京都府立医科大学 松原弘明の不正

京都府立医科大学循環器内科、関西医科大学第二内科の松原弘明氏の論文での研究不正疑惑について(捏造・改竄・人体実験疑惑)

琉球新報: 京都府立医大手術 組織的な欠陥究明を

2011-10-19 06:55:54 | 関連NEWS

社説

琉球新報: 京都府立医大手術 組織的な欠陥究明を

2013年4月13日 

 京都府立医大の松原弘明元教授のチームが動物実験をしないまま、急性心筋梗塞の患者に患者自身の幹細胞を移植する手術をしていた。
 移植手術は臨床試験として実施されている。臨床試験をする場合、動物実験で安全性と有効性を確認することが大前提だ。動物実験なしに実施したとなれば、人体実験をしたと批判されても仕方ない。
 手術が実施された2004年2月当時、同チームは事前にブタを使った動物実験で治療の有効性を調べたと発表していた。うその説明をしながら「世界初」の手術成功と誇らしげにアピールした。医師としての功名心が優先され、倫理性が置き去りにされたというほかない。
 それだけではない。松原元教授が関わった論文14件で改ざんやねつ造データの使い回しなどの不正があったことが大学の調査報告書で判明した。
 うち5本の論文が手術の安全性を審査する学内倫理委員会に参考資料で提出されていた。虚偽にまみれた論文を手術許可の判断材料に使っており、極めて悪質だ。
 同チームに責任の一端があるのは間違いないが、大学の倫理委員会にも問題がある。動物実験をしていなかった事実を見抜けぬまま倫理委員会は手術実施にお墨付きを与えてしまった。
 大学側は主な承認理由としてドイツや韓国で類似の研究が先行して実施され、問題が起きていないことを挙げる。しかし幹細胞を濃縮するなど手法が異なっている。先行事例は数が少なく、しかも違う研究を根拠に安全性を保証したのなら、倫理委の審議は不十分と言わざるを得ない。
 幹細胞研究は臨床への応用に期待が大きい。一方で無秩序に進めれば予期せぬ問題が起きる恐れがある。だからこそ政府は06年に人の幹細胞を使った臨床研究を行う際に従うべき指針をまとめている。さらに厚生労働省は研究計画を審査する地域ごとの倫理委を設けることなどを盛り込んだ新法を近く国会に提出する見込みだ。
 病気やけがで機能を失った臓器や組織を修復する再生医療として幹細胞研究は重要な役割を担っている。今回の事態はその研究の信頼性をも揺るがした意味でも深刻だ。大学側は手術チームだけの責任に矮(わい)小化せず、組織として何が問題だったのかという抜本的な検証と究明を進めるべきだ。

 

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-205270-storytopic-11.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2035-53/ryukyushimpo.jp/news/storyid-205270-storytopic-11.html


毎日新聞: クローズアップ2013:降圧剤 京都府立医大の論文撤回騒動 製薬社員も名連ね

2011-10-19 06:55:52 | 関連NEWS

クローズアップ2013:降圧剤 京都府立医大の論文撤回騒動 製薬社員も名連ね

毎日新聞 2013年03月28日 東京朝刊

「撤回」と記された京都府立医大の論文
「撤回」と記された京都府立医大の論文

 ◇1億円の寄付金/製品のPRに利用

 京都府立医大のチームによる降圧剤「バルサルタン」の臨床試験論文3本が、掲載した学会誌から「重大な問題がある」との理由で撤回された。血圧を下げる本来の効能は否定されていないが、脳卒中などのリスクを下げる働きもあるとした論文の信頼性は揺らいでいる。論文をPRに利用してきた製薬会社「ノバルティスファーマ」(東京)の社員が、試験に関係する別の論文で統計解析責任者として名を連ねていたことや、ノ社が論文責任者側に1億円余の奨学寄付金を提供していたことが取材で判明した。関係者の説明責任が問われている。【河内敏康、八田浩輔】

 問題の臨床試験は、京都府立医大の松原弘明・元教授(56)=2月末に辞職=のチームが04年にスタートさせた。高血圧の患者約1500人にバルサルタンを飲んでもらい、経過を追跡。薬の効果を確かめていった。

