まゆげクリニック

メンタル、フィジカル両面に弱点を有する患者のリハビリ日記。

ごくありふれた日常

2008-02-27 21:59:47 | カルテ
とある日の朝。

周囲はいつものように慌しく、私も同様に目の前のつまらない雑務を終わらせるため、PCをカタカタと無表情で叩く。

と、突如背中に襲い掛かってくる激痛に声もなく反射的に立ち上がる私。

その表情はまさに“苦悶”の一言で、何が起こっているか理解できないまま後ろを振り向くと、満面の笑みで悠然と仁王立ちする同僚の姿。

同僚がそのままスタスタと別の部屋に消え去る間に私は急いで座りなおし、仕事もそっちのけで、背骨にダメージを与えることで反射的に相手を立ち上がらせるシーンがある漫画をインターネットで検索。

なんとか無事「バキ」という漫画にそのようなシーンがあることを突き止め、

再び私のところに戻ってくる同僚に対し、

急いで検索したことは悟られること無く、

「今のは、100年に1度開催される中国最大の武術祭典にて、背中の頑丈(タフ)さが正面の約7倍ということに気付き、頭を抱えて相手に背中を向けることで自らを護身しようとした寂海王に対し、緩やかに拳を握り「許せ」と呟きながら少し突き出した人差し指の第2関節を背骨に打ち込むことで反射的に立ち上がらせ、その隙に顔面に崩拳(中段突き)を叩き込んだ烈海王を真似したんだよね?」

と何気なく回答。

同僚が満足げな顔をしながら静かに自分の席に戻るのを確認してから、ようやく安堵の表情を見せる私。

部長説明の時にもかかないような汗が、人よりも少しばかり大きな掌をじっとりと濡らしている。

月曜日にジャンプを読まなかった小学生が翌日学校でつまはじきにされる事件が各所で相次ぐ時代があったが、今や漫画の知識は仕事の人間関係において同様な位置づけとなっている。

元々漫画にあまり造詣のない私にとっては非常に生き辛い世の中になってしまったが、今はインターネットでどんな情報も咄嗟に知ることができる。

これからも漫画を読むことは無いだろうが、会社の人間関係を保つためにも、より一層検索能力を高め、現状に適応していけるよう頑張って行きたいと思う。

※このお話は一部ノンフィクションです。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
驚愕だね (KURO坂)
2008-02-28 01:29:26
厳しい職場にいるんだね

ところで
バキってそんなに面白いの?
理解できないなー

(そう思っていた頃が、僕にもありました)
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誤記みっけ (1000)
2008-02-28 22:45:01
・インターネットで検索
→脳内を検索

・同僚
→KURO坂さん

・元々漫画にあまり造詣のない私
→成人してからも週6冊ペースで漫画雑誌を読破している私

・これからも漫画を読むことは無いだろうが
→これからも漫画を読まなくなることは無いだろうが

・このお話は一部ノンフィクションです
→このお話はノンフィクションです

・バキってそんなに面白いの?理解できないなー
→バキは漢の教科書だよね!



ちなみに私の地方では、ジャンプは火曜発売でした。
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Unknown (患者)
2008-03-02 23:31:00
>KURO坂氏
あ、どうもBAKIマニアさん。

>1000氏
私の地方では、ジャンプは一足早く土曜日に発売されてましたよ。
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