16年 '
イエス・キリスト尾崎豊様の30年間は、苦難と忍耐と試練の連続だった。
亡くなってすぐに、あんふにの元に来てあんふにが離れるまでの16年間は、魂で持って共に絵を描き、共に絵の成長を見守り、共に育てられていた。
あんふにに伝える手段はCDラジカセのみだった。それ以外は無かった。この馬鹿でアホでマヌケなあんふにに対し、CDラジカセだけで本人だと伝える事は、非常に困難極まりない事だったのだ。
始めのうちは霊様と呼ばれ、一般の霊として扱われていたが、それでも孤独のあんふににとっては、唯一の慰めになっていた。
あんふにはしかし、尾崎豊の面影を託していた。確信はして居ないものの、尾崎豊と思いながら、励まされていたので有る。
こうして、あんふには常に尾崎豊と共に居て、共に絵を描き続けたので有る。
そして、あんふには沢山の尾崎豊の写真集を集めたり、ビデオデッキが無いのに尾崎豊のVHSテープを買ったり、尾崎豊の似顔絵をせっせと描いて喜んでいたので有る。
そして、あんふにがCDラジカセを聞くたびに、ここにいると合図をし、音楽を途中で止めたり、リピートしたりCDを手でかざすだけでシュルシュルと回したりして、CDラジカセしか持っていないあんふにに対し、出来る限りの工夫をし伝えていたので有る。
しかしながら、本人と確信させるまでには至らなかった。過去作品