 松原元教授は試験中だった08年に、問題の3本に先だって、試験の実施要綱をまとめた論文を英医学誌電子版で発表する。この論文には、データの統計解析に責任を負う「統計解析の実施組織」として、ノ社の社員の名前が別の統計の専門家と共に記載されていた。しかしノ社の記載はなく、所属は「大阪市立大」とだけ記載されていた。

 この点について、3月に取材に応じたノ社の三谷宏幸社長は「どんな統計方法がいいかについてアドバイスしただけ。試験内容や、試験の組み立て方などデザインに関わる相談を受けたことはない。社員は大阪市立大の非常勤講師を兼任していた。統計の世界では有名な人物だ」と説明した。

 問題の3論文は、09~12年、日欧の2学会誌に相次いで発表された。09年の最初の論文は「従来の降圧剤に加えバルサルタンを服用すると、血圧の低下と関係なく、脳卒中や狭心症のリスクも下がった」と、欧州心臓病学会誌に発表された。

 ノ社は、この論文を基に、バルサルタンの効果をアピールする広告を医学雑誌にたびたび掲載するなど営業活動を展開。コンサルタント会社によると、11年度の売上高は、日本の医家向けの医薬品中3番目の約1192億円に上った。

 だが欧州心臓病学会は、今年2月になって「複数のデータに重大な問題がある」と、論文を撤回。関連する論文2本を掲載していた日本循環器学会誌も、昨年末に「データ解析に多数の誤りがある」との理由で撤回する事態となった。いずれの学会誌も「重大な問題」の詳細は明らかにしていない。

 

松原元教授は「データ集計の間違いでしかない。論文の結論に影響を及ぼさない」と声明を出し、京都府立医大は今年1月、学内3教授による予備調査で「研究に不正はなかった」と日本循環器学会に報告した。

 この試験を巡っては1年ほど前から、「試験終了時の血圧値の平均値と(データのばらつきを表す)標準偏差のデータが、薬を飲んだ患者群とそうでない群で一致している。試験終了時に異なるのが自然なはず」「同じ薬を使った国内外の臨床試験の結果と合わない」などと、専門家から不自然さを指摘されてきた。

 毎日新聞は松原元教授に一連の経緯について再三取材を申し込んできた。しかし松原元教授は「大学に聞いてほしい」とし、面談での取材に応じていない。

 ◇研究責任者と密接な関係 個人的謝金も

 京都府立医大は、毎日新聞の情報公開請求に対し、松原元教授への奨学寄付金などに関する資料を開示した。

 それによると、大学に記録が残る08年1月以降、松原元教授の研究室に提供された民間からの奨学寄付金は、253件計4億2800万円。このうち、ノ社からは18件計1億440万円あり、金額は約4分の1を占めていた。

 また、12年度は、ノ社から松原元教授個人に講師謝金として2件40万円が支払われていた。

 ノ社は「奨学寄付金を出してはいるが、大学を通じてであり、試験を行う医師に直接ではない。この臨床試験を目的に提供したことはなく、ノバルティスファーマが松原元教授に試験の実施をもちかけたこともない」と説明する。

 2月のノ社の社長定例会見では、記者が松原元教授側への奨学寄付金提供の有無を問うた際、ノ社側は提供してきたことを認めたものの、金額は明らかにしなかった。三谷社長は「大学側の同意が得られれば、一緒に公表していきたい」とする一方、論文が撤回されて営業活動に臨床試験のデータが使えなくなったことには「非常に残念。今後、(顧客の)医師にも説明していきたい」と話していた。

==============

 ■ことば

 ◇バルサルタン

 ノバルティスファーマが商品名「ディオバン」として、00年に発売を開始した血圧を下げる薬。血管を収縮させ血圧を上げる血中成分の働きを阻害する効果がある。約100カ国で承認を受けている。

==============

 ◇松原元教授チームのバルサルタン臨床試験をめぐる動き

00年11月    ノバルティスファーマが降圧剤「バルサルタン」の国内販売を開始

04年       松原教授(当時)のチームが臨床試験を開始

09年 8月    「脳卒中や狭心症などのリスクも下げる効果」と欧州心臓病学会誌(電子版)に発表

11年 3月    「心臓肥大の症状がある患者にも同様の効果」と日本循環器学会誌(同)に発表

12年 9月    「糖尿病患者にも同様の効果」と日本循環器学会誌(同)に発表

12月   27日 日本循環器学会誌が掲載論文2本を撤回。京都府立医大に調査を要請

13年 1月31日 京都府立医大が学内3教授による予備調査で撤回論文に「不正はなかった」と学会に報告

    2月 1日 欧州心臓病学会誌が掲載論文を撤回

      12日 ノ社が定例記者会見で「データ解析に会社は関与していない」と説明

      15日 日本循環器学会が京都府立医大に再調査を要請

      28日 松原教授が大学を辞職

    3月 1日 京都府立医大が検証チーム設置を発表

 

