イスパ語劇の歴史編纂企画のブログ

イスパ語劇の歴史を振り返る文集を作ります。作業進捗状況を伝えていきます。問い合わせ先はイスパニア語学科吉川恵美子

お待たせいたしました!

2011年06月15日 | 日記
1期生堀口さんのエッセイの一部を、ご本人の許可のもと掲載します。写真は1期生豊田さんにご提供いただきました。

回想 サルスエラ「LA VIEJECITA」のこと



 この劇が上演された1957年1月といえば、イスパニア語1期生にとって2年次の学期末に当たるが、どうにかスペイン語の中級が理解できるようになった程度で、語劇を演ずるには未だ力不足であったと思う。それでもサルスエラをやろうということになったのは、指導に当たられたスペイン人神父様の熱意と、好奇心の強い学生が大勢いたからだったと思う。この神父様は、ピアノだけを使って音楽面から演技のひとつひとつまで全てについて一人で指導してくださった。それまで演劇の経験もなく、音譜も読めない私共をして、なんとかかっこうのつく劇にまとめあげるのには、非常なご苦労があったと思われる。
 次いで特筆されるべきことは、やはり他校の女子学生との共演が実現したことである。
 当時の上智には女子学生は在学していなかったので、主役を含めた女性出演者を校外に求めざるをえなかった。どのようなツテがあったのか知る由はないが、武蔵野音大等から7~8人の女子学生が共演していただけることとなり、これが上演を可能にした鍵となった。彼女たちの中には声楽専攻の人もいて、サルスエラの音楽的な魅力とその出来映えは、彼女たちの美声に負うところが大であった。さらに女子との共演は、我々男子出演者を大いにハッスルさせ練習にも一段と熱が入るという現象を生んだ。
 練習会は、いつも1号館4階の大講堂に全員が集合し、神父様のピアノの先導で、ソロやコーラスの練習が繰り返された。
 当時の学内は学生数も少なく、女性の姿はなく、キャンパスには、厳粛な空気がただよっていたが、その一角から時折華やいだ混声コーラスが流れていった。
 私事であるが、この頃私はある学生連盟の活動に参加していて、その関係でときどき練習会に出られないことがあった。私一人が欠けることで、みんなに迷惑をかけることになったが、こんな状況を見兼ねたのか、女子学生の一人から個別の特訓をしてあげてもよいとの申し出があり、何度かマンツーマンの指導をしていただいた。
 アミーガもいなかった私にとってそれはとても楽しいひとときであった。
2011年5月29日 記


【番外編】2011語劇公演のお知らせ

2011年06月14日 | 日記
現役学生によるイスパ語劇の春公演は今週です。詳細は
http://ameblo.jp/gallinero/ をご覧ください。

吉川恵美子

大先輩方からの反響が届いています

2011年06月14日 | 日記
こんにちは。今年の上智は節電政策に対応して学期が2週間短縮されました。その関係で、そろそろ学期の締めくくりにかかる時期を迎え、忙しさが増してきました。

前回の「日記」で予告した田口さん(1期生)のメモは、現役語劇団員の綾香さんが手書き原稿をパソコンに移し、現在、執筆者の堀口さんが内容を確認中です。近日中に堀口エッセイの一部をアップします。

この間に豊田さん(1期生)、山内さん(4期生)からご連絡をいただきました。

豊田さんからは La viejecita の写真が何枚か送られてきています。田口さんの原稿と一緒にアップします。(私の技術で写真をアップできるかが問題)

山内さんはサルスエラに参加した同期の立川さん、KELTSさん、1期上の赤井さんと連絡をとっています。当時の仲間が集まり、みんなで記憶をふるいにかけたのち、それぞれがエッセイをお書きくださるそうです。

吉川恵美子

同学会総会で呼びかけをしました。

2011年05月29日 | 日記
毎年5月の最終日曜日に、上智大学の卒業生は母校に集まります。このホームカミングデーを「オールソフィアンズデー」と呼んでいます。この日にイスパニア語学科卒業生&現役生で構成される「同学会」の総会が開かれます。

本日、2011年度の同学会総会が開かれ、あいにくの雨にも関わらず第1期生を筆頭に多くのイスパ卒業生が集まりました。その場で、語劇史編纂を呼びかけました。懇親会のおりに、たくさんの語劇出身者とお話もできました。写真やプログラムをお送りくださると約束してくださった方もいます。思い出についてのエッセイをお願いすると、まだすぐにいいお返事はいただけないのですが、この企画にはこれから2年の時間をかけますので、いずれはたくさんの原稿が集まると確信しています。

サルスエラに参加された1期生の田口さんからはすでに手書きの原稿(ご本人はメモ書き、と仰っています)を預かりました。パソコンに打ち込み、ご本人の承諾を得た上で、このブログ上に一部を掲載したいと思います。

吉川恵美子

上智大学イスパニア語劇のOBOGの皆さまへ

2011年05月25日 | 日記
イスパニア語学科語劇史(文集)」編纂の提案
-イスパ語劇の歴史を作ってきた皆さまへー
2011/05/25
  

イスパニア語学科「語劇」の第1回公演は1957年1月19日にさかのぼります。イスパ第1期生と第2期生が参加しての初演目は La viejecitaでした 。当時の記録には「本邦最初のZARZUELA上演」とあります。その頃は学科に女子学生がいなかったので、武蔵野音大生と聖心女子大生が賛助出演してくれたと聞きます。

  その1957年から半世紀をこえる時がすぎました。この間、イスパ語劇は何度か途絶えたことがありますが、それでも2011年の現在まで歴史をつないできました。語劇に参加したイスパ生たちはどれくらいの数にのぼるのでしょう。語劇に参加した学生たちは、もちろん一生懸命勉学にも励みましたが(!?)、放課後の語劇活動では教室の座学とはひと味もふた味も違うイスパニア語を体験しました。作品を通して遠い国の文化を知り、思想を知り、人の心を知りました。また、仲間や顧問の先生たちと過ごした時間は大学生活のかけがえのない思い出となっているはずです。

  ひとりひとりの記憶のなかにしまい込まれている「イスパ語劇」を形にして残しませんか?ひとりひとりの思い出をつないでいけば、イスパニア語学科がたどった半世紀の歴史が見えてくるかもしれません。こうした思いからここに「イスパニア語学科語劇史(文集)」(仮題)編纂の提案をさせていただきます。

企画名称:「イスパニア語学科語劇史」編纂企画

企画内容:
★イスパニア語学科の語劇に関わった人たちのエッセイ(活動記録や思い出など)を集める。
★語劇関連のプログラム、写真、広報記事などを集める。これらを文集の形にまとめる。
★文集はPDF文書にまとめ、原稿執筆者にはデジタルデータを無料配布する。
★デジタルデータ配布は2013年5月を目標とする。
★紙ベースの出版物にまとめると相当の費用がかかるので、これを行うかについては作業経過を見ながら考える。
★企画事務局はイスパニア語学科吉川研究室(emiko-y@sophia.ac.jp)に置く。
★編纂作業は企画提案者吉川が担当する。
★ブログを作成し(本ブログ)、企画への参加呼びかけ、進捗状況報告に活用する。

企画達成目標:
2013年5月(上智大学100周年の年の同学会総会で作業完了を報告する)

趣旨にご賛同いただける方はご連絡ください。たくさんの記憶が集まる事を願います。

1975年卒業 吉川恵美子
語劇参加作品:
72年Las palabras en la arena (Antonio Buero Vallejo作) 
73年 Amor a oscuras (Avarez Quintero 作)