:オードリーさんは確かにこのようにおっしゃったのですが、おそらく家の娘のシリアさんだけがマリーさんの連れてきた娘さんで、真ん中の(唯一ご存命の)トニーさんはフランキー・ヴァリとの間の娘さんではないかと思います。今もフランキー・ヴァリと行動を共にしておられる姿をよく拝見しますし、何よりも顔立ちがお父さんとよく似ている。映画では、フランキーが末の娘のフランシーンだけでなく、トニーの名前を口にするシーンもありますが、一番上のシリアだけは、名前も出てきませんね。】

そして、フランシーンは、若くしてその短い生涯を閉じてしまいますが、実は、マリーさんと前夫の間の娘さんのうちのひとりも、「21歳」で、不慮の事故で亡くなってしまったのだそうです。JBの中では、フランシーンは「22歳」で亡くなったことになっていますが、実際には、19歳あるいは20歳でした。これについては、オードリーさんが、ヴァリの両親やフランシーンが眠る墓まで案内してくださったので、確認済みではあります。

【補足:フランシーンの墓はフランキー・ヴァリの両親の墓の隣にありましたが、シリアの墓はどこにあるかわからないとのことでした。マリーさんは2007年に亡くなっていますが、マリーさんとシリア墓は並んでいる可能性があります…想像ですが。】

JBでは、どうして「22歳」としたのでしょう?オードリーさんはここに大きな関心を寄せておられました。たしかに、いくらJBが事実に基づいた話であるとは言え、20歳に満たない少女が薬物過剰摂取で亡くなる…という筋書きは、社会的影響を考えても、やはり避けたいところでしょう。アメリカって、こういうところ、とても保守的ですよね。そして、「21歳」という設定も避けたかった…ということだったのか?…未成年という設定はまずくても、一歳でも若い方が、その悲劇性は伝わりやすいと思うのですが…オードリーさんは、娘たちをに失った実際の年齢を避けた結果が、「22歳」となったのでは?と解釈されていましたが…実際のところは、クリエイターにきいてみないと分からないのでしょう…

こういう、いろいろな話を耳にしたあとに、マリーが泣き崩れる姿を見ると、なんか、胸が一杯になりました。いろいろと、苦労の多い人生だったんでしょうね。みんな、ただただ、小さな幸せが欲しかっただけなのに…でも、みんな、理想どおりに生きることができないからこそ、そこにドラマがあるわけで。かつて、JBに出てくる女性キャラクターを全員批判的に書いた(というか、テッテイ的にぶった切った)ことがありますが(ハハハ…すいません)私も、ちょっとは世間ってものがわかるようになりました(汗


さて、この日のジョン・ロイド・ヤングも素晴らしかったです!終盤に向かうにつれて「もう一度、ジョンのフランキーを観ることができるだろうか?」と思うと、切なくなりました!ホントにねぇ、あの何かを訴えるような子犬のようなまなざし…もうダメ(?)あれ、反則やわ~(はいはい)



ええと…(笑)

そうそう、この日のパフォーマンスで印象的だったのは、トミーに対する冷やかな嫌悪感を痺れるほどに上手く表現していたことでした。ちょっとした眼づかい、仕草…もうねぇ、これほどまでに忌み嫌われてるのに、もっと、それにふさわしい演技をしろよ、アンディー・カール!

オードリーさんが「一番いいと思うトミー役は?」と尋ねられるので「クリスチャン・ホフ」と即答したら、彼女も同意見だと微笑まれました。私としては、次に(数か月前までBWにいた)ジェレミー・クシュニールが来ます。オードリーさんは、ツアーにいたダニエル・サリバンもよかった…と言っておられましたが、彼はもうJBを去ってしまっていて、今のところ観るチャンスはありません。「アンディー・カールが好き、と言う人もいるんだけどねぇ…」と苦笑されてましたが、まぁ、彼がNG,という点では私と一致していますよ。


それと…これ裏話なんですが…これ、書いていいのかな(笑)ちょっとだけ、触っておくと…実はジョン・ロイド・ヤングとクリスチャン・ホフの不仲は有名な話らしいデス。いずれにしても、クリスチャンがJBに戻ってくる可能性は低いようですよ、残念です。あの役は若くなくてもいいので、今のクリスチャンでも十分に行けると思うんですが…事態が変わることを期待しましょう~


というわけで、これで一旦終了しときます。

まだまだ、ぐだぐだと書きそうなんで…(汗
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