http://mainichi.jp/opinion/news/20130328ddm003040148000c.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2028-37/mainichi.jp/opinion/news/20130328ddm003040148000c.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2028-50/mainichi.jp/opinion/news/20130328ddm003040148000c2.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2029-04/mainichi.jp/opinion/news/20130328ddm003040148000c3.html


毎日新聞: 論文不正:松原元教授関与、13本に不正

2011-10-19 06:55:50 | 関連NEWS

論文不正:松原元教授関与、13本に不正

毎日新聞 2013年04月11日 15時00分

 京都府立医大の松原弘明元教授(56)=2月末に辞職=を巡る論文不正疑惑で、大学の調査委員会は、松原元教授が関与した論文のうち少なくとも13本に図表の捏造(ねつぞう)や改ざん、流用があったことを指摘する報告書をまとめた。松原元教授本人が不正に直接関与したかは不明としつつも、「最終的な責任者である松原氏の責任は、極めて大きいと言わざるを得ない」と結論付けている。

 調査委は2011年12月、外部から指摘を受けた大学側が、学外の有識者を交えて設置した。松原元教授が関西医大在籍中(03年3月まで)に関与した論文を含む1999~11年の18本を調査対象とし、連絡先が確認できた共著者77人に書面や面談で聴取した。

 主に再生医療の実験に関するもので、04年の急性心筋梗塞(こうそく)患者に対する臨床試験の参考にしたとされる02年の論文(04年に修正)も含まれている。調査委は動物実験を経ていないことについて、「倫理上、重大な問題」と指摘した。

 報告書によると、18本のうち、少なくとも13本に掲載された顕微鏡写真などの画像で、回転させたり、拡大・縮小したりして別画像に見せかけるなどの不正があったと判定した。13本の他に2本は、内容が同じなのに、題名と共著者だけが変わっており、重複投稿と認定した。

 こうした結果について「松原氏の研究室管理体制に本質的な欠陥」があり「極めて異常」と指摘。「(仮に)意図的な改ざんや捏造がなかったとしても、図表の間違いの混在した論文を極めて高頻度に国際的に発表し続けた責任は免れ難い」とした。

 松原元教授は、日本循環器学会で理事や医道委員会委員長を歴任。最近は日本高血圧学会の理事だったが、3月6日付で辞任した。

 毎日新聞の取材に松原元教授は、自ら不正に関わった事実はないと主張した上で、「多数の執筆者が関わった論文の一部に改ざん・捏造があったと指摘される事実については、私が監督責任を果たさなかった結果で、十分反省している」などと文書で回答した。

 松原元教授はこのほかにも、降圧剤「バルサルタン」の効果に関する論文3本が「重大な問題がある」との指摘を受けて撤回。経緯などを大学が調べている。【八田浩輔】

http://mainichi.jp/select/news/20130411k0000e040227000c.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2025-20/mainichi.jp/select/news/20130411k0000e040227000c.html


日本経済新聞: 元教授が14論文で不正 京都府立医大、退職金返還要求へ

2011-10-19 06:55:48 | 関連NEWS

元教授が14論文で不正 京都府立医大、退職金返還要求へ 

2013/4/11 22:10

 京都府立医科大は11日、2月末に退職した医学研究科の松原弘明元教授(56)が関与した14の論文で、画像を改ざんするなどの不正が見つかったと発表した。今後、退職金の返還などを求める。松原元教授は2004年に動物実験を経ずに急性心筋梗塞の臨床試験(治験)を患者に実施していたが、京都府立医大は「倫理上も手続き上も問題はなかった」との見解を示した。

 ただ、臨床試験の安全性などの審査のために学内の倫理委員会に提出した論文でも、画像の改ざんなどがあったという。

 大学側によると、11年にインターネット掲示板への書き込みや、大学への匿名による告発を受け、学外の有識者を含む調査委員会を設置。松原元教授が関与した18の論文について、関係者からの聞き取り調査などを進めた結果、14論文の計52カ所で、過去に掲載した画像を使い回したり、改ざんしたりしていたことがわかった。

