違法な客引きやぼったくりが横行 電化製品の街、秋葉原が変化

 

そうです

ざっくり言うと

  • 違法な客引きやぼったくりが横行している秋葉原の現状を、筆者が取材した
  • ぼったくりの標的になるのは、オタク風の男性よりサラリーマンが多いという
  • 女性との会話を求めて秋葉原へ足を運んだところを狙われているとのこと
ぼったくりグループが歌舞伎町から直接乗り込んできたという話はいまのところ聞きませんが、そのようなグループが日本一の繁華街である歌舞伎町ではなく秋葉原に活路を見出しているという見方はあります。秋葉原はたしかに、ぼったくりの街と言ってもいいでしょう。

秋葉原でメイドカフェなどのコンセプト喫茶(通称コンカフェ)を数店舗経営する男性経営者の言葉だ。今年7月、千代田区は秋葉原一帯を「客引き行為等防止重点地区」に指定した。なぜ、秋葉原は「ぼったくりの街」と化してしまったのか。街を取材した。

BLOGOS編集部

違法な客引きだらけの秋葉原

毎週日曜日に歩行者天国となる中央通りから西に入ったところに、「メイド通り」と呼ばれる道がある。道の両脇には様々なコスプレをした若い女の子たちがズラリと並び、オタク風の男性やサラリーマン風の男性にひたすら、「お兄さん1杯どうですか~?」と甘い声で"客引き"をしている。

客引きをしている店は、コンカフェ、ガールズバー、リフレなどの従業員。秋葉原にはそういった店が合わせて200店舗ほどある。客引きは東京都の迷惑防止条例によって禁止行為とされているものの、わずか50メートルほどの通りに、じつに40人以上の女の子が立っている。女の子のひとりに、店側からはどういった説明を受けているのか聞いてみた。

警察に道路使用許可証を出しているので問題ないんですよ。

仮に道路使用許可を提出し、認められていたとしてもできる行為はビラ配りくらいで、客引きに関しては認められることはない。秋葉原ではそのうえ、配布人数は1店舗につき1人と決められている。しかし、複数の女の子たちと話してみると、1店舗につき1人どころの話ではない。同じプラカード、同じ料金表を持った女の子が何人もいる。この状況を万世橋署秋葉原交番の警察官に説明すると、このように返ってきた。

何もしていないわけではありません。取り締まってはいます。目に余るような客引き行為がある場合は規制をしており、街中で客引き禁止の放送をすることもあります。

しかし、この日のメイド通りには警察官の姿はひとりもなく、周りを気にしながら客引き行為をする女の子もひとりもいなかった。全員が堂々と、客引き行為をしているのが現状だ。

秋葉原ぼったくりグループの手法

歌舞伎町などの繁華街では、悪質な客引きがぼったくり被害の温床になっているという側面がある。通常客引きは男性で、歌舞伎町では風俗店のほか、違法カジノ店などにも客を斡旋する。そういった理由から通行人も一定の警戒心を抱きながら接するが、秋葉原の場合、客引きはあどけない笑顔の女の子である。ついていった店がまさかぼったくり店だとはなかなか思わないだろう。秋葉原に詳しい客の男性が話す。

歌舞伎町のようなウン十万のぼったくりは秋葉原ではありませんが、プチぼったくりが非常に多いです。払えなくもないけども明らかに高額な料金を請求してくる店が一定数あります。また、飲み放題3000円と表記しておきながら、シャンパンを注文しないと女の子が席につかないシステムになっていることも。知らないうちに女の子たちがドリンクを飲みまくっており、最後にすべて請求してくるのです。

さて、秋葉原におけるこのようなぼったくりはいつに始まったことなのだろうか。秋葉原に詳しい客の男性は、「気付いたらそうなっていた」と言っていたが、これには明確な時期がある。歌舞伎町の風俗案内所の男性が教えてくれた。

5年ほど前まで歌舞伎町ではぼったくりの被害が相次ぎ(いまでもあるが)、交番の前には店の領収証を握った客で行列ができていたほどです。その状況を受け、新宿区は2016年4月、『新宿区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例』を一部改正強化しました。

それを機に、ぼったくりグループは各地に分散していきました。ちょうどその頃、名古屋で急激にぼったくりの被害が増えていましたが、明らかにこれが原因です。それからというもの、ぼったくりグループの標的になる街が多様になり、秋葉原にも手が伸びたのではないでしょうか。

ぼったくりの取り締まりが厳しくなった歌舞伎町
 

秋葉原がぼったくりの街と化したのは必然だった

また、別の秋葉原に詳しい客の男性によれば秋葉原がぼったくりの街と化すことはもっと前から予想できていたという。

かつての秋葉原は無線や電化製品の街としてオタクが集まる場所でした。そこに女の子の要素が入ってきたのはいまから約20年前のことです。『Piaキャロットへようこそ!!』というエロゲーのコンセプト喫茶が試験的に秋葉原にオープンし、それが予想以上に大ウケした。それを真似る業者が大量に発生して、いまのような街になったのです。

それを機に秋葉原は急速にエロの色が強くなり、リフレ店を中心に未成年売春の巣窟となった時期もあった。30万で中学生を抱ける……、アイドルを抱ける……。そう言われて実際に待ち合わせ場所のレンタルルームに行ってみるとやってくるのはただの中年女性。そんな状況になってしまえば、悪質な店は後を絶たなくなる。

ひと昔前に比べればいまの秋葉原はかなり浄化されたと言っていいんじゃないですかね。しかし、エロの要素が街に入ってきた時点で、悪質な店がいずれ出てくることは当時から予想できました。いまも女の子で商売をしている以上、その誘惑を利用したぼったくりなどの被害はなくならないと思います。秋葉原がオタクの街から繁華街になっただけではないでしょうか。(前出の秋葉原に詳しい客の男性)

ぼったくりグループが主に標的にするのは、意外なことにオタク風の男性ではなくサラリーマンが多いという。オタク文化が一般層にも浸透し、女の子との会話を求めて秋葉原に足を運ぶサラリーマンが増えた。それにともない、どこにでもあるようなガールズバーも増え、その一部がぼったくりで荒稼ぎをしているのだ。

秋葉原ぼったくりグループの正体

たった50メートルの間に40人以上の女の子が立ち、客引き行為をしているメイド通りだが、ここにはそれ以上に目に付く存在がある。客引きをしている女の子たちを見張るように通りの角に立っている半グレ風の男性たちだ。

彼らと女の子の会話を横で聞いていると、「そうすればうまく客を店まで連れて行けるか」について、男が女の子にアドバイスをしていた。「通行人とトラブルになったとき(通行人によるセクハラなど)に仲裁に入ってくれる、経営者の方です」と女の子は話していたが、冒頭のコンカフェなどを数店舗経営する男性経営者によれば、彼らは「半グレの下っ端」だという。

秋葉原のプチぼったくりグループは大きく3グループにわけることができます。葛西の中国系半グレグループ(名前は伏せる)、在日韓国人系のKグループ、日本人のMさんがまとめあげているグループの3つです。(男性経営者)

終電がとうになくなった深夜2時過ぎ、秋葉原の街を歩いてみる。歌舞伎町などとは違い、通行人の数はほとんどゼロともいっていいのだが、客引きの女の子たちがいまだに10人ほど、プラカードを持ちながら寒そうに道に立っている。その様子を、角に停まった黒のアルファードがしっかりと監視していた。

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