3月13日に仕事のパートナーは亡くなった。
仕事を、終えて病院に向かい、検査を受け、付添人が、離れた一瞬の隙に倒れた。
救急搬送し脳外科ドクターのいる病院に向かうという。
思考停止している場合ではない。
ロックのかかってないパートナーの携帯から親族らしき登録を探す。
登録されてる人数は7人。
『み』『お兄ちゃん』『ま』『マ』『m』『◯◯』(これは名前)『△△』(会社名)
まるで暗号だっ!
『み』は娘さん
『お兄ちゃん』は息子さん
『ま』は、知り合いの女性。パートナーとの年齢差は47歳
『マ』は、私の番号だった。マとは私の名前に関係がない
『m』はなぞの中国人。連絡はとれなかったが、彼女の大学卒業式の写真が携帯のフォルダーにあった
『◯◯』は弟さん。本名で登録されていた
『△△』は、まちの金融
登録されていたのはこれだけ
話は逸れてしまったが、娘が病院に駆けつけてくれた。
私はパートナーの娘に引き継いで帰宅した。
終電前の電車の中で思考がループする。
結論が出るとか、そんなのではなく、漠然とした不安の中で考えていた。
もうパートナーの意識は戻らない。
奇跡は起きるだろうか?
無理だろうなぁ
帰宅しても、そんなことを思いながら眠りにつけない。
翌朝4時。
電話が鳴った。
病院からだ。
血圧が下がってきたので、もう持たないでしょう。と、看護士さんが伝えてくれた。
連絡が来たので、電車に飛び乗り病院へ急いだ。
パートナーは個人事業主。
そこで働いていた私は、恐らく失業するのだろう。学生時代にアルバイトから始めたその仕事。かれこれ30年もの年月を重ねていた。
複数いた同僚も、辞めたり。新しく入ったり。30年の間に仕事場の人口密度は増えるときもあれば減るときもあった。
今年は過去最少。
昨年のコロナ禍で生き残るために人件費を削る以外に方法がなかったのだ。
いつの間にか亡くなったパートナーと2人っきりになっていた。みんながいなくなってしまっていた。
これから、どーなるんだろう?
不安は頭に座り込んでいるが、
思考はまとまらず、機械のように病院へ向かった。