 記者会見した伏木信次副学長は「誠に遺憾だ。研究者としてあってはならないこと」と述べた。

 松原元教授は、慢性心筋梗塞の動物実験しかやらずに、急性心筋梗塞の患者の血液から幹細胞を取り出す臨床試験を実施していた。京都府立医大は、海外で人間を対象にした論文が報告されており、倫理上の問題はなく、学内の倫理委員会が許可したことも問題はないと結論付けた。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1103W_R10C13A4CC1000/

http://megalodon.jp/2013-0416-2022-48/www.nikkei.com/article/DGXNASDG1103W_R10C13A4CC1000/

 


時事通信: 元教授、論文14本不正=動物の幹細胞移植でも-京都府立医大

2011-10-19 06:55:46 | 関連NEWS

時事通信: 元教授、論文14本不正=動物の幹細胞移植でも-京都府立医大

 

元教授、論文14本不正=動物の幹細胞移植でも-京都府立医大

 

 京都府立医科大は11日、松原弘明元教授=2月退職=が関わった2001~11年の論文計14本で、捏造(ねつぞう)や画像の使い回しなどの不正があったと発表した。元教授は04年、急性心筋梗塞の患者から取り出した幹細胞を直接注入する世界初の臨床試験をしたが、学内の倫理委員会に試験承認の申請をした際に提出した参考論文にも不正があったという。
 府立医大によると、松原元教授らのチームは04年2月、急性心筋梗塞を起こした男性患者の血液から幹細胞を採取し、カテーテルで足から冠動脈に直接注入する臨床試験をした。
 元教授は別の大学に在籍した02年に発表した豚の実験で、幹細胞移植により血管の数が増えたことを確認したとする参考論文を、府立医大の倫理委に提出していた。不正の指摘を受けた大学側が調査委員会を設置し、論文を調査した結果、「論文の画像は血管数が増えたように見えるが、実験ノートや生データの提示がない」とし、改ざんされたと結論付けた。
 伏木信次副学長は「改ざんが当時分かっていれば、倫理委として承認することはなかった」と述べた。
 松原元教授は弁護士を通じ、「捏造した事実は絶対にありません」とコメントした。大学側に再調査を求める申し立てをしたが、却下されたという。(2013/04/12-00:38)

 

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201304/2013041200016

http://jp.wsj.com/article/JJ10351128795984123759819393091262115319812.html?mod=wsj_share_tweet

http://megalodon.jp/2013-0416-2019-47/jp.wsj.com/article/JJ10351128795984123759819393091262115319812.html?mod=wsj_share_tweet


スポーツ報知: 京都府立医大、動物実験せず幹細胞移植

2011-10-19 06:55:44 | 関連NEWS

2013.4.11 スポーツ報知: 

京都府立医大、動物実験せず幹細胞移植

 京都府立医大は11日、同医大の松原弘明元教授(56)のチームが有効性や安全性を確認する動物実験をせずに、2004年2月に急性心筋梗塞の患者に患者自身の幹細胞を移植する手術をしたことを記者会見して明らかにした。

 同医大によると、移植は、学内の倫理委員会が03年12月に承認したのを受けて臨床試験として実施された。

 人を対象にした臨床試験をする際には普通、動物実験による安全性と有効性を確認することが大前提。これを実施せずに臨床試験を実施したことで医師の倫理的責任や、承認した倫理審査委員会の判断の是非も問われそうだ。

 チームは04年2月、急性心筋梗塞を患った当時40代の男性患者に、患者本人の末梢血から採取した幹細胞を移植して血管を再生させた。幹細胞を多量に採取してそのまま心臓に注入する手法を「世界初」とし、事前にブタを使った動物実験で治療の有効性を調べたと発表していた。

 チーム責任者の松原元教授をめぐっては、血圧降下剤「バルサルタン」の効果を調べ科学誌に発表した論文3本について「データ解析に重大な誤りがある」として、掲載した関係学会が撤回、大学が調査していた。松原元教授は2月末に辞職した。

 同医大の伏木信次副学長は記者会見で「人体実験とは考えておらず、倫理上問題がなかった」と説明した。

(2013年4月11日15時54分  スポーツ報知)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20130411-OHT1T00091.htm

http://megalodon.jp/2013-0416-2016-50/hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20130411-OHT1T00091.htm


