ここ、サボってばかりですません。ブロードウェイのファイナルから4か月が過ぎようとしていますが、あの忘れられない週末のこと…忘れないうちに書き留めておきます。
何回も何回も観たブロードウェイ版の「ジャージー・ボーイズ」…その音楽、台詞、演出などについては、もう書くことがないくらいにこちらで取り上げていますが、ブロードウェイ最後の4公演を観て、あらためて思ったのは、彼らの人生はバンドそのものであり、常に音楽と寄り添っているものであったことが、積極的なメッセージとして伝わってきた点です。
実在のミュージシャンを題材にしたストリーでありますし、基本的には、彼らの人生が常に音楽とともにあったということを表しているものだとは思いますが、なぜそれが「積極的なメッセージ」であると感じたのかというと…やはり、それは日本版と比較したからであろうと思います。
まずはブロードウェイ版の話をしましょう。
「ジャージー・ボーイズ」はドキュメンタリー・タッチでストリーが進行するので、必然性のある場面でしか歌を歌わないミュージカル…と言われてはいますが、実はそうではない…(これも、しょっちゅうここで書いている…笑)特に第2幕になると、しっかり「突然歌いだす」
例えば、ジップ邸での話し合うドラマチックなシーンでも、クライマックスになると、舞台にマイクが出現してStayなどの名曲が歌われます。また、フランキーが娘や恋人と決裂するシーンでも、台詞が終わると、フランキーは、舞台後方にいるバンドの中に戻ってBye Bye Babyを歌います。
結局、彼らは、音楽を軸に結びついたバンド仲間だったのであり、フランキーも、どんなに私生活で大変なことがあっても、戻る場所はバンドであったということ。
先の記事にも書いていますが、ブロードウェイ版は「バンド」というものを揺るぎない軸として進行していっているのでした。
映画が全米で公開されて3年になりますが(早いものです!)、その3カ月後に日本で公開されたとき、「映画版では、オリジナルの2人のメンバーが去った後、音楽活動も低迷してしまったような印象を与えかねない」というご指摘が音楽評論家の方からありました。たしかに、ああいう内容であれば、そういう印象を与えるでしょう。
実は、オリジナルメンバーが去った後も、才能のあるメンバーを迎え、フォーシーズンズの音楽は時代とともに進化を遂げます。実は、第2幕で従来のミュージカルのように散りばめられて演奏される彼らの音楽からは、それが如実に見て取れるようになっているわけです。
早い話が「シェリー」のあと、突然「君の瞳に恋してる」が生まれたわけではない…(ここ、とても重要)
そこに至るまでの音楽的な変遷が、非常に丁寧に、彼らの人生と重ね合わせて描かれているのですね…稀代の名曲が生まれる奇蹟のような瞬間とともに。
日本版については、ここでも何度も取り上げていますが、日本版はめでたく再演も決まり、国内の演劇賞も総なめにしました。
のちほど、あらためて日本版について書きます。
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村上晴美
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