生活保護減額訴訟控訴審 福岡高裁が逆転判決 引き下げは違法と認める
2025/01/29
生活保護費の引き下げは違法として、福岡県内の受給者らが国に決定の取り消しなどを求めた訴訟の控訴審で、福岡高裁は29日、1審判決を変更し引き下げ処分を取り消しました。 この裁判は、国が2013年から2015年にかけて生活保護費の基準額を最大で10%引き下げたのは違法として、福岡県内で生活保護を受給する50代から90代の男女39人が、取り消しや賠償を求めているものです。 1審の福岡地裁は2021年、請求を棄却し、原告側が控訴していました。 29日の控訴審判決で、福岡高裁は1審判決を変更し、引き下げ処分を違法と認め、一部の原告37人についての処分取り消しを認めました。 一方、原告2人については訴訟を起こす前の県への審査請求期限が過ぎていたとして、棄却しました。 また、賠償請求については、原告全員が棄却されましたが、処分は取り消す逆転判決に、原告側は喜びを隠しませんでした。 弁護団「みなさんやりましたね」 原告「物価などで、生活保護の引き下げはみなさん苦しい思いをしている。もっといい社会になってほしいと訴えます」 判決を受けて、国は「今回の判決内容を精査し、適切に対応したいと考えている」とコメントしています。