毎日新聞: 京都府立医大:不正5論文、倫理委パス…松原元教授が申請

2011-10-19 06:55:42 | 関連NEWS

京都府立医大:不正5論文、倫理委パス…松原元教授が申請

毎日新聞 2013年04月12日 02時31分(最終更新 04月12日 04時13分)

 京都府立医大(京都市上京区)のチームが2004年、動物実験を経ずに心臓の血管再生を図る臨床試験をした問題で、責任者の松原弘明元教授(56)=2月末に辞職=が、学内の倫理委員会に臨床試験を申請する際、5本の「不正」論文を研究実績として示していたことが、大学側が公開した文書などから分かった。大学側は11日に記者会見し、この5本を含む01~11年に松原元教授が関与した14論文で計52カ所の不正があったと発表。副学長らが陳謝し、「臨床試験についてこれから検証が必要だ」とした。【八田浩輔、河内敏康、五十嵐和大】

 ◇14論文で不正52カ所…調査委公表

 毎日新聞の情報公開請求に大学側が開示した文書によると、松原元教授は、03年6月9日付の申請書を学内の「人間を対象とする医学研究審査委員会」(現在は医学倫理審査委員会に統合)に提出。この中に「申請責任者による関連する発表論文」の一覧があり、松原元教授が名を連ねた7本の論文が記載されていた。だが、このうち5本は、大学側が11日に「不正があった」と明らかにした論文だった。

 倫理委は、申請から約1カ月後の同年7月17日付で臨床試験を承認したが、この間の審議については「議事録を作成していない」(大学総務課)ために不明なままだ。

 松原元教授らは04年2月、急性心筋梗塞(こうそく)の患者の血液から血管の基になる幹細胞を採取し、失われた心臓の血管の働きの再生を図る「世界初」の治療を実施したと発表。しかし、論文不正疑惑を調べていた大学の調査委の聞き取りに対し、松原元教授は動物実験を行っていなかったことを認め、元教授が試験の「参考にした」とする慢性心筋梗塞のブタを使った研究論文は、血管を書き加えるなどの改ざんがあったことが分かった。

 松原元教授を巡っては、降圧剤の「バルサルタン」の効果に関する論文3本が「重大な問題がある」として掲載誌から撤回された問題があり、大学が調査している。

 ◇副学長「倫理上も問題」

 京都府立医大の伏木信次副学長は11日、今回の臨床試験を巡る問題について、「誠に遺憾。倫理上も問題がある」と記者会見で陳謝した。だが一方で、倫理委員会が松原元教授の臨床試験を審査した03年の経緯については、「海外で類似の(臨床)事例があるため、安全上は問題ないと考えた」と説明した。

 伏木副学長は当時の倫理委の委員長だった。

倫理委が複数の不正論文を見逃していたことについて、会見に同席した、論文不正に関する調査委員会の木下茂・委員長は「当時は不正論文だと分からなかった上、ドイツの著名な研究者が類似の手法で行っており、仕方がなかった面がある」としながらも、「現在ならば、きちんと動物実験でも急性心筋梗塞(こうそく)のモデルでやらなければ認められない」と話した。

 松原元教授は調査結果について、「基礎実験(動物実験)を実施していないことが倫理上問題ならば、それは許可した倫理委の問題だ」と、調査委に不服申し立てをしていたが、調査委は認めず、この日の公表となった。

 また、大学側は松原元教授が関与した論文のうち、14本に計52カ所の捏造(ねつぞう)や改ざんなどがあったとの調査結果も公表した。今後、大学を運営する法人が元教授の処分を検討する。

 木下委員長は「すべての論文に関与しているのは松原氏だけで、責任は重い。(我々も)もっと早く見いだせれば良かったが……」と話した。14本は2001~11年の発表。顕微鏡写真などの画像について、回転や拡大・縮小によって別画像に見せかけるなどの不正があったとした。

 調査委は、外部から指摘を受けた大学側が11年12月に学外の有識者を交えて設置。元教授がかつて所属した関西医大在籍中(03年3月まで)に関与した論文を含む18本を調べた。

 ◇元教授の代理人「捏造事実ない」

 松原元教授の代理人、藤田正樹弁護士(京都弁護士会)は11日、京都市内で記者会見し「(松原元教授が)改ざんや捏造(ねつぞう)をしたり、指示した事実はない」と反論した。松原元教授は心因性疾患で入院中という。

 藤田弁護士は「調査対象の論文には多数の執筆者がかかわっている。一部に改ざん・捏造が指摘され、十分に監督責任を果たせなかったことは反省している」などと、松原元教授の主張を説明した。

 また、調査委員会の調査は厳密さを欠くとして、今後、名誉毀損(きそん)などの法的措置を検討するとした。【松井豊】

 

http://mainichi.jp/select/news/20130412k0000m040114000c.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2012-31/mainichi.jp/select/news/20130412k0000m040114000c.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2012-53/mainichi.jp/select/news/20130412k0000m040114000c2.html


朝日新聞: 元教授の14論文で不正指摘 京都府医大、本人は否定

2011-10-19 06:55:40 | 関連NEWS

朝日新聞: 元教授の14論文で不正指摘 京都府医大、本人は否定

 2013年4月11日22時36分

元教授の14論文で不正指摘 京都府医大、本人は否定

写真:会見に臨む京都府立医大の木下茂副学長(左)ら=11日午後6時8分、京都市上京区、戸村登撮影拡大会見に臨む京都府立医大の木下茂副学長(左)ら=11日午後6時8分、京都市上京区、戸村登撮影

 【鍛治信太郎、小宮山亮磨】京都府立医大(京都市)の松原弘明・元教授(2月末に退職)の論文に相次いで不正が指摘されていた問題で、同大の調査委員会は11日、14論文の計54件で画像の改ざんなどの不正行為があったとする報告書をまとめ発表した。そのうち1件は、幹細胞移植の再生医療の臨床試験への申請に利用しており、調査委は「医療倫理上、重大な問題が含まれている可能性がある」と指摘した。同大は今後、退職金返還などの処分を検討する。

 これに対し松原元教授側は「画像などを捏造(ねつぞう)、改ざんなどした事実は絶対にない」と全面的に否定している。研究費を出した厚生労働、文部科学の両省は大学側に報告を求める考えだ。

 この問題をめぐっては、外部からの指摘を受け、大学側が2011年12月に学外の有識者も含む調査委を設置。元教授がかかわった1999年から11年の18本の論文について本人や共著者77人から事情を聴き調べた。

http://www.asahi.com/national/update/0411/OSK201304110077.html?tr=pc

http://megalodon.jp/2013-0416-2008-34/www.asahi.com/national/update/0411/OSK201304110077.html?tr=pc


京都新聞: 府立医科大 データ検証へ 男性教授撤回の論文 臨床研究チーム

2011-10-19 06:55:38 | 関連NEWS

2013年03月01日 京都新聞: 府立医科大 データ検証へ 男性教授撤回の論文 臨床研究チーム

 

府立医科大 データ検証へ 男性教授撤回の論文 臨床研究チーム

 京都府立医科大は1日、辞職した男性教授が中心となって進めた血圧降下剤の効果に関する臨床研究を検証するチームを立ち上げることを決めた。

 「研究活動に関する品質管理推進本部」(本部長・吉川敏一学長)を同日に設置、推進本部内に検証チームを設ける。元教授の研究論文を掲載、撤回した日本循環器学会が、大学に調査を求めていることから、研究データの精度などをあらためて調べる。外部の有識者を含む5人前後で構成する予定。

 推進本部は学内の教授約10人がメンバーとなり、研究活動における国の倫理指針や、研究費の適正使用などへの理解の徹底に向けて研修会を実施する。研究活動や論文発表に疑義が指摘された場合に速やかに対応する体制の構築も図る。府立医大は「教育研究機関としての信頼を守るため、研究者の行動規範を徹底し、危機管理にも力を入れる」としている。

【 2013年03月01日 22時30分 】


朝日新聞: 京都府立医科大教授、論文改ざんの疑い 大学が聴取

2011-10-18 20:51:24 | 関連NEWS
朝日新聞: 京都府立医科大教授、論文改ざんの疑い 大学が聴取 2012年3月15日9時20分


 京都府立医科大の男性教授がかかわった複数の論文について、図や表を改ざんした疑いがあると指摘されているとして、米国心臓協会(AHA)は12日付で懸念の声明を公表し、同大に調査するよう求めた。大学側にもすでに同様の指摘があり、昨年12月に調査委員会を設置し、教授らから事情を聴いている。

 AHAが示したのは、AHAが発行している三つの学術誌の2001~04年の号に載った5本の論文。心不全や血管の再生に関する基礎研究などだった。大学側には、5本とは別の論文でも図の使い回しなどの不正の指摘があったという。

 この教授は朝日新聞の取材に「図を使い回したり、誤って上下を逆にしたりしたことはあったが、認識不足や単純なミスだ。意図的な改ざんではない。調査には協力している」と語った。

http://www.asahi.com/national/update/0315/OSK201203150012.html

http://megalodon.jp/2012-0316-0802-53/www.asahi.com/national/update/0315/OSK201203150012.html

毎日新聞: 論文不正:京都府医大教員、4論文でデータ使い回し

2011-10-18 20:51:24 | 関連NEWS
論文不正:京都府医大教員、4論文でデータ使い回し
毎日新聞 2013年02月25日 21時18分(最終更新 02月25日 22時25分)

 京都府立医大(京都市上京区)を運営する府公立大学法人は25日、同大学大学院医学研究科の教員が発表した4論文に不適切な図表の使い回しがあったとして、教員を訓告処分にしたと発表した。指導的な立場の教員も文書注意とした。発表先の学会や雑誌に修正を申し入れ、いずれも了承されたという。

 同大学によると、11年9月、「論文が捏造(ねつぞう)された疑いがある」との匿名の投書が届き、内部に調査委員会を設置。教員がこれまでに作成した論文を検証した結果、一部で同じ実験データの図表が使い回されていることが判明した。論文作成に必要な実験自体はしていたことが確認できたため、捏造ではなく、データ管理のずさんさや不注意が原因だったと結論付けたという。【五十嵐和大】

http://mainichi.jp/select/news/20130226k0000m040092000c.html

毎日新聞: 京都府立医大:責任著者の教授、辞職へ 降圧剤論文撤回で

2011-10-18 20:51:24 | 関連NEWS
京都府立医大:責任著者の教授、辞職へ 降圧剤論文撤回で
毎日新聞 2013年02月28日 02時30分

 京都府立医大のチームによる降圧剤「バルサルタン」に関する臨床試験の論文3本が、「重大な問題がある」との指摘を受けて撤回された問題で27日、論文の責任著者の松原弘明教授(55)が大学側に月末での辞職を申し出、受理されたことが大学への取材で分かった。松原教授は大学に対し、「大学や関係者に迷惑をかけた」と説明したという。

 大学によると、辞職申し出は2月下旬。大学を所管する府公立大学法人が受理した。

 問題になっているのは、09~12年に日欧2学会誌に掲載された3論文。血圧を下げる効果に加え、脳卒中のリスクを下げる効果もあるかなどを約3000人の患者で検証した。

 3論文のうちの2本を掲載した日本循環器学会は昨年末、「深刻な誤りが多数ある」として撤回を決め、吉川敏一学長に調査を依頼。これに対し、大学は学内3教授による「予備調査」で、捏造(ねつぞう)などの不正を否定する結果を学会に報告した。その後、学会は再調査を求めており、大学は「対応を検討中」としている。【八田浩輔】

http://mainichi.jp/select/news/20130228k0000m040128000c.html

毎日新聞: 降圧剤論文撤回:学会が再調査要請 京都府立医大に不信

2011-10-18 20:51:24 | 関連NEWS
降圧剤論文撤回:学会が再調査要請 京都府立医大に不信
毎日新聞 2013年02月20日 15時00分

 京都府立医大のチームによる降圧剤「バルサルタン」に関する臨床試験の論文3本が、「重大な問題がある」との指摘を受け撤回された問題で、日本循環器学会が吉川敏一・同大学長に対し再調査を求めていたことが20日分かった。大学側は今年1月、捏造(ねつぞう)などの不正を否定する調査結果を学会に出していたが、学会は納得せず不信感を抱いている。

 問題になっているのは松原弘明教授(55)が責任著者を務め、09~12年に日欧の2学会誌に掲載された3論文。患者約3000人で血圧を下げる効果などが確かめられたとする内容だ。昨年末、3本中2本を掲載した日本循環器学会が「深刻な誤りが多数ある」として撤回を決めるとともに、学長に事実関係を調査するよう依頼した。

 しかし大学は調査委員会を作らず、学内の3教授に調査を指示。「心拍数など計12件にデータの間違いがあったが、論文の結論に影響を及ぼさない」との見解を学会に報告し、松原研究室のホームページにも同じ内容の声明文を掲載した。

 学会はこれに対し、永井良三代表理事と下川宏明・編集委員長の連名で2月15日付の書面を吉川学長に郵送した。(1)調査委員会を設け、詳細で公正な調査をする(2)結論が出るまで、松原教授の声明文をホームページから削除する--ことを要請している。

 毎日新聞の取材に、学会側は「あまりにもデータ解析のミスが多く、医学論文として成立していないうえ、調査期間も短い。大学の社会的責任が問われる」と説明。大学は「対応を今後検討したい」とコメントを出した。

 バルサルタンの薬の売り上げは薬価ベースで年1000億円以上。多くの高血圧患者が服用している。【河内敏康、八田浩輔】

http://mainichi.jp/select/news/20130220k0000e040229000c.html

毎日新聞: バルサルタン:京都府立医大の効果に関する論文3本撤回

2011-10-18 20:51:24 | 関連NEWS
バルサルタン:京都府立医大の効果に関する論文3本撤回
毎日新聞 2013年02月06日 02時30分

 京都府立医大のチームが09~12年に執筆した、降圧剤「バルサルタン」の効果に関する臨床試験の論文3本が、「重大な問題がある」などの理由で掲載後、相次いで撤回されたことが分かった。責任者の松原弘明教授は「データ集計の間違い」と説明しているが、単純ミスなら論文を修正するのが一般的で、撤回は極めて異例だ。【河内敏康、八田浩輔】

 臨床試験は高血圧患者約3000人を対象に、別の降圧剤とバルサルタンを併用した場合と、バルサルタンを使わない場合とで病状を比較した。

 チームは「併用群では脳卒中や狭心症が目立って減った」という結果を09年9月、欧州心臓病学会誌に発表。さらに、同じデータを使って心臓肥大の症状がある患者への効果(11年3月)▽糖尿病患者らの心臓病発症防止効果(12年9月)について分析した2本の論文を、日本循環器学会誌に掲載した。

 だが日本循環器学会誌は昨年12月27日付で2本を撤回。欧州心臓病学会誌も今年2月1日付で取り下げた。日本循環器学会は「データ解析に極めて多くの問題点があることが判明し、医学論文として成り立たない」と話す。この試験をめぐっては「国内外の同種の薬を使った臨床試験結果と合わない」「血圧値がそろいすぎている」など、専門家から不自然さが指摘されていた。

 大学側は昨年末、日本循環器学会の要請で調査を実施し、「研究に不正はなかった」と今年1月、報告した。毎日新聞の取材に松原教授は「データ集計の間違いで、故意(の捏造<ねつぞう>など)ではない」と書面で回答した。松原教授は現在、日本高血圧学会の理事で、日本循環器学会の理事も務めたことがある。

 バルサルタンの発売元のノバルティスファーマは「医師主導の試験で、解析などに一切関わっておらず、コメントする立場にない」としている。

 NPO法人「臨床研究適性評価教育機構」の桑島巌理事長は「一連の論文撤回で日本の臨床試験の信頼性が失われたことは重大な問題。不正の可能性もあり、真相究明のための一層の調査が必要だ」と指摘する。

 ◇バルサルタンとは

 ノバルティスファーマが商品名「ディオバン」として00年に国内発売した。血管を収縮させ血圧を上げる成分の働きを、阻害する効果がある。約100カ国で承認を受け、11年度の国内売上額は約1193億円。

SANSPO(共同): 京都府立医大の教員、論文で図表使い回し訓告処分

2011-10-18 20:51:24 | 関連NEWS
2013.2.26 01:02
京都府立医大の教員、論文で図表使い回し訓告処分
 京都府立医科大は25日、複数の論文に同じ図表を使い回したとして、大学院医学研究科の教員を同日付で訓告処分にしたと発表した。指導・監督責任を問い論文発表時の上司を文書注意にした。

 教員が発表した11の論文を調査した結果、うち四つで使い回しがあったと認定。大学は教員のデータ管理が不適切だったとし、捏造はなかったと判断した。

 2011年9月、匿名で大学院生を名乗り「複数の論文で同じ図表が使われている。捏造の疑惑がある」とする投書が届き、調査していた。

 大学の事務局総務課は「適正な研究活動をするよう周知徹底した」とのコメントを出した。